全巻まとめ

武家社会に翻弄された男女4人の悲痛で残酷な運命を描く時代絵巻『シグルイ』全15巻【ネタバレ注意】

秋田書店/ 山口貴由・南條範夫

寛永6年9月24日、駿府城内で御前試合が行われることとなった。

御前試合は、慣例として木剣を使用することになっているが、周囲が諌めたにもかかわらず、駿河大納言・徳川忠長の命により、今回は真剣を用いることが決定され、剣士達による凄惨な殺し合いが幕を開ける。

その第一試合、隻腕の剣士・藤木源之助の前に現れた相手は、盲目・跛足の剣士、伊良子清玄だった。

まともな試合ができるかどうか危ぶむ周囲の心配をよそに、伊良子は奇妙な構えを取る。刀を杖のように地面に突き刺して足の指で挟み、体を横に大きくのけ反らせるように捻るという構えに群衆が唖然とする中、対する藤木はまったく動じることなく刀を抜き放ち大きく構える。

両剣士には浅からぬ因縁があった。

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合わせてチェック
原作となった小説。アレンジが加わっているものの、このうち第1編である無明逆流れ編が本作に相当する。
アニメ版のDVD。全12話。

登場人物紹介

<虎眼流関係者>

藤木源之助(ふじき げんのすけ)
主人公。道場では牛股師範に次ぐ腕前を誇る、虎眼流の師範代。才を持つ伊良子を討つため凄まじいまでの努力を重ね、遂には自らも怪物と化す執念の剣鬼。幼少時から非常に寡黙であり、両親からは障害があるものと軽んじられていたが、強い意志と矜持、そして並外れた膂力を持ち、年相応の情熱も秘めた若者である。

伊良子清玄(いらこ せいげん)
源之助の対となるもう1人の主人公。周囲の人間を利用し、高い身分に昇り詰めようとする野心家。天賦の才で虎眼流の秘技を軽々と身につけ、藤木と並び跡目候補の1人と目されていたが、虎眼の愛妾いくとの密通が露見し、仕置きを受けて盲目となり、追放された。その後は検校のもとに身を寄せ、虎眼流への復讐を行う。「伊良子清玄」は元々の名前ではなく、かつて江戸で弟子入りしていた医師の名前を盗んだものである。

岩本虎眼(いわもと こがん)
岩本家当主であり虎眼流の開祖。右手の指が1本多いという多指症を駆使した精妙な剣さばきを得意とする剣の達人。晩年には精神に失調を来し、一日の大半を「曖昧」な状態で過ごし、わずかな時間のみ正気に返る、という精神状態となっていた。

牛股権左衛門(うしまた ごんざえもん)
道場では虎眼に次ぐ事実上のナンバー2である、虎眼流の師範。巨大な木剣「かじき」を通常の太刀の様に軽々と振い、青竹を素手で握り潰すほどの怪力を持つ巨漢。
故郷の村に許婚の少女ふくを残しており、3年後に桜の木の下で立派な武士になって再会するという約束を交わしていた。しかし、ふくとの秘めた絆を虎眼に看破され、稽古の上で冷遇されるなどしたため、虎眼流に身をささげるため、素手での去勢を決行した。

岩本三重(いわもと みえ)
虎眼の一人娘。虎眼からは道場の跡取りを産むための存在としかみなされていない。男を目上の者の命令に逆らえない「傀儡」であると考えており侮蔑の目で見ているが、美男子である伊良子に懸想している。

いく
虎眼の囲われ者。彼女に関わった者は皆、不幸な目に遭うため、それを童歌として囃し立てられた。伊良子と密通したため、共に追放される。

近藤涼之介(こんどう すずのすけ)
虎眼流の高弟。まだ前髪の美少年剣士。目録伝授は祖父が虎眼と懇意の間柄だったことによる「義理許し」であるが、侍としての心構えは備わっており、虎眼流を嘲弄した浪人を切り捨てたこともある。藤木を慕っており、剣士としていつかその域に達したいと思っていた矢先、伊良子の復讐劇最初の犠牲者となる。

宗像進八郎(むなかた しんぱちろう)
元は掛川宿の侠客という経歴をもつ高弟。純粋な技量を元に中目録を授けられた「術許し」の実力者である。戦国時代の武者の様に体中に無数の疵跡がある歴戦の剣士。涼之助死亡後、一応の下手人として仕立てられた一刀流の檜垣陣五郎を討ち取った帰り道、霧の中で出会った伊良子によって殺された。

山崎九郎右衛門(やまざき くろうえもん)
虎眼流の高弟。足軽出身。猫科動物の様なぎょろ眼をしている。涼之介にひそかに思いを寄せる。夜中に時折、涼之助のことを妄想しつつ、己の陰茎を口で慰めるという奇癖を持つ(この行動は他の高弟も知っているが、黙認されている)。ほか、町の食事処で虎眼流の悪口(正確には噂話)を漏らした浪人2名を素手で撲殺し、眼球を取り出して食べるなど、奇行にこと欠かない。
夜間外出した折に伊良子と遭遇、涼之助を殺された恨みを込めて「流れ」で応戦するが敗死。

丸子彦兵衛(まりこ ひこべえ)
虎眼流の高弟。足軽出身。牛股に次ぐ怪力を誇る巨漢で、その力は素手で畳を突き破るほど。伊良子と湯屋で対決した際には、正中線を両断されながらも絶命間際に貫手を放ち、壁板を叩き割る執念を見せた。

興津三十郎(おきつ さんじゅうろう)
虎眼流の高弟。身分は郷士。剣術だけでなく学問にも秀でており、藤木に読み書きを教えた。細身ながら指2本で天井にぶら下がるなど、凄まじい力を持つ。虎眼流には数少ない現実主義者でもあり、三重の心の崩壊などの出来事から虎眼流の行く末に絶望し、検校側に高弟の情報を売って伊良子の復讐劇に手を貸していた。裏切りに気付いた藤木を斬ろうとするが返り討ちに遭い、藤木と己の才の違いを改めてかみ締めながらとどめを刺される。

<舟木道場関係者>

舟木一伝斎(ふなき いちでんさい)
慶長以来名人と謳われた剣客。元は雑兵だったが、合戦の武勲で名を上げる。かつて虎眼と掛川城主の前で上覧試合をした際、木剣で下あごを削ぎ飛ばされた上、虎眼からは「殿の御前にて恥をかかされた。[注 4]」として逆恨みされている。
「がま剣法」編では、孤児となった屈木頑之助を憐れんで引き取った過去が描かれる。自身の経歴から「どのような境遇のものであろうと、一生に一度だけは自己の運命を覆し得る場に立つことが出来る」という持論があり、頑之助にも「兜投げ」への参加を許可するなど、人格者としての一面も見せている。しかし本番では、予想外に成長していた頑之助に危機感を覚え、顔面に兜をぶつけるように投げ、昏倒させている。
藤木と伊良子の仇討試合では仇討場に姿を見せているが、息子2人を失った衝撃のためか老境著しく、箱車に乗せられている。しかし剣士としての本能は失われていないのか、藤木の「流れ」、伊良子の「流れ星」の構えに反応している。

舟木数馬(ふなき かずま)、舟木兵馬(ふなき ひょうま)
一伝斎の双子の息子。並外れた巨体と剛力の持ち主。「兜投げ」を得意とする達人であるが、藤木と伊良子の闇討ちによって討ち取られる。
「流れ」などの繊細な技術を用いる虎眼流剣士とは対照的に、怪力を生かした「勢い良く刀を振り下ろすだけ」のシンプルな戦法を使う。しかしその威力は凄まじく、これを知る牛股は藤木が防御した刀ごと頭を両断されることを危惧していた。
性欲が旺盛で、男娼を相手に、幾度かの交わりで相手が男娼としての価値を失うほどの暴力的な性欲処理を行う。また、兄弟揃って全く同じ表情で同時に絶頂に達するという奇妙なコンビネーションを見せる。性欲処理をした後は神社に参拝をして禊ぎを行い、藤木達の闇討ちの際も侍としての非礼を咎めるなど律儀な面もあるが、男娼狂いのほかにも、兄弟両方の相手をする嫁を娶りたいと吹聴し、兄弟でありながら千加に房中の手順を実践して説明するなど(その後千加は当時では異例の女性による夜這いを仕掛けている)兄妹揃って非常に性的に奔放。

屈木頑之助(くつき がんのすけ)
通称:蝦蟇(がま)。『駿河城御前試合』の一遍「がま剣法」の主人公で、がま剣法の使い手。巨大でイボだらけの醜い頭部、つぶれた鼻に離れた両眼、短い手足とまさに「蝦蟇」そのものの容貌。元舟木道場の剣士で、仇討場に現れる。藤木の「簾牙」と伊良子の「逆流れ」が交錯した瞬間にも両者の剣の軌道を見極めていたことから、この時点で剣の実力は相当なものだったと思われる(伊良子を除けば、屈木以外で藤木の左腕切断を見極めることができたのは牛股だけ)。
幼少のころに一伝斎に拾われ、育てられた。それまで体験したことの無いような優しい対応をとられて以来、千加に思いを寄せており、偶然にも千加の秘密を知ったことで執着するようになる。しかし、千加が頑之助に対して優しいのは、恋愛対象どころか人としてさえ彼を見ておらず、いわば家畜に対するそれと同様の心構えで接していたためであった。
意欲を見込まれて「兜割りの儀」に参加するが(これに成功したものが千加と結ばれることになっていた)、一伝斎に理不尽な手段で妨害され失敗。さらには、千加から本気の嫌悪感を向けられたことで、脱走する。その後、醜いはずの自分の顔が美青年に見えてくるなど、精神に異常をきたし、「兜割り」を成功させ千加からも好意を向けられる他の剣士を、ことごとく闇討ちにする。

舟木千加(ふなき ちか)
舟木一伝斎の娘で、兵馬・数馬の妹。「兜割りの儀」に成功した男子と結ばれる定めにある。女性でありながら試し斬りで兜と台の巻藁を両断するほどの剣術を修めており、類稀な怪力と豪放な気質の持ち主。美貌も類稀であったが、描写を見る限りその身体には半陰陽(あるいは仮性半陰陽)という性質がある。
嫉妬と逆恨みの末に狂を発した頑之助によって、斎田宗之助(さいだ そうのすけ)、倉川喜左衛門(くらかわ きざえもん)、笹原権八郎(後述)ら結婚するはずの剣士をことごとく闇討ちにされ(これは原作:がま剣法の通り)、最終的には忠長の妾となる。

<検校屋敷関係者>

賎機検校(しずはたけんぎょう)
盲人の自治組織当道座の最高位として大名並みの権力を持つ実力者。鍼師としては忠長の侍医でもある。自身は幼いころに鴉によって目を突かれたため失明したという。自身が唯一叶わなかった武で「目明き」を超えることを期待して虎眼によって追放された伊良子といくを抱え、虎眼流の殲滅に手を貸している。伊良子と後述の他、行き場を失った馬廻組など、多数の手練れを私兵として抱えている。

夕雲(せきうん)
賎機検校お付の剣士。体毛が一切ない。高級藩士の子であったが、忠義を理解出来ないという武士として致命的な欠点を持っていたが故、親に捨てられた過去を持つ。その後、将軍家剣術指南役の小野忠明の弟子となり、忠明から対西洋剣術の練習台として犠牲になるべくレイピアを渡され、以西把爾亜(イスパニア)剣術と呼ばれる刺突剣を用いた剣法の習得を命ぜられる。そして、小野派の高弟らを血祭りにあげるまでにその技を磨き上げた。
検校の命により虎眼と立ち会うが、虎拳の当て身により敗北。直後、検校に剣を向けたが、蝉丸によって阻まれ、手甲鉤で胸を貫かれ死亡。

蝉丸(せみまる)
賎機検校の家に仕える中間。全身に無数の痣がある巨漢で、全ての手指の先端が欠損している。含み針を得意とし、水中にいる鯉の目を正確に射抜くほどの技量を誇る。
伊良子清玄の命により他の中間3人と共に道中の牛股を襲撃するが返り討ちに遭い、秘剣「星流れ」により首を斬られる。倒れた後、装着していた手甲鉤が牛股の足を傷つけ、塗られた毒により牛股を昏倒させた。これにより牛股は岩本邸への帰還が遅れ、伊良子による虎眼殺害を阻止することが出来なかった。

友六(ともろく)
賎機検校に仕える中間。鼻の横に葡萄ほどの大きさの黒子がある。鉄砲術を得意とし、興津三十郎の「流れ」を見極めるなど、視力に長ける。
伊良子の手紙に誘い出された藤木源之助を討ち取ろうとするが、銃弾を刀のはばきで防がれ、逃げようとした所を斬り捨てられた。

蔦の市(つたのいち)
賎機検校の当道座に所属し、按摩と灸を生業としている座頭。増長しやすい性格で、伊良子の手がかりを求めて訪れた丸子と興津に対し挑発的な態度を取ったため、2人に音による恐怖を味わわされて失禁してしまう。後日にも、藤木源之助に対する軽率な発言により蛇平四郎に首を絞められている。伊良子に対しては心の底から当道者の希望として誇りに思っている。

<その他の人物>

三枝高昌(さえぐさ たかまさ)
伊豆守。忠長の家老。忠長の癇癖に振り回され苦労が絶えないが、側近としては有能で、主君の意を汲むことに長ける。駿河城御前試合の実行役。

お蓉(およう)
伊良子清玄の母親。夜鷹(下級の売春婦)をして生計を立てているが、脳が梅毒に犯されており、息子の清玄と客の区別も付かなくなっている。好物はぎんつば(焼き餅)。清玄には慕われている反面、最下層の出自の証人として危険視されてもおり、虎眼流の跡目に指定されたと早合点した清玄に、過去との決別のため殺害された。

丹波蝙也斎(たんば へんやさい)
無頼の浪人者8名の頭目。神夢想林崎流免許皆伝の剣豪だが、人目無くば斬り剥ぎも日常茶飯事という悪漢に堕している。虎眼流を嘲笑した仲間が涼之介に斬られたため、陣馬峠にて藤木と対戦。仲間共々素手の藤木に重傷を負わされ、昏倒中に宗像たちに石で撲殺された。なおこの際、生き証人として右近なる浪人1名のみが見逃されている。

檜垣陣五郎(ひがき じんごろう)
一刀流の使い手。かつて牛股に敗北して頬を削がれており、顔の半面を伸ばした髪で隠している。復讐のために山に籠って剣技を磨いていたところ、涼之介殺害の罪を着せられて宗像と対戦し、やっと復讐の時が来たと歓喜したが、一切の技術が通用せず斬殺される。

蛇平四郎(くちなわ へいしろう)
九鬼一家という博徒集団の用心棒で、一羽流の使い手。かつて藤木源之助と戦ったが、二度の敗北を経て藤木こそ虎眼流最強の剣士であると確信するようになり、敬意を持っている。虎眼流瓦解後、藤木に激励の言葉を贈っている。

孕石備前守(はらみいしびぜんのかみ)
掛川藩家老。右目に大きな傷のある老人。藤木源之助を見せるため、三男である雪千代を尾張から呼び戻したほど、藤木を侍として、また剣士として高く評価している。藤木と伊良子の仇討ち試合を了解したが、試合は藤木と伊良子の対決にとどまらず、牛股による無差別な大量殺戮の場と化したため、責任を負って、家中の者の責任を不問とする嘆願書をしたためた上、自裁した。

孕石雪千代(はらみいし ゆきちよ)
孕石備前守の三男。長身で美形の偉丈夫で、13歳の時に下女3名を妊娠させたという逸話があるほどの色好み。「本気(まじ)かよ」「つーかあり得ぬだろ」など、現代の若者言葉を意識したような台詞を喋る。
かつて江戸で「次郎右衛門忠常」の道場に入門しており、わずか3年という異例の速さで免許を皆伝されている。このことからも剣の実力はかなりのものと思われ、父の介錯においても並外れた手腕を発揮した。
父の死の原因を作ったまま生き延びている藤木を許せず(雪千代は、藤木が上意によって自殺できないでいた事情を知らなかった)、廃堂にて藤木の制止を振り切って襲い掛かるが、返り討ちとなり、藤木の実力を認める言葉を残して死亡した。対外的には病死として処理される。

伊良子清玄(いらこ せいげん)
虎眼流に入門した剣士の伊良子清玄とは別人。町医者ながら大名から侍医に請われるほどの名医で、類稀な骨子術を操り人の活殺を自在とする。剣士清玄に魅入られ骨子術の全てを伝えるが、その殺法で自身が殺害され、名を奪われる。

峻安(しゅんあん)
医師清玄の弟子。剣士清玄の兄弟子に当たり、師同様に骨子術の達人。その巨躯から繰り出される骨子術を絡めた体術は恐るべき威力を誇り、素手で並の剣客を圧倒する。藤木の腕試を三枝に命じられるが、その神技と心の闇(無明)に圧倒され死亡。

馬渕刑部介(まぶち ぎょうぶのすけ)
駿河藩密用方。伊良子に負け自決せんとする藤木の元に現れて上意を告げ、自決を阻む。しかし藤木が生き恥晒しと侮辱された際、知らぬ顔をして弁護せず、更なる屈辱を味わわせた。藤木と峻安の試合の結末に畏怖した後、落馬して謎の死を遂げる。

猪又晋吾(いのまた しんご)
まだ前髪の笹原門下生。笹原邸に預けられた藤木に木槍で手合わせを挑むが、不用意な発言が祟って左手四指を粉砕される。その後、一度断られたものの藤木に師事して先生と慕うようになり、御前試合の従者を務めた。なお第八十景では「真悟」と表記されている。

月岡雪之介(つきおか ゆきのすけ)
峰打ち不殺剣の使い手。2人の掛川藩士の報復に遭い、木の幹に縛り付けられ山中に放置されたいくと伊良子が野犬に襲われそうになったところを救出する。原作と同様の優男で、盲目になってから再び修業に励む伊良子と献身的にその世話をするいくを、時には刀を抜いて向かい合い共に鍛錬をし、見守っていた。
後に駿府の自宅で藤木と三重の身柄を預かることになったが、同時にいくの身柄も預かっていたため3人を出会わせてしまい、邸内で殺し合い寸前の一触即発の事態を招いてしまう。そのため、自分の力量では2人は預かれないと諦め、わずか1日で笹原に2人を預けた。

笹原修三郎(ささはら しゅうざぶろう)
宝蔵院流槍術徳川家槍術指南役。『駿河城御前試合』の一遍「がま剣法」の重要人物。徳川忠長の馬廻役であった若年時に蛇の舌を槍で貫く神技を見せ「笹原の舌切り槍」の異名を持つ。
邸宅に多数の浪人者を住まわせており、浪人の腕前、人品骨柄を見極めて仕官を推挙している。月岡に代わって、御前試合前の藤木と三重を預かる。
その肩書に違わぬ技量を誇り、隻腕となった藤木と手合わせした際は、駿府城で見た伊良子の逆流れを槍で再現し、藤木を一撃で昏倒させた。
立身出世さえ望まずただ伊良子を討つことのみを目的として生きる藤木の身を心底案じており、藤木が死の淵から生還した際には落涙して喜ぶなど作中でもかなりの良識人として描かれているが、一方で罪無き浪人者を主君と上役の命じるままに処罰する「傀儡」としての面も垣間見せている。

笹原権八郎(ささはら ごんぱちろう)
修三郎の従兄弟にあたる槍の名手で、兵馬・数馬の親友。屈木の手口を見破り、千加と婚約を結ぶ。
以降は若党の左助に槍を常備させ襲撃に備えたが、屈木の奇襲で槍を封じられて敗れる。

徳川忠長(とくがわ ただなが)
駿河大納言。将軍徳川家光の実弟でもある。残虐非道の暗君で、将軍継承争いに敗れたことを恨み、徳川幕府の転覆を目論む。暴君として描かれる。また実際の忠長に噂される妊婦解剖や静岡浅間神社での猿狩りの逸話(詳細は当該項目参照)は、モノローグでは否定されつつも全く釣り合わない危険な描写がされている。
寛永6年9月24日、駿河城で真剣を用いた御前試合を開催するという暴挙を犯した。開催の真意は前述の通り挙兵による家光への反逆であり、参加20余名という大規模にも全く満足していない。本件が原因となり斬首されることが、第一話冒頭にてあらかじめ語られている。

鳥居成次(とりい なおつぐ)
土佐守。忠長の家老。史実では寛永8年(御前試合の2年後)まで存命だが、作中では御前試合前に陰腹を斬って忠長に自らの内臓を見せつけ、真剣試合の愚かさを説いた。しかし逆効果に終わり、「暗君…」の一言を残し死亡。

伊達政宗(だて まさむね)
仙台中納言。徳川秀忠と家光に親父殿と慕われた史実を翻案し、忠長にも同様の信頼を置かれている。京都に向かう途中駿府で忠長と面会し、秀忠が薨去した際の、家光に対する謀反計画への連判を求められたが、もはや自身には軍権も武力も無いことを木剣で示し、これを拒否した(これも家光の前で帯刀を遠慮して木剣を挿していた逸話を翻案したものである)。

土井利勝(どい としかつ)
大炊頭。老中を務める幕府の最高権威で、その出自と風貌から家康の落胤とも噂される。忠長と密書をやり取りし(この行為自体も幕府に禁じられている)、家光への謀反を唆した張本人だが、その真意は反家光派を焙り出して一網打尽にすることにあった。このエピソードは南條範夫の小説『武魂絵巻』から採られたものである。

各巻のあらすじ

濃尾無双と呼ばれた虎眼流に道場破りを仕掛けた1人の天才剣士が悲劇の始まりだった
道場の跡継ぎは清玄に決定?落胆する源之助と野心成就に浮かれる清玄に転機が訪れる
清玄への制裁と失明、3人の怪物が生まれた日
全盛期を迎えた虎眼流に清玄が復讐の鬼と化す
清玄を召し抱えた黒幕が明らかとなり、虎眼流の落日が近づく
魔神と化した虎眼を清玄が討ち、虎眼流が終わりを迎える
取り残された源之助たちが清玄への復讐を決意、仇討ちの決闘へ
源之助vs清玄、仇討試合は両者一歩も譲らぬ緊迫した激闘に
片腕を斬り落とされた源之助に権左衛門が助太刀、仇討試合は収拾不能の大惨事に
仇討試合に決着、執念を見せた権左衛門が清玄を追い詰める
2人きりで極貧生活を送る源之助と三重、舟木流では跡継ぎ争いで事件が発生
運命に導かれるように、源之助と清玄の再戦へと向かっていく
全国から腕自慢が集結、真剣での御前試合開催が決定
再戦が近づき、それぞれ覚悟を固める源之助と清玄
駿府御前試合にて源之助と清玄の決闘に決着、待っていたのは救いのない幕切れ

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