15歳の少年セスタスはヴァレンス剣闘士養成所に所属する拳奴であり、「100勝すれば自由の身」という条件で過酷な戦いの道を歩み出した。
元拳奴のザファルに師事し、師の仇敵であるデミトリアスやその息子ルスカとの出会い、そして弱い17歳にしてローマ皇帝に即位したネロとその母アグリッピーナと、セスタスの周囲で物語が動き始める。
デミトリアスが先帝クラウディウス一派による皇帝暗殺計画を阻止したが、命を狙われたことにショックを受けるネロは、母アグリッピーナが先帝クラウディウスを謀殺したのではないかと疑心暗鬼になり、孤独に恐怖するようになる。
信頼できる味方としてセスタスを自分専属の奴隷にしようとするが、師や共に育った仲間たちのためにセスタスは皇帝のお願いを固辞した。
そしてある日、セスタスの所属するヴァレンス奴隷闘士養成所は猛者揃いの衛帝隊に入ろうとする訓練生たちと団体戦をすることとなる。
拳闘試合のルールでの反則により辛くもルスカに勝ったセスタスだが、本来の実力では全く歯が立たなかったことを痛感する。
他方、ヴァレンスの娘にしてルスカの恋人であるヴァレリアが登場。
セスタスたち奴隷たちに同情するヴァレリアとの出会いが、今後の運命を大きく左右するのだった。
4巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
レスリングの使い手ジオゲネス
ヴァレンスはレスリングを駆使する粗暴な闘士ジオゲネスを買い付けてきた。
速いタックルからのマウントで通算80勝の拳奴ボリスをも破り調子に乗るジオゲネス。
ルスカに敗れ拳闘の道に自信をなくしかけていたセスタスは「やはり拳闘では総合格闘には敵わない」と思い込むが、その弟子に真の姿を見せるためザファルが立ち上がる。
壊れた左膝でまともにフットワークができないにも関わらず、ザファルは退くことなくジオゲネスに接近戦を仕掛け、強烈な腎臓打ちでジオゲネスの肋骨を折って完勝してみせた。
「絶対の一撃を身につけろ。己の拳に確信さえあれば異種格闘も恐れるに足らん」
それがセスタスへの教えだった。
負傷したジオゲネスは治療に、そして新たに加わったばかりの拳奴に怪我をさせたザファルは罰として監禁されることに。
ザファルは牢ごしにセスタスへ足枷をつけたまま訓練するよう指示を出す。
足を肩幅ほどしか開くことができず、走ることもできない状態での訓練。
ここに新たな一歩があるのであった。
ルスカとヴァレリアの婚約
父ヴァレンスの奴隷商売に反対を貫くヴァレリア。
妻に見放されても奴隷商売で財を成して成り上がることを夢見るヴァレンスは、ヴァレリアにも良い縁組をしてあげたいと考えていた。
そんな矢先、ルスカは正式に衛帝隊の衛士へと昇格し、ヴァレリアにプロポーズする。
ヴァレンスは願ってもない良縁を喜び、2人の結婚を認めた。
しかしこの時、不幸な転落劇が待っているとは思いもよらないのであった。
目をつけられたヴァレリア
セスタスはルスカとヴァレリアの婚約を素直に祝福しながらも身分の違いによってまるで別世界のような感覚を持ち、またネロやヴァレンスと親しくしていたことで仲間たちからも溝ができ始めていた。
また頻繁に養成所に顔を出すヴァレリアを見て、日ごろからヴァレンスに抑圧され続けてきた拳奴たちの不満が良からぬ方向に昇華しようとしていた。
ヴァレンスが溺愛するヴァレリアを人質にとれば状況は一変する―。
夜、ヴァレリアを狙った反乱計画を話し合う拳奴たち。
偶然にも房でその会話を聞いていたセスタスは、どうにかしてヴァレリアを守る方法がないか考えるのであった。
奴隷の反乱が始まる
居てもたってもいられず、牢に監禁されているザファルに相談するセスタス。
しかしザファルは計画が失敗に終わることを確信し、「何もするな。ヴァレリアにも一切関わるな。自分の身だけを守りぬけ」と忠告するにとどめる。
納得のいかないセスタスをよそに、ヴァレリアの結婚が決まり上機嫌のヴァレンスは拳奴たちに休暇を与え、ザファルとジオゲネスも牢から解放する。
拳奴たちは自らヴァレリアの結婚を祝うために掃除するフリをしながら、馬車の通り道沿いに集結してヴァレリアが来るのを待ち伏せしていた。
そして、何も知らないヴァレリアが今日もまた来てしまうのだった。
ヴァレリアが連れ去られ、ジオゲネスが立ちはだかる
どうしても見て見ぬふりができなかったセスタスは、ヴァレリアが来るや否や駆け寄りルスカに援護を求めようとする。
しかしこの日、ルスカは衛士としての初仕事の為に宮殿に出ていた。
ヴァレリアを守れるのは足枷付きのセスタス1人という絶望的な状況。
そして周囲に潜んでいた拳奴たちが一斉に襲い掛かり、ヴァレリアを拉致していく。
セスタスが反抗しようとするも多勢に無勢、援護に来たザファルは身を挺してセスタスだけを守り抜こうとする。
ところがそこへ、ザファルに恨みを募らせるジオゲネスも立ちはだかるのであった。
反乱の末、ヴァレリアが命を落とす
セスタスを守る為に大勢から暴行を受けたザファルに代わり、ジオゲネスに対峙するセスタス。
セスタスはまだ傷が完全に言えていないジオゲネスを相手に、覚悟を決めて接近戦を挑み、ザファルを見習って見事に勝利を挙げた。
早く倒してヴァレリアを助けに行きたいが、その頃拳奴たちはヴァレンスが抵抗できないことをいいことに暴れまわり、ヴァレンスの屋敷に火を放っていた。
もはや拳奴たちを止める術はない―。
ザファルは自分の身を守る為にセスタスに「何もするな」と再度釘を刺すが、反乱に乗じてセスタスの仲間の拳奴たちも逃走することを決めて離れていった。
翌朝になってようやく屋敷は鎮火したが、一夜にしてヴァレンスは全てを失った。
逃亡した拳奴たちは市街で暴動を起こすも鎮圧され、軍によって皆殺しにされていた。
混乱に乗じて逃げたジオゲネスは女性に乱暴しようとしているところをデミトリアスに一蹴される。
一方、ヴァレリアもまた自暴自棄になった拳奴によって殺されてしまった。
愛する娘の死に泣き崩れるヴァレンス。
拳奴の命を何とも思っていなかった冷血漢にも娘への愛は本物だったかと思うと、セスタスはやりきれない想いでいっぱいになるのだった。
拳奴を憎むルスカ
ヴァレリアを守ることができなかったセスタスは自分の無力さを嘆き、宮殿から駆け付けたルスカはしばらくのヴァレリアが死んだことを受け止めきれず錯乱する。
と、そこに市内で暴動には参加せず隠れていたセスタスの仲間の拳奴たちが捕らえられて帰ってきた。
皆が生きていたことに胸をなでおろすセスタスだが、「ヴァレリアが死んだのに拳奴の残党が生きて帰ってきた」という事実に激昂したルスカが襲い掛かる。
セスタスの仲間たちはヴァレリアの死とは無関係だったが、血の涙を流しながら暴れるルスカによって次々と重傷を負わされてしまう。
ルスカは止めに入ったセスタスにも「一生拳奴を憎み続ける。今度逢うときは間違いなく僕は君の敵だ」と言い放ち、拳奴への憎しみを露にして去っていった。
反乱によって、セスタスとルスカの間に芽生えていた友情も崩壊してしまったのだった。
養成所の解体、新たな街へ
全てを失い没落したヴァレンスはローマから姿を消し、ヴァレンス奴隷拳闘士養成所も解体された。
ルスカの暴走によって拳奴としての選手生命を絶たれた仲間たちは普通の奴隷として闘いの道から解放される一方、セスタスはザファルと共に新たな街へと連れていかれる。
仲間と別れ、セスタスは次にどこへ向かうこととなるのか―。
【4巻のまとめ】
虐げられてきた奴隷たちの不満が爆発し、ヴァレンスの娘であるヴァレリアを人質にとって奴隷の反乱が勃発した。
セスタスやザファルなど反乱に加担しなかった者を除いて奴隷たちは全員殺される一方、ヴァレリアもまた自暴自棄になった奴隷によって殺されてしまう。
婚約者を殺され錯乱するルスカは拳奴への憎しみを募らせ、セスタスとの間に芽生え始めていた友情も崩壊。
奴隷拳闘士養成所は解体され、セスタスとザファルは共に新たな街に連れていかれるのだった。
次巻へ続きます。
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