演奏を辞めてしまった天才ピアニストの有馬公生と自由に演奏を楽しむヴァイオリニストの宮園かをりが友人の紹介の付き添いという形で出会いを果たす
しかし公生は母親の死がきっかけでピアノを辞め、ピアノの音色が聴こえなくなる症状に悩まされていた。
そんな公生の悩みをよそに、かをりは次のコンクールの伴奏に公生を指名。
ピアノの演奏を恐れていた公生だが、かをりに手を引かれてコンクールに出場することになった。
公生はピアノの音色が聴こえずに一度は演奏を止めてしまうが、かをりに背中を押され、観客を感動させる演奏を披露した。
もうピアノを弾かないと思っていた公生だったが、自分の音楽が届いた瞬間を忘れることができず、もう一度、演奏家として歩みだすことを決意。
自分を表現するような演奏ができずに悩む公生だが、かをりとの交流を通じて前を向く。
一方、幼馴染の椿は公生がピアノにのめり込む姿が心配になり、遠くへ行ってしまうんじゃないかと不安になっていた。
そして迎えたコンクールでは幼いころからのライバルの相座武士と井川絵美と再会。
公生を憧れの対象として強く意識してきた武士と絵美が素晴らしい演奏を披露し、公生の順番が回ってきた。
正確無比のピアノが鳴り響くが、母のことを思い出し、まるで罰を受けるかのように、ピアノの音色が聴こえなくなってしまう。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。
苦しみから救ってくれたのはかをり
毎報音楽コンクールで有馬公生はピアノを弾くが、またピアノの音が聴こえなくなって演奏が崩れていってしまう。
全神経をピアノに傾けろ。
公生は諦めずにヴァイオリンの伴奏をしたときのように集中しようとする。
しかし現れたのは母親の幻影。
これは罰なのだと言うかのように、暗く深い闇に飲み込まれていってしまう。
これでは耳障りでしかないと観客もがっかりしている。
そして公生の演奏から緊張感が失われていくと、ついに演奏を止めてしまった。
そのとき公生の目に写っていたのは天井の照明。
まるで夜空に光るきらきら星だった。
アゲインというかをりの声が聴こえる。
「そうだ 君のために弾こう」
かつて聞かれた何のためにピアノを弾くのかという答えにたどり着いた。
公生はかをりのためにピアノを弾こうと決意する。
公生のピアノの音色がきらめき出した。
たった1人、かをりのためだけにピアノを弾いている。
一途な想いを聴かされる観客も公生のピアノに引き込まれていく。
自分の中にはかをりがいて、そのかをりに届いてほしいという想いを乗せて公生はピアノの弾きあげた。
公生の顔は後悔なんて微塵もない清々しい表情だった。
演奏家として前を向いて歩き出す公生
公生の演奏後、会場は公生の話で持ち切りだった。
審査委員長はコンクールへの冒涜だといい、観客はあの演奏はなんだったのかと疑問に思っている。
着替えて帰る途中の公生の前に子連れの女性が現れた。
日本屈指のピアニストと言われる瀬戸紘子だ。
紘子は公生の母、有馬早希と音大時代の同期で、公生とも面識があった。
紘子は公生にどっちの女の子が好きなのかと聞く。
視線の先には椿とかをりの姿。紘子には公生のピアノから片思いの恋心を感じとっていた。
だが公生はそんなはずはないと否定する。
なぜならかをりは友人である渡のことが好きだから。
自分は友人Aでしかないのだ。
コンクールの結果発表の場に有馬公生の名前はなかった。
相座武士は自分が予選通過したにも関わらず複雑な表情をしていた。
かつて武士は公生を超合金のヒーローのような思っていた。
誰にも負けない孤高のピアニスト。
だが今の公生はまるで普通の人間のように見える。
公生のことを責める武士。
だが公生は後悔していなかった。
今のありったけの自分を出すことができたと清々しい表情を見せている。
「僕らはまだ道の途上にいる」
そういって公生は去っていってしまった。
ガラコンサートへ向けて
公生はあの場でできる限りの演奏をしたつもりだった。
だが悔しい想いが沸々と湧いてきていた。
翌日、紘子が公生の自宅を訪れるとピアノの前で寝ている公生を発見。
悔しくて夜通しピアノを弾いていたのだった。
学校で昼食をとっていると、かをりが1通の手紙を見せてきた。
ガラコンサートの招待状だ。
ガラコンサートにかをりと公生が招待され一緒に演奏をすることになった。
演奏する曲はクライスラーの『愛の悲しみ』
この曲は母がよく演奏していた楽曲だった。
違う曲にしないかと提案する公生だったが、かをりのヴァイオリンに懸ける想いを感じて受け入れることに。
公生はピアノに本気で向き合うことに決めていた。
それは数日前の出来事。紘子が自宅に訪れたときに覚悟を語っていた。
四月のある日変なヴァイオリニストに出会った。
その人に引きずり上げられた舞台では、自分の知らない光景が広がっていた。
だから公生は彼女のような変なピアニストになりたいと笑いながら語った。
そしてそんな公生の目を見て紘子は後見人として公生を指導することを決める。
学校からの帰り道、かをりは公生に、あの演奏をしているときに心に何を持ってたのか、何を支えにしたのかを聞くと、公生は「君がいたんだ」と答えた。
公生はかをりの後ろ姿を追い求めていた。
そしていつか肩を並べられるようになりたいと願った。
【5巻のまとめ】
一度は闇に落ちてしまいそうな公生がかをりのことを思い出し、かをりのためだけにピアノを演奏した。
その演奏はまるで片思い。一途な想いが観客を魅了していた。
コンクールの予選は通過できなかったが公生はそれでも前を向いていた。
次に挑むのはかをりとともに出場するガラコンサートだ。
次巻へ続きます。
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