中村が正式に引退し、阿久津が新主将、高杉が副主将に任命され、福田監督は「ユース史上最強」を掲げる。
栗林は16歳でプロ契約を結び、18歳での海外挑戦を託される。
花とのわだかまりを解消したアシトは新たな覚悟を胸に再出発し、エスペリオンは青森星蘭との頂上決戦に向けて歩み出すのだった。
21巻のあらすじを振り返ってみましょう。
阿久津の新体制と揺れる心
新主将となった阿久津のもと、チームとして勢いに乗るエスペリオン。
相変わらず阿久津自身は後輩に優しく接することは無く、できない者たちへの配慮やアシトへの指導という役目に苛立ちを抱えているが、それでも自分なりに考えて行動している。
後輩のケアは副主将の高杉たち上級生らが率先して務めて阿久津を支える体制ができ、上級生が積極的にアドバイスするというこれまでには無かった光景が見られるようになった。
一方、ベンチ外が続くアシトも船橋学院戦のショックを引きずった今のままではまだ試合には出られないことを理解し、守備を徹底的に鍛え直す覚悟。
そんななか、練習帰りに花と出会うと、普通に会話しているだけでふと花の女子としての魅力に揺らぎそうになり、慌ててサッカーに集中するように自分に言い聞かせる。
他方、富樫は杏里とサッカー談義する仲となり、監督になるという夢を持つ杏里にサッカーを教えることを通じて富樫も学びを得ていく。
アシトへの好意を引きずる杏里に対し、「アシトを好きになる女は大変だ。夢の邪魔をしてはならない」と告げる富樫。
その言葉どおり、アシトはサッカーに集中するために花に対して「親友だ」と宣言する。
その場では花も「マブダチだ」と返したものの、帰り道で花はアシトへの好意とアシトの夢を邪魔したくない想いの間で葛藤するのであった。
大阪ガノン戦の大敗と迷走するチーム
強豪のユースクラブである大阪ガノンとの試合が近づく中、阿久津のもとに母親からある手紙が届いた。
そんななか、阿久津はアシトへの指導としてCBが務まるレベルにまでなるべきであること、そして俯瞰の目は相手のボールホルダーの動きを予測するところから予測することで守備に活きることをアドバイスする。
アシトの頭のなかが晴れていき、迎えた大阪ガノンとの試合。
阿久津が攻守にわたって走り回り、遊馬のゴールでエスペリオンが先制する。
しかし、ここからエスペリオンは大崩れし、試合は終わってみれば1-5で大敗を喫してしまった。
何が悪かったのか原因もわからないまま、重い空気に包まれるチーム。
そこから次の船橋学院戦でもトリポネを欠く相手を前に0-1で敗れ、リーグ戦の順位も青森星蘭がすぐそこにまで迫っている。
負けた理由を言語化できず、立ち直るきっかけがないままの状況だが、山田と志村、そしてアシトはその原因をつきとめ、阿久津に話をしに行くのであった。
阿久津への疑念とアシトの復帰決定
3人が指摘したのは、阿久津が急に守備の統率をしなくなり、阿久津が動き回ることで少しずつ生まれた守備の穴を突かれて失点したというもの。
阿久津は認めようとせず、急にプレーが変わった原因についても明かさずに立ち去ってしまう。
一連の様子に気づいていた福田監督は、最終戦となる青森星蘭との激突に向けたスタメンを決める。
トップチーム昇格が内定している志村はフル出場させる許可が下りておらず、阿久津の代わりに起用はできない。
考えた結果、阿久津は外さず、異変に気付いていたアシトを左SBとして復帰させることを決めた。
久々に試合に出られる喜びを噛みしめ、朝早くに起きたアシトは、同じくスタメン起用が通達された大友と遭遇し、2人でランニングへ。
チームの建て直し策について考えるアシトに対し、大友は「1年生と上級生が思いっきり意見をぶつけ合う今のチーム状況は悪くない。ここを乗り越えたらチャンスだ」と前を向く。
チームの状況を見渡し、冷静かつポジティブに構える大友に、アシトは天性のキャプテンシーを感じた。
そしてアシトは大友に誘われ、青森星蘭と船橋学院の試合を偵察に行くことに。
アシトは特に、自分と同じように俯瞰の目でフィールドを見渡せる北野に一目置き、戦う前から高揚するのであった。
阿久津の過去と母からの手紙
その頃、エスペリオンの上層部では福田監督が伊達ヘッドコーチと強化本部長を集め、阿久津に起きていることを話し合っていた。
阿久津がおかしくなったのは、母親から届いた手紙がきっかけ。
内容は「地元の病院に入院する」という端的なものであったが、阿久津の育った家庭環境が問題を複雑にしていた。
もともと母親から育児放棄され、劣悪な環境の中で育った阿久津は、サッカーの類まれな才能を福田監督に見出されてエスペリオンに入団したのが人生の転機。
母親からの愛を知らず、セレクションを合格しエスペリオンの寮に入ることが決まったときも母は息子が手を離れることをむしろ喜んでさえいるようだった。
阿久津は「自分に親はいない」と受け止め、自分の人生を自分の実力で切り開くためにサッカーに全てを懸けてプロを目指す身。
そんなかで突然届いた手紙に対し、面会に行く意志はないようであるものの、胸中は複雑で動揺するのも仕方のないことだった。
それでも、阿久津がこの逆境をはねのけてサッカーでも勝つことができれば凄まじい成長になると信じ、阿久津をスタメンから外さない決断を下した福田監督。
見事にチームを立て直せるのか、それともこのまま瓦解するのか、そのカギは復帰したアシトが阿久津とホットラインを形成できるかにかかっているのだった。
【21巻のまとめ】
阿久津が新主将となりチームは勢いに乗るが、指導への苛立ちや母からの手紙に心を乱され迷走。
大阪ガノン戦で大敗し、続く船橋学院戦でも敗北を喫し、守備の統率を欠いた阿久津に疑念が生じる。
福田監督は最終戦の青森星蘭戦で阿久津を残しつつ、アシトを左SBで復帰させる決断を下す。
過酷な過去を抱える阿久津と、俯瞰の目を持つ北野との対決に高揚するアシト。
チーム再生の行方は二人の連携に託されるのだった。
【21巻の見どころ】
この巻の見どころは、チームの崩壊と明かされた阿久津の家庭環境です。
阿久津が攻守に走り回り先制点を演出しながらも、急に守備の統率を放棄したことで失点を重ね、チームは崩壊していきます。
阿久津の変化に気づいたアシトや仲間たちの指摘、そして福田監督が阿久津を外さずアシトを復帰させる決断は、物語の大きな転機となります。

次巻へ続きます。
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