多額の借金を背負わされたカイジは逃亡生活の末、一発逆転のギャンブルを期待して自ら遠藤に接触する。
しかし多重債務者からの取り立てを生業とする遠藤はカイジの身柄を確保し、地下の強制労働場へと送った。
劣悪な環境で集団生活をしなが強制労働と借金返済に終われる悪夢のような生活を送ることとなったカイジ。
この状況から抜け出すには必要な通貨であるペリカを貯めて「1日外出券」を買い、さらに地上で借金を完済するしかない―。
ところが所属するE班の班長・大槻の巧みな話術の前に誘惑の沼に引き込まれてしまう。
貴重なペリカをビールなど嗜好品で散財してしまったことを猛省するカイジに大槻は給料の前借りを申し出、さらに返済のためのチャンスとして賭場に招待した。
カイジと同様新人の青年・三好と共に参加することとなったのは、特殊ルールが存在する地下チンチロ。
多額を賭け一度は流れを掴んだカイジだったが、大槻とその側近である石和が勝負どころで神がかった運の強さを見せ、一気に借金地獄に突き落とされた。
給料2か月分の前借りは正規の給料の半分程度しか得ることができず、よほど我慢しなければその状態からも脱出できない沼。
敗北を喫し気力の折れたカイジ、しかし劣悪な環境に長く生活すれば文字通り身体を壊し命が危ぶまれることを察知し、再起を決意する。
そのカイジを後押しするかのように、三好が地下チンチロの出目を記録していたノートからカイジは大槻と石和、そしてもう1人の側近の沼川があるイカサマをしていることに気づいた。
単にイカサマを暴露するだけではなく、より致命的なダメージを与える策を閃いたカイジは、同じく給料を2か月前借りしている負け犬集団「45組」に声をかけ、徒党を組むのだった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
45組が結束
45組がカイジのもとに結束し、生まれ変わる為に立ち上がった。
〈45組が結束 [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
金やタバコ、甘いものなど全てを全員で管理し、ビールや博奕NGでひたすら耐え続ける貧窮生活を送ることとなる。
石田の息子を一喝
ひたすら我慢する生活を送るある日、カイジは医務室で若い患者から声をかけられる。
〈石田の息子と出会う [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
声をかけた主は電流鉄骨渡り(※前作8巻参照)でカイジに1000万円を託して命を落とした石田の息子、石田 広光。
父親同様に帝愛グループの債務者になっていた広光だが、人情に厚く誠実だった父とは異なり、自分で作った借金300万円を肩代わりできなかった父を侮蔑するクズだった。
石田が息子の借金も抱えて清算するために懸命に挑み命を落としたことを知ったカイジは広光を一喝。
〈ダメ息子を一喝 [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
半ば無気力に適度にサボることで自身を守りながら働く広光をよそに、カイジは耐えぬく決意を固めるのだった。
カイジたちへの陰湿な嫌がらせ
明らかに反抗的な態度を取るカイジたち45組への嫌がらせが始まる。
〈嫌がらせが始まる [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
難癖をつけて再度シャワーを浴びるよう指示されたり、そのせいで食事の時間に間に合わなかったとしてメシ抜きにしたり。
大槻たちは班長としての器量の大きさを見せつけるようにしてカイジたちの懐柔を図るが、それでもカイジは強気に反抗し続ける。
〈嫌がらせがエスカレート [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
神経を逆なでされた班長たちは陰湿な嫌がらせをエスカレートさせていき、45組は確実に精神的に削られていった。
しかしカイジだけは計算通りに事が運んでいるとして、虎視眈々と反撃の機会を待ち続けるのだった。
〈嫌がらせも想定の範囲内 [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
借金生活を脱し、第1段階をクリア
そしてカイジたちの決起から2か月、ついに前借り生活からの脱却の時を迎えた。
〈前借り生活を脱した [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジたちの執念を認めつつ正規の給料を渡す大槻。
しかしカイジはその場で給料がきっちり揃っているかどうかを確認し、徹底して大槻の神経を逆なでする。
45組の全員が手に入れた正規の給料、それを元手にチンチロで大槻を焼き尽くす―。
〈いざ逆襲へ [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
帝愛グループのNo.2である黒崎が監視カメラの映像を通じて見守るなか、カイジが再び大槻に挑む時が来るのだった。
いよいよ雌雄を決する時が来た
今日のこの日は給料日に加えて賭場が定期的に開催される数少ない土曜日。
ただでさえ盛り上がる日に加え、「カイジが大槻に噛みつく」という噂も相まって大荒れ必至の様相を呈し、他の組からも大勢の人が集まった。
〈遺恨試合が始まる [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
冷静を装いつつ牙を研ぎながら待つカイジ。
そしてカイジの狙い通り、大槻がカイジたちを叩き潰すために賭場に誘い寄せる。
自ら飛び込むのではなく、向こうから呼ばせる。
カイジは上限である2万ペリカを超えて青天井で勝負すること宣言し、大槻もこれを承諾。
〈カイジが青天井を宣言 [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
いよいよ遺恨試合が始まる。
敗北もカイジの読み通り?
青天井OKという言質を取ったうえで、大槻の次である沼川が親の手番でいきなり大きく賭けようとするカイジ。
しかし大槻と沼川は慌てるようにしてこのタイミングでの青天井を受けようとしない。
カイジはこれを見て自分の読みが当たっているという確信を深め、勝負のタイミングをうかがう。
カイジ参戦のうわさを聞きつけてギャラリーが集まり場は盛り上がっていくが、あくまで空気に流されずカイジは自分の親の手番をスルー。
〈ギャラリーが勝手に盛り上がる [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
一周回って大槻の手前の石和が親の手番でもカイジは青天井ではなく従来の上限である2万ペリカのみ。
勝負を受けた石和が「4・5・6」の2倍付けを出す一方でカイジは「2の目」しか出せず、初戦で早速4万ペリカを失うこととなった。
〈石和に倍払い [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
大槻の親の番、全財産を賭けた大勝負へ
石和の2回目の親、カイジは1000ペリカだけを賭ける。
〈一気に盛り下がる一同 [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
早くも負けを認めたかのようなカイジの振舞いに場の熱は一気に冷め、ショボい勝負でカイジが勝ちを拾った。
そして次は大槻が親の手番。
肩透かしを食らい機嫌を悪くした大槻がカイジに場を抜けるように指示するが、これらも全てカイジの作戦のうち。
〈大槻が親の手番で全員を召集 [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
大槻に煽られたかのように残金の5万2000ペリカ全額を賭けることを宣言し、さらにこのタイミングで45組全員を召集。
大槻が2回の手番を両方とも青天井で受けるという言質を取ったうえで、45組の仲間たちも全員全額、合計で50万ペリカ越えの大勝負となる。
〈大槻が親の手番で全員を召集全財産を賭けた大勝負 [賭博破戒録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジの意図が読めない大槻が警戒心を強めるなか、運命の勝負が始まるのだった。
【3巻のまとめ】
負け犬集団45組がカイジのもと結束し、全員で欲望に打ち勝ち借金前借り生活を脱却。
そして大槻たちとの因縁に決着をつけるべく、チンチロでの遺恨試合に多くの人が集まる。
「青天井で勝負する」という言質を取って勝負に臨んだカイジは勝負に出るタイミングを冷静に待ち、いよいよ大槻が親の手番で仕掛けた。
45組の仲間たちも合わせて全財産を賭ける、50万ペリカ越えの大勝負。
さすがに面食らう大槻がカイジの意図を警戒するなか、運命の勝負が始まるのだった。
次巻へ続きます。
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