杏里はアシトへの思いを隠しつつ助言を与え、富樫も決意を新たにする。
アルカスカップの組み合わせが発表され、エスペリオンはバルセロナと同組に。栗林は因縁のデミアンとの再会を予感する。
物語は10年前に遡り、福田のスペイン挑戦と差別、そしてガルージャとの出会いが描かれる。
現代に戻り、愛媛で花とアシトは偶然再会し、揺れる想いを抱える。
32巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
福田とガルージャの連携、サバデル躍進の始まり
バッタリ遭遇したアシトと花は、互いに気まずさを抱えたままとりあえず一緒に食事へ。
オフのシーズンでゆっくり頭を冷やすことに専念するアシトに覇気がないことを花が心配する一方、アシトは留学の話題ではなく、スペインにいた頃の話について尋ねた。
当時、サバデルに入団後もなかなか試合に出られず白い目で見られる日が続いていた福田だが、急激に基本的なスペイン語を使って味方に指示できるまでに成長していく。
福田は子供たちにサッカーを教えることを通じて、座学で覚えるスペイン語ではなく、子供にも伝わるわかりやすい生きたスペイン語を身に付けていたのである。
サバデルは監督が解任となり、代理監督はそんな福田を公式戦でも試してみることを決意。
そして結果を出さなければまた干されるかもしれない状況のなか、福田は限られたチャンスをモノにしてみせた。
はじめこそいつものようにパスは回ってこなかったが、こぼれ球を拾うとスペイン語で味方に的確に指示し、得点を演出。
それからも福田は圧倒的な個人技と味方への指示で、味方からの信頼を勝ち取る。
前半を終えて1-1の同点のなか、後半に入るとサバデルは明確に福田にボールを集める作戦に出た。
だがわずかに福田の意図がスムーズに伝わり切らず、ゴールまであと一歩届かないもどかしい状況となる。
ボールだけで会話できれば言語の壁は関係ないはず―。
そう信じる福田の救世主となったのが、後半からピッチに入ったガルージャ。
バルセロナユースで育ち、数々のクラブを渡り歩いてきたガルージャもまた、パスだけで美しい意思疎通ができる相手をずっと求めており、福田と完璧にハマったのである。
福田はガルージャとの完璧な連携で2ゴールを挙げ、クラブの連敗を止める立役者に。
観客の心も見事に掴み、観戦していた花も「このままスペインに移住して福田を支えたい」と強く思うのだった。
花の単身留学と福田を支える決意
クラブの全面サポートもあり、仕事で日本を離れられない福田の母を残して花は幼いながらも単身でスペインに留学ビザを取得し、福田と2人でスペインで暮らすことに。
福田にとっても、家族として周囲や関係者とすぐに打ち解ける花の存在は大きかった。
花の応援を受けて福田はチームの快進撃を牽引し、いつしかチームはリーグ9位にまで浮上。
花も、大好きな義兄がいつか世界の頂点に立ち自分と結婚することを夢見ながら、ずっと支えていきたいと本気で思っていたのだった。
日本人選手たちとの邂逅と冴島の葛藤
スペインの地では、福田の他にも2人、日本人選手がいた。
一人は日本代表CBでエスパニョールに所属する森野、もう一人は青森星蘭高校を中退してJリーグで1年だけプレーしてからすぐに渡欧するも、スペイン3部でくすぶる冴島である。
特に冴島は、若い選手の育成は投資と捉えて、クラブ同士でネットワークを構築しながら子供たちの才能を拾っていく海外のシステムを崇拝し、日本の遅れたサッカーに強烈なコンプレックスを抱いていた。
高校時代に傑出した才能を開花させた結果、海外志向の強い両親から「お前は特別な人間だ」と刷り込まれ、その言葉通りに最短で海外に挑戦してきた冴島は、どこか寂しそうな眼をしていた。
一方、サバデルの大躍進を牽引し絶好調の福田は、自分がどこまでも登っていけるような感覚と自信に包まれていた。
サバデルの次節の相手は、同じ街のメガクラブであるバルセロナ。
左足にわずかな違和感を抱えながらも、自分がバルセロナ相手にどこまで通用するのか、楽しみで仕方ないのであった。
栗林とデミアンの出会い、運命の試合への序章
そのサバデルとバルセロナの試合の少し前、当時10歳の栗林もバルセロナ主催のキャンプに練習参加しており、その類まれな才能を見せつけていた。
バルセロナのスカウトも栗林の父親の仕事次第ではスペインの永住権が与えられ、外国人では入れないアカデミーにも入れる可能性があることに賭けている様子。
だが、当の栗林本人はサッカーのプロとして生きることにそこまで興味はなく、スカウトは本物のサッカーとしてバルセロナの試合を栗林に見せることを決意する。
そんななか、同じキャンプにボロボロの格好をしたデミアン・カントという少年も参加することとなり、それが2人の因縁の始まりとなる。
こうしてそれぞれの運命を変えるサバデルとバルセロナの試合が近づくのであった。
【32巻のまとめ】
アシトと花の会話を通じて、福田のスペイン挑戦の過去が語られる。
試合に出られず苦しんだ福田は、生きたスペイン語を身につけ信頼を勝ち取り、ガルージャとの連携でクラブを躍進させる。
花は単身でスペイン留学し、福田を支え続ける決意を固める。
一方、森野や冴島といった日本人選手たちの姿も描かれ、日本サッカーとの対比が浮き彫りとなる。
そして栗林とデミアンの出会いを経て、サバデルとバルセロナの運命的な一戦が近づく。
【32巻の見どころ】
この巻の見どころは、試合に出られず苦しんでいた福田が、生きたスペイン語を身につけて味方からの信頼を勝ち取り、ガルージャとの完璧な連携でクラブを躍進させる姿です。
花が幼くして単身スペイン留学を決意し、福田を支える存在となる場面も心を打ちます。
さらに、冴島が日本サッカーへの強烈なコンプレックスを抱く姿や、森野ら他の日本人選手の存在も描かれ、日本と海外の差が鮮やかに浮かび上がります。

次巻へ続きます。
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