世界レベルの選手が集う練習場で圧倒的なスピードと質の違いに打ちのめされ、司馬のパスにも反応できず初日は失敗に終わる。
だが即座に司馬へ教えを求め、福田監督も交えた練習で真のプロの厳しさを痛感。
栗林の助言とスペイン移籍への決意を知り、単なるプロ入りではなく更なる高みを見据える必要を悟るのだった。
29巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
司馬の去就を巡る葛藤とクラブの慰留
アシトの練習参加2日目。
出口の海外移籍や司馬の引退にまつわる噂が報道されるなか、ガルージャ監督と福田監督が司馬の慰留をすることに。
クラブのために仲間にサッカーを教え続けて20年、司馬は楽しんでいながらも疲れを感じると心境を吐露。
唯一の心残りといえば、全盛期に海外でプレーしなかったこと。
かつて福田監督が海外へ羽ばたいていったときには、福田が海外で成功を収めて得たものをいつかエスペリオンに還元してくれると願っていたが、不慮の故障で福田は早々に引退を余儀なくされ、自分がクラブに残り続けるしかなかった。
ガルージャ監督は「来期も司馬の力が必要だ」と言葉を贈るが、司馬はまだ契約更改にサインするかどうか、決心は固まっていないのだった。
2日目のミニゲームで示した成長と司馬との対話
一方、アシトは朝からグラウンドで寝ている状態で発見され、物議をかもしていた。
いつからグラウンドで練習していたのかもわからないほど。
だが2日目の練習のミニゲームが始まりアシトの出番が来ると、アシトは初日とは明らかに違うプレーをしてみせる。
初日には全く反応できなかった司馬のキラーパスに見事に追いつき、チャンスに繋げ始めた。
さらに生意気にも、自分の考えを司馬にぶつけていったのである。
技術は拙く、司馬がノールックでキラーパスを出せる理屈もまるでわからないままだが、パスを信じてただ走り、そして自分の考えを味方にぶつけていくことにしたアシト。
そしてこの判断が功を奏することとなる。
プロの選手らはアシトの考えも理解して対応を変える技術を持ち合わせており、臆することなく意見を言ってくるアシトを認めたのである。
福田監督や出口、栗林たちと同じように、本気で上手くなりたいと願う者の目をするアシト。
それを受け、再び笑みを浮かべる司馬は、さらに次のステップに入る。
「お前の考えはわかった。でも、こっちの方がいいぞ」
パスに込めたメッセージで、アシトはどんどん新しい扉を開いていく。
ミニゲームで交代のタイミングが来ても、アシトは自ら最後まで出場することを志願し、ガルージャ監督から許可を得る。
アシトは司馬がキラーパスを出せる理屈がわからず、それがどうしても耐えられなかったのである。
結局、司馬の方が交代してしまい、またレギュラー組に入った栗林にコテンパンにされてあっけなく終わってしまったが、アシトにとっては実りの大きい2日目になるのだった。
花との再会と栗林のスペイン志向に触れるアシト
練習後、アシトは花からメッセージをもらい、練習場近くの河川敷で2人で会うことに。
通りがかったスペイン人にスペイン語で道案内をする花を見て驚くアシト。
他愛ない会話をして邪魔にならないように帰ろうとする花に対し、「全然邪魔じゃない。プロになるのに、お前がいてくれたほうがいい」と真っすぐに返すアシト。
良く考えればここはかつて花が額にキスしてくれた練習場の近くであり、アシトは自然と出た自分の言葉に照れと恥ずかしさが込み上げてくる。
するとちょうどそこに、ユースのAチームに発破をかけに行こうとする栗林が通りがかった。
ユースのAチームが出場するチャンピオンシップでは、今年は特別に優勝チームが国際大会に招待されることが決まったらしい。
そして栗林も同じようにスペイン人に流ちょうなスペイン語で道案内をしてみせると、花は栗林がどこでスペイン語を身に付けたのか問う。
どうやら栗林はかつて1年間スペインにいたことがあり、いつか必ずスペインに戻ることを決心してスペイン語の練習を続けていたようだ。
自分の人生における夢を明確に持ち、その夢から逆算してしっかりと準備を重ねている2人を見て、自分の視野の狭さを恥じるアシト。
すると、ふとアシトの頭には司馬がなぜノールックでキラーパスを出せるのか、そのヒントを閃くのであった。
遊馬の迷いと出口の助言による自信回復
一方、トップチームの練習に食らいつきながらもこのままでは通用しないと思い悩む遊馬は、一人でグラウンドで居残り練習をしていたところを出口に見つかる。
同じFWとして声をかけてきた出口に、「感覚でやってきた自分は他のみんなのように問題を言語化できない」という悩みを打ち明ける。
すると出口は「福田監督が何も言ってこないなら、言語化なんかしなくていい」とアドバイス。
FWはゴールへの嗅覚が必要であり、遊馬は野生の感覚から素晴らしい抜け出しをしてみせるのが武器だと。
昔からの付き合いである杏里からも「動物で例えたら野犬」と評価され、出口のアドバイスを背に遊馬は自信を持つのであった。
紅白戦で掴んだ司馬の視野とキラーパスの真髄
他方、西の王者であるガノン大阪ユースとのチャンピオンシップに臨むエスペリオンユースのAチーム。
優勝特典で出場権を得る国際大会には、あのバルセロナユースも出場するとあり、気合が入る。
同日が練習参加の最終日となるアシトは、試合は皆に託し、自分は自分の目の前のことに集中。
最終日は紅白戦であり、栗林を含むレギュラー組とガチンコの対決に。
レギュラー組のレベルの高さに圧倒されながらも、アシトはこの日は司馬だけを見ることを決めていた。
そして、司馬を凝視して自分の閃いたヒントが正しかったことを確信する。
司馬は首を振らずに視界の端に映っただけの自分にキラーパスを出していた。
「視る」という概念すらレベルが違っていたのである。
そのキラーパスにアシトが見事に反応して抜け出すと、アシトの予想以上の成長ぶりに司馬も驚きを隠せないのであった。
【29巻のまとめ】
司馬の去就が注目される中、クラブは慰留を図るが本人は全盛期に海外で挑戦しなかった悔いを吐露し決断を保留する。
アシトは2日目の練習で司馬のキラーパスに食らいつき、考えをぶつけながらプロの技術と対話を重ね成長の兆しを示す。
花や栗林との会話を通じ、自分が夢を描けていなかったことに気づき視野を広げる。
最終日の紅白戦では司馬の視野を体感し、ノールックパスの真髄に迫る手応えを得るのだった。
【29巻の見どころ】
この巻の見どころは、司馬の去就を巡る葛藤と、アシトがプロの扉を開こうと必死にもがく姿です。
クラブの慰留を受けつつ、全盛期に海外挑戦しなかった悔いを吐露する司馬の胸中が丁寧に描かれています。
2日目のミニゲームで、初日は反応できなかった司馬のキラーパスに追いつき、考えをぶつけ合うアシトの成長が光ります。
花や栗林との再会を通じ、夢への具体的な道筋を持つ重要性を痛感し、自らの視野の狭さを省みる場面も印象的です。

次巻へ続きます。
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