全巻まとめ

トラウマを抱える天才ピアニストの少年と薄幸の天才ヴァイオリニストの少女の共鳴と成長、涙なしには読めない青春ストーリー『四月は君の噓』全11巻【ネタバレ注意】

かつて指導者であった母から厳しい指導を受け、正確無比な演奏で数々のピアノコンクールで優勝し、「ヒューマンメトロノーム」とも揶揄された神童・有馬公生は、母の死をきっかけに、ピアノの音が聞こえなくなり、コンクールからも遠ざかってしまう。

それから3年後の4月。14歳になった公生は幼なじみの澤部椿を通じ、満開の桜の下で同い年のヴァイオリニスト・宮園かをりと知り合う。ヴァイオリンコンクールでかをりの圧倒的かつ個性的な演奏を聞き、母の死以来、モノトーンに見えていた公生の世界がカラフルに色付き始める。

しかし実は、かをりには周囲に隠し続けていた秘密があったー。

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登場人物紹介

<主人公たち>

有馬 公生(ありま こうせい)
本作の主人公。 市立墨谷中学校3年生(14歳)。
公生を世界的なピアニストに育てるという母の夢を叶えるため、幼い頃から厳しい指導の下で練習に励み、数々のコンクールで優勝を果たした。その一方で、正確無比な演奏により、「ヒューマンメトロノーム」「母親の操り人形」「機械仕かけ」「コンクールだけのピアニスト」「譜面の僕(しもべ)」「コンクール仕様」などと揶揄されていた。11歳の時、母に元気になってほしい一心で感情を込めた演奏をするが、その演奏内容について母から体罰と叱責を受け、公生も感情を抑えきれず母に対して「お前なんか、死んじゃえばいいんだ」と言ったのが母との最後の会話となる。以降、母との思い出がトラウマとなり、演奏中に自分が弾くピアノの音が聞こえなくなるという症状を発症し、ピアノを遠ざけていた。同年代の演奏家たちに与えた影響は大きく、クラシック界ではかなりの有名人。井川絵見にとってはピアノを始めたきっかけの人物であり、相座武士にとっては目標とする人物である。

宮園 かをり(みやぞの かをり)
本作のヒロイン。市立墨谷中学校3年生。
演奏家として圧倒的な個性があり、聴いた人の記憶に残る演奏を心がけている。明るく活動的な性格だが、公生に対しては傍若無人に振る舞うため、公生からは当初「珍妙珍奇」で「奇抜」な思考の持ち主だと思われていた。中学3年生の春に、椿から渡亮太を紹介してもらったことがきっかけで、公生・椿・渡の3人組と親しくなる。

澤部 椿(さわべ つばき)
市立墨谷中学校3年生。公生とは家が隣同士の幼なじみ。
運動神経に優れ、所属するソフトボール部では主砲を務める。それゆえ、周囲には「女ゴリラ」とからかわれることもある。
公生を世話のかかる弟のような存在だと思っており、公生がピアノを遠ざけてから中途半端な状態であることを案じている。ピアノを弾けば何かが変わると考え、公生にもう一度ピアノを弾いて欲しいと願っている。

渡 亮太(わたり りょうた)
市立墨谷中学校3年生。公生・椿の幼なじみ。
サッカー部部長。多数の女子から人気があり、渡自身も女子が大好きである。軽薄だと言われるが、時々良いことを言う。椿からかをりを紹介され、公生と共に交流を持つ。

<音楽関係者>

井川 絵見(いがわ えみ)
公生と同年代のピアニスト。倉橋第四中学校3年生。
5歳の時に友達のピアノ演奏会の応援に訪れた際、その演奏会に出場していた公生(公生の初の演奏会だった)の演奏に感動しピアニストになることを誓う。初めて聴いた時の公生の無邪気な演奏に執着しており、「機械のように正確」「コンクールのためだけに弾く」「コンクール仕様」の「有馬公生」を認めたくなく、自分の演奏で否定するためにピアノを続けている。
朝食べたものや天気など、些細なことで演奏の調子が変わる気分屋。

相座 武士(あいざ たけし)
公生と同年代のピアニスト。演奏スタイルは堅実で、作曲家の意志を汲み体現することを重んじる。
幼少の頃は悪童であり、躾のために様々な習い事を受けさせられていた。習い事のうちピアノに高い適性を示したことで、ピアニストとしての道を歩む。8歳のときに公生と出会い、コンクールで何度も敗北を重ねたことで、正確無比な「有馬公生」に憧れるようになる。

有馬 早希(ありま さき)
公生の母。故人。生前は音楽教室を営み、公生をピアニストにするため、体罰を与えながら毎日何時間も厳しく指導していた。公生が11歳の秋、公生とのコンクールの演奏についての諍いの後に亡くなり、公生に重大なトラウマを残す。クライスラー作『愛の悲しみ』のラフマニノフ編曲版を好んで弾いていた。元々公生をピアニストにするつもりはなく、紘子のアドバイスを受け公生への指導を始めた当初は優しく指導していた。

瀬戸 紘子(せと ひろこ)
日本屈指の評価を受けるピアニスト。一人娘の小春がいる。
早希の音大時代の同期であり親友で、早希と共に公生を見守ってきた。公生のピアニストとしての才能にいち早く気付き、ピアニストにするべきと早希にアドバイスした張本人である。後に公生が音楽に苦しめられているのを見て罪悪感を抱き、ピアニストである自分が側にいるべきではないとして、公生の前から姿を消していた。

相座 凪(あいざ なぎ)
武士の妹でピアニスト。胡桃ヶ丘中学校音楽科の1年生であり、三池とは同学年。「陳腐」という言葉を好んで使う。
兄である武士を尊敬しており、武士の関心を引くためにピアノを始める。コンクールの優勝経験があり、年齢に対して高い実力があるが、手が小さいためにリズムが遅れることがある。

三池 俊也(みいけ としや)
風間門下のヴァイオリニスト。胡桃ヶ丘中学校音楽科の1年生であり、凪とは同学年だが、校内では「両雄(龍虎)並び立たず」の犬猿の仲とされる。
藤和音楽コンクール中学生の部の優勝者だが、予選で譜面を無視して演奏したにもかかわらず主催者推薦で出場するかをりの方が注目されていることに反感を抱いていた。

落合 由里子(おちあい ゆりこ)
絵見の音楽の先生。気分屋でムラのある絵見の理解者。瀬戸紘子とは同門である。
周囲からは「魔女」と畏怖されている模様。

高柳 明(たかやなぎ あきら)
武士の音楽の先生。
審査員たちからは「チャラチャラしてる」と評され、落合からは「嫌味な男」と揶揄されている。

井端 潤三(いばた じゅんぞう)
毎報音楽コンクールで、公生らが出場した回で審査委員長を務めていた中年の男。演奏を中断した上に再開した公生の演奏を酷評し、憤慨していた。
権威主義者であり、公生に対して「コンクールは決して自分探しをする場所では無い」と告げている。凪の演奏を聴きにくる学祭のコンサートに来場していた。

各巻のあらすじ

演奏を辞めてしまった天才ピアニストと自由で情熱的なヴァイオリニストの出会い
コンクールは失格だが大喝采、かをりに心を動かされもう一度ピアノに向き合う決意を固める公生
母の影に苦しみながらも前を向く公生、コンクールではライバルたちと再会
公生に憧れていた絵美が最高の演奏を披露、一方の公生には母の影が呪いのように蝕んでいく…
かをりのおかげでどん底から抜け出した公生、一途な想いを胸に演奏家として前を向く
『愛の悲しみ』を通じて亡き母と向き合う公生、コンサートにかをりの姿はなく、異例のピアノソロでの演奏に
亡き母への愛と決別、かをりが欠席していた理由、そして椿は公生に惹かれている自分の気持ちに気付く
椿の気持ち、かをりとの1日デート、公生に弟子入りすることとなった少女の正体は…
学園祭での連弾、それぞれの想い人に演奏を届ける公生と凪
椿からの告白、かをりへの恋心を胸に演奏する公生、しかしかをりの容体が急変…
全ての想いを乗せた演奏、そして君のいない春が来る

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