働きもせずにしょぼい博打に明け暮れ、負けを重ねるドン底の生活を送っていたカイジは、バイトの元同僚である古畑の借金の連帯保証人として借金地獄に巻き込まれた。
闇金回収の遠藤という男の勧めで借金をチャラにするどころか一攫千金のチャンスがある希望の船「エスポワール」に乗ることとなり、集められた債務者たちとのゲームが始まる。
ゲームの内容は手持ちのカードでじゃんけんをしながら勝敗に応じて星を奪い合い、負ければ悲惨な末路が待つ「限定ジャンケン」。
騙し騙され、また自分の利益の為に平気で仲間を裏切る戦いに嫌気が差したカイジは、得た金で別室で出会った何の資産もない石田という男を救済して船から生還を果たし、運営に一矢報いる。
しかし借金を完済することはできず、再び借金漬けの生活から抜け出すために鉄骨の上で行われる人間競馬「Brave men road」と電流鉄骨渡りに命懸けで挑戦することに。
死の恐怖に抗えなかった石田がカイジに1000万円相当のチケットを託して命を落とし、他の仲間たちも続々と死んでいくなか、仲間たちの想いを背負ったカイジだけが真のゴールにたどり着く。
しかし利根川も難癖をつけ賞金を渡そうとせず、そこに姿を現した黒幕と思わしき老人の提案で最後のチャンスを与えられる。
勝負は互いにどのターンで勝負に出るかの読み合いが肝心となる2人用のゲーム「Eカード」。
カイジにとっては耳を賭けるリスクがあるが、大金を得る可能性もある大勝負。
カイジは利根川自身を相手に読み合いに負けが込み、窮地に追い込まれたカイジ。
しかし思いがけない1勝で冷静さを取り戻し、利根川が自分の耳につけた装置からバイタルサインを読むイカサマをしていることに気づいた。
ゲームは終盤、利根川に一矢報いる策を閃いたカイジはここ一番で大きく賭け、トイレの鏡を叩き割って準備を始める。
果たしてカイジの行動の真意は―。
11巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
血まみれのカイジが利根川に一矢報いる
トイレで暴れるカイジ、悲鳴にも似たうめき声も室外へと漏れてくる。
そして再びフロアに戻ったとき、カイジはなぜか左耳をタオルで抑え、血まみれの状態で姿を現した。

〈血まみれで戻ってきたカイジ [賭博黙示録カイジ 11巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
その狂気を会長は歓迎し、いよいよラスト2戦が始まる。
カイジが賭けたのは変わらず18ミリ。
手元の腕時計でカイジのバイタルサインを確認する利根川だが、出血や興奮のせいかカイジの血圧は正常に作動していない。

〈興奮が収まるのを待つ利根川 [賭博黙示録カイジ 11巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
それでも脈拍・体温・発汗のサインを目印にするため、利根川はあえて時間いっぱい使ってカイジの興奮が収まるのを待つ。
利根川が先に出す1枚目の勝負は引き分け。
そしてカイジ先出しの2枚目、カイジのバイタルサインに大きな変化は見られず、利根川はカイジのカードが市民だと読んだ。

〈利根川がカードを選択 [賭博黙示録カイジ 11巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
しかしこれはカイジの罠。
自信満々で皇帝を出した利根川に対して一矢報いる奴隷を出し、見事に勝利を挙げた。

〈カイジが一矢報いた [賭博黙示録カイジ 11巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
耳を自ら切り落としたトリック
カイジは左耳をトイレの鏡のガラスで切り落とし、装置を予め外していたことにようやく利根川が気づく。

〈耳を切り落としていた [賭博黙示録カイジ 11巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
身体を張ったトリックで挙げた1勝によりカイジは900万円を獲得。
このままラスト1戦は最低限の賭けで乗り切って終わればいい―。
そう考えたとき、カイジの耳から滴る血がテーブルに付き、ラストの勝負にも勝つための策を閃くのだった。

〈ラストも大勝負に [賭博黙示録カイジ 11巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
ラスト1戦にもトリックを仕込む
ラストの勝負も同じ賭け金で勝てば、2000万円に届く―。
悩みの末にそう考えたカイジは会長に叱咤されて利根川が目を離している隙に、トリックを仕掛ける。

〈バレないように準備を [賭博黙示録カイジ 11巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
まず手札で使わなかった3枚の市民を膝に置き、そのうちの1枚だけを手に先ほど使った2枚を伏せて自分の近くに手繰り寄せ、また1枚を抜き取る。
あくまでも自然を装いながら、ここで傷が痛んだフリをしてテーブルに残った2枚に自分の血をつけた。

〈2枚に血が付いた [賭博黙示録カイジ 11巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
そしてここでラストも18ミリ賭けて勝負に出ることを宣言。
命を省みぬカイジの勢いを会長は快諾し、2枚のカードに付いた血を拭き取ってラストの勝負に臨むのだった。
カードの隅に付いた血に利根川が気づく
装置を右耳につけ直し、また利根川にも腕時計を外させてラストは正々堂々の真剣勝負に。

〈利根川にとって初の真剣勝負 [賭博黙示録カイジ 11巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
利根川にとっても組織内での生き残りを懸けた大一番に初めての真剣勝負で臨むこととなり、さすがに慎重にならざるを得ない。
利根川は先出しの1枚目で皇帝を出す勇気を貫けず、1枚目は引き分け。
2枚目はカイジがあっさり先に出す。
しかしそのカードの隅に拭き取り切れなかった血の跡を見つけた利根川は、そのカードが5割の確率で奴隷であることを見抜き、市民を提出。

〈直前の勝負で使われた2枚のどちらか? [賭博黙示録カイジ 11巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジが出したのも市民であり、2枚目も引き分け。
これで残り血のついている可能性のあるのは奴隷1枚だけ―。
続く3枚目も1枚目と同様に無難な引き分けとなり、勝負は運命の4枚目にもつれ込む。

〈運命の4枚目 [賭博黙示録カイジ 11巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
4枚目、カイジが先に出したカードには再び血痕が。
これが奴隷で間違いない―。
利根川は内心で勝利を確信するのだった。
【11巻のまとめ】
自ら耳を切り落とすことでバイタルサインを無効化し、利根川の裏をかいて一矢報いたカイジ。
カイジはさらにあるトリックを仕掛け、ラスト1戦も限界まで賭けて臨む。
利根川はカイジの出したカードに拭き取り切れなかった血の跡を見つけ、それが直前の勝負で使われた市民か奴隷の2択であると判断。
最後のターンで利根川は勝利を確信するのだった。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
-
参考伝説はここから始まった…人生逆転を賭けた心がざわざわするギャンブル『賭博黙示録カイジ』全13巻【ネタバレ注意】
続きを見る

