その姿は栗林とデミアンにも大きな影響を与え、デミアンは急成長し栗林との因縁が芽生える。
しかし福田は左膝の大怪我により夢を絶たれ、リハビリを経て涙の現役引退を迎える。
花は福田を支えながら無力さを痛感し、スポーツドクターを目指す決意を固めた。
現代に戻り、花はアシトに想いを告げつつ留学の道を選び、物語はアルカスカップへと続く。
34巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
バルセロナユースの環境とデミアンの背景
街中でばったりとデミアンと遭遇したアシトだが、デミアンはアシトがエスペリオンの選手と知ってもなおあまり眼中には無い様子。
そしてデミアンを含め、バルセロナユースの選手らはメディアの取材で幼少期から身の回りの世話はクラブがしてくれること、そしてクラブの中で熾烈な生存競争を勝ち残ってきたことを答える。
アシトらとほぼ変わらない年齢にも関わらず、マネジャーや代理人がつき、サッカーのビジネスの中で生きてきた彼ら。
育成年代において代理人はお金による争奪戦から選手たちを守ることが役目だが、移籍や引き抜きなどの選択は自分の人生における選択として選手自身が行う。
デミアンもアルゼンチンでの貧しい暮らしから姉のクレアによって救い出され、今はクレアがマネジャーと共同代理人を務めている。
日本サッカー界が手本にしてきた欧州サッカー界には、お金の絡む争奪戦という真似してはいけない闇の部分もある。
だがいずれにせよ、バルセロナユースの選手たちはその中で生き抜いてきた凄まじい精神力の持ち主であるのは明らかなのだった。
福田と冴島の再会、S級ライセンス制度を巡る論争
一方、福田監督も今はバルセロナユースのコーチとして帯同する冴島と再会を果たした。
冴島はあれから25歳で現役を引退し、そのままスペインの地で指導者として学びながらここまで来たのだという。
相変わらず欧州サッカーへの崇拝と行き遅れた日本サッカー界への蔑みを露にし、日本では「S級ライセンス制度」のせいで若い指導者が台頭できないと主張。
だが福田監督もその問題意識には理解を示しつつも、地理的にも言語的にも欧州から隔絶した日本でサッカーを押し上げることには間違いなくその制度の貢献があったこと、そして不要論は既にS級ライセンスを持っているものが掲げるべきだと反論。
自分が日本サッカー界を変える影響力を持ち、S級ライセンス不要を主張する先鋒を担うのだと宣言する福田監督。
冴島は福田監督がS級ライセンスを取得したのも現役時代の実績で優遇されたからではと邪推していたが、「もしそれで指導者として失敗したら一生笑いものになる」という茨の道を歩んでいることを明かすのだった。
アルカスカップ開幕
いよいよアルカスカップが開幕し、初戦のレアルマドリードユースと開催国の地元クラブの開幕戦を観戦する栗林や阿久津たち。
栗林もまた、翌日に控えるバルセロナユースとの試合に向けてはやる気持ちが抑えきれず、エスペリオンで育ってきた自分の人生をかけて戦うべく気合が入る。
そしてついに、バルセロナユースとの試合の日を迎えた。
エスペリオンユースはベストメンバーを揃えるなか、大友はベンチからのスタート、また3トップのFWの一角にはGK秋山の弟でありJrユース生の秋山凛胆(りんどう)が入る。
一方のバルセロナユースは年代別のスペイン代表メンバーがズラリと揃う。
日本からも中継を通じて関係者が見守るなか、いよいよ運命の一戦が始まるのだった。
エスペリオンの挑戦、バルセロナとの真っ向勝負
バルセロナはいつも通り華麗なパス回しでのポゼッションサッカー。
ほとんどの相手チームはロングボールなどで対抗することが多いが、エスペリオンはパスを中で繋、ポゼッションサッカーで真っ向勝負を挑む。
カタールへ出立する前には、対バルセロナを見据えた特訓として、プレシーズンマッチで特別にエスペリオンのトップチームと練習試合で鍛えていた選手たち。
エスペリオンのトップメンバーとの真剣勝負で全ての基準を引き上げた今なら、バルセロナユースも恐れることは無い。
気後れすることなく挑み、まずは左サイドを駆け上がったアシトがゴール前へと迫るのだった。
【34巻のまとめ】
デミアンらバルセロナユースの選手たちは幼少期から熾烈な競争を生き抜き、代理人に守られつつも自らの選択で道を決めてきた存在。
アシトは彼らの背景に触れ、日本サッカーとの環境の差を痛感する。
一方、福田監督は冴島と再会し、S級ライセンス制度を巡る論争を交わしつつ、日本サッカーを変革する覚悟を示す。
そしてアルカスカップが開幕し、エスペリオンはバルセロナユースとの運命の初戦を迎える。
特訓を重ねた選手たちは恐れを捨て、ポゼッションサッカーで真っ向勝負を挑むのだった。
【34巻の見どころ】
この巻の見どころは、世界最高峰の育成環境で育ったバルセロナユースの姿と、日本サッカーとの圧倒的な違いが描かれる点です。
幼少期から代理人やクラブに囲まれ、熾烈な競争を生き抜いてきた彼らの精神力は、アシトに大きな衝撃を与えます。
さらに、福田監督と冴島の再会も注目すべき場面です。
S級ライセンス制度を巡る議論は、日本サッカーが直面する課題を鋭く突き、福田の覚悟を際立たせています。

次巻へ続きます。
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