それでも瑛太が意地を見せ、値千金の同点タイムリーを放つ。
試合は同点のまま最終7回に突入、瑛太は持っている全ての武器を使って宮松シニアのクリーンアップを迎え撃つのであった。
33巻のあらすじを振り返ってみましょう。
文吾の劇的なサヨナラ3ラン
杉浦(真)の放った大きな打球がセンターへ飛ぶが、フェンスギリギリで間瀬がキャッチ。
紙一重の勝負を制した瑛太が続く5番も空振り三振に仕留め、良い流れで攻撃につなげる。
瑛太を勝利投手にするべく気合を入れる静央シニア。
先頭の船木は三振に倒れるも、尾野が粘りに粘って四球をもぎ取る。
1番の小谷野はバットを短く持って鋭い打球を放つが、杉浦(真)の好守に阻まれ、内野ゴロ。
2番・真琴が綺麗な流し打ちでヒットを放ちチャンスを広げ、打席には3番・文吾。
ネクストバッターズサークルには絶好調の野田が控えており、鹿島としては野田には回したくないところ―。
と、その心理を読んだ文吾が狙いすまして一閃。
完璧に捉えた打球は劇的なサヨナラ3ランとなり、静央シニアが決勝進出を決めたのだった。
絶対王者に挑むダークホース
もう1つの準決勝では絶対王者の流山シニアとダークホースの石金シニアの激突。
流山シニアはエース家長を温存しながらも、全国の強豪から特待枠を用意されるレベルの厚い選手層を持ち、なかでも木更津・勝浦・鴨川は屈指の強打者。
投手陣も安定感抜群の投手が2人も控え、家長という巨大な存在に惹きつけられた才能たちの集まりである。
対する石金シニアは徳田と金丸の2人が好守でチームを引っ張るキーマンであり、この大会を勝ち抜くために周到に準備を練ってきたチーム。
石金シニアはさっそく、公式戦初登板の唐笠を先発に起用するサプライズを見せ、ジャイアントキリングに挑むのであった。
緻密な戦略を用意してきた石金シニア
唐笠は極端なオーバースローで角度をつけたストレートを武器とし、流山シニアは情報を集めるべく慎重に球を見極めていく。
だが石金シニアの参謀を務める金丸は、流山シニアが最初は追い込まれるまでバットを振ってこないことを読んだうえで投手有利のカウントで進めるところまで作戦を描いていた。
追い込んでから唐笠の決め球にフォークを選択。
流山シニアの1番・保田は辛うじて食らいつき内野ゴロ。
金丸は初見でも空振りを奪えなかったことに驚きつつも、同世代の猛者たちを最後の大会で倒すためだけに重ねてきた2年間の努力と綿密な戦略を信じる。
だが2番の勝浦は早々に唐笠のストレートに対応し、フォークの見分け方も特定。
フォークを狙いうちにかかるが、ここでも唐笠のフォークは想定とは逆のシンカー方向に落ち、当てるのが精一杯となって打ち取られた。
フォークの見分け方を味方に伝える勝浦、しかし唐笠はスライダー方向とシンカー方向の2つのフォークを投げ分け、3番も抑えて初回を無失点で切り抜けるのだった。
流山シニアは家長を温存するが…
流山シニアの先発は勝浦。
130km台後半のストレートやキレのあるスライダーとフォークを武器とし、家長がいなければ文句なしのエース級の実力を持つ。
一方、エースの家長は初回からブルペンで投球練習に精を出していた。
そんな家長の姿に、文吾はある意図を感じ取るのだった―。
【33巻のまとめ】
文吾の劇的なサヨナラ3ランで静央シニアが宮松シニアとの激闘を制し、決勝へ進出。
もう1つの準決勝では絶対王者の流山シニアにダークホースの石金シニアが挑む。
この大会のために2年がかりで周到な準備と緻密な戦略を立ててきた石金シニアはどこまで通用するのか―。
【33巻の見どころ】
この巻の見どころは、文吾の劇的なサヨナラ3ランです。
試合は終盤、静央シニアが1点差で追い上げる中、文吾がプレッシャーのかかる場面で完璧に捉えた打球を放ち、試合を決定づけるサヨナラホームランを記録します。
この場面では、文吾の冷静な判断力と圧倒的な打撃力が光り、チームを勝利へ導く瞬間に胸が熱くなります。
また、もう1つの準決勝では、絶対王者・流山シニアにダークホース・石金シニアが挑むシーンも注目です。
次巻へ続きます。
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