死刑が廃止された近未来の日本。最も重い「島流し」の刑を受けた凶悪犯罪者たちは監獄の島・天獄島に送られていたが、そこで行われていた非人道的な研究が露呈し島は閉鎖された。
第二の監獄の島・天極島が選定され、記憶喪失の守野碕という男が他の囚人と共に移送されることとなる。
島では教授にまで上り詰めた水沢が、「仕働夫」と呼ばれる存在を人体実験で創り出す研究を秘かに継続していたことが判明する一方、守野碕は自分の事を知る看守のカルロスと出会い、ショック療法で記憶を取り戻すことに。
天極島を訪れたイリノフとレイミーというVIPの面前でエンターテイメントとして狼との殺し合いをすることとなった守野碕は、命懸けの戦いに勝利し、カルロスの期待通り記憶を取り戻す。
守野碕とカルロスは相棒関係であり、それぞれがある任務のためにこの天極島に潜入していたのであった。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
脱出の期限と場所を思い出す
全てを思い出したわけではないが、カルロスに伝えるべき記憶を取り戻した守野碕。
それはこの島での任務を終えた後の脱出についてであり、脱出の期限は守野碕がこの島に来てから数えて２週間後の日の出前に島の西に突き出した半島の先端から脱出することが告げられる。
つまりそれまでに守野碕とカルロスは任務を全うしなければならない。
カルロスは女王であるレイミーが守野碕に興味を持っていることを利用し、レイミーに気に入られればしばらくは身の安全が守られるとアドバイス。
そして守野碕はレイミーの呼び出しに応じ、部屋を訪ねるのであった。
守野碕とカルロスの任務は御子柴の救出だった
並外れた度胸を持つ守野碕のことをいたく気に入ったレイミーは褒美として拳銃を与えようとする。
しかし4か月前に武装勢力に拘束されて死にかけ、味方の舞台が救出した際に銃弾を受けて記憶喪失となったことを思い出し、その苦い記憶から銃の受け取りを固辞した。
事件は5か月前、守野碕とカルロスが協力者のアサドの案内により、天獄島から脱出して中東に身を隠していた御子柴に会ったのが発端。
レイミーはますます守野碕の事を気に入る一方、記憶を取り戻した守野碕は脱出に向けて策を考え始める。
その頃、聖域とされるSタワーでは水沢が囚人を使った人体実験に精を出しており、殺さずに心臓と頭部だけを抽出することに成功。
この技術の進歩もイリノフらの支援によるものだが、2人の本当の目的は別にある様子。
それはこの島のどこかに監禁した御子柴を拷問して情報を吐かせることであり、守野碕とカルロスの任務は御子柴を発見・救出してこの島を脱出することなのであった。
研究棟「Sタワー」と謎の海底施設「エリアXX」
看守としてこの天極島に潜入していたカルロスは、この島では生きたままの囚人たちを臓器のドナーとしてストックしている秘密を掴み、さらに守野碕のためにこの島の施設の情報などを記録した情報機器の隠し場所を守野碕に教える。
カルロスでも調べきれなかったのは、水沢の同伴がなければ入れないというSタワーの内部と、この島付近のどこかに海底施設「エリアXX」があるという噂。
御子柴が捕らえられている可能性が高く、連絡ルートはSタワーから繋がっている可能性がある―。
推測の域を出ないものの、カルロスと守野碕はどうにかしてSタワーに潜入する作戦を考え始めるのであった。
守野碕たちと御子柴の接点は5年前の中東
5年前、中東に潜伏していた御子柴は天獄島で仕働夫の研究が行われていたこと、そして当時新薬の副作用で細胞の成長が止まった「いち」という少女の存在を守野碕とカルロスに明かす。
その新薬は「不老薬」となる可能性を秘めており、仕働夫の老化を実現するために国はその新薬を開発した医師に協力を要請。
しかし仕働夫の研究目的を知って協力を拒否した医師は殺され、いちは研究対象として天獄島に送られる。
御子柴はそのいちを救出したが、いままた同じ研究を始めるためにいちが狙われていると告げ、守野碕とカルロスにはいちの保護を依頼。
現に水沢とイリノフは目を血眼にしていちのことを探し回っており、何年も御子柴を拷問してその居場所を吐かせようと躍起になっているのだった。
極悪犯だけの無法地帯「エリアZ」への移送が決まる
脱出のリミットまであと10日。
元医師の東堂は水沢の研究に協力することを志願し、できるだけ凶暴な人間を従順にさせる実験として、要注意人物や集団生活不適合な囚人を収容している「エリアZ」に目をつける。
無法地帯と化しているエリアZの情報を得るため、東堂は守野碕をエリアZに送り込んで観察することを提案。
突然の移動にカルロスが動揺するなか、守野碕は看守のいない無法地帯に飛び込むこととなるのであった。
力だけで上下関係が決まるエリアZ
さっそく囚人たちに囲まれることとなった守野碕。
どうやらエリアZは強い者順にランキングの上下関係がルールとなっているらしい。
守野碕は35位の囚人を一撃で倒して位を奪い、格下の囚人にエリアの案内をさせる。
東堂がその様子を監視カメラを通じて見守り、カルロスがエリアZへの移動を命じた東堂のことを警戒するなか、守野碕はランキング上位が集まる場所に足を踏み入れるのであった。
【2巻のまとめ】
守野碕とカルロスの任務はこの島のどこかに捕らわれている御子柴を救出し、脱出すること。
研究施設「Sタワー」とどこにあるかもわからない海底施設「エリアXX」が怪しいと踏む2人だが、推測の域を出ない。
脱出までの期限が迫るなか、守野碕は水沢に協力する元医師の東堂によって別エリアへ移送されることとなってしまう。
移送先は極悪犯だけの無法地帯であるエリアZ。
強い者順に上下関係が決まる弱肉強食の世界に足を踏み入れた守野碕の運命は―。
次巻へ続きます。
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