死刑が廃止された近未来の日本。最も重い「島流し」の刑を受けた凶悪犯罪者たちは監獄の島・天獄島に送られていたが、そこで行われていた非人道的な研究が露呈し島は閉鎖された。
第二の監獄の島・天極島が選定され、記憶喪失の守野碕という男が他の囚人と共に移送されることとなる。
島では教授にまで上り詰めた水沢が、「仕働夫」と呼ばれる存在を人体実験で創り出す研究を秘かに継続していたことが判明する一方、守野碕は自分の事を知る看守のカルロスと出会い、ショック療法で記憶を取り戻すことに。
天極島を訪れたイリノフとレイミーというVIPの面前でエンターテイメントとして狼との殺し合いをすることとなった守野碕は、命懸けの戦いに勝利し、カルロスの期待通り記憶を取り戻す。
守野碕とカルロスは相棒関係であり、それぞれがこの島のどこかに捕らわれている御子柴を救出し、脱出するという任務のためにこの天極島に潜入していた。
研究施設「Sタワー」とどこにあるかもわからない海底施設「エリアXX」が怪しいと踏む2人だが、推測の域を出ない。
脱出までの期限が迫るなか、守野碕は水沢に協力する元医師の東堂によって別エリアへ移送されることとなってしまう。
移送先は極悪犯だけの無法地帯であるエリアZ。
強い者順に上下関係が決まる弱肉強食の世界に足を踏み入れた守野碕の運命は―。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
御子柴が捕まった経緯
5年前、守野碕とカルロスは戦闘を含めたあらゆる技能の訓練を受けた保安省直属の特殊捜査官であり、極秘の依頼で中東へ飛んだ結果、御子柴に出会うこととなった。
当時はちょうど、天極島が新たに第一級流刑地として制定され、天獄島での非人道的実験の責任を問われた前厚生労働大臣の獅賀泰造とその参謀である船口修らも移送されることが決まったところである。
そして1年が経つ頃、ついにアジトの近くにまでいちを探すイリノフたちが近づいてきた。
御子柴はすぐさま守野碕とカルロスにいちを逃がすよう指示し、アサドと2人で敵を引きつけて時間を稼ぐことに。
そして2人はイリノフに捕らえられ、アサドは御子柴の目の前で処刑された。
御子柴は天極島で拷問を受け続けることとなる。
いちを血眼になって探すイリノフ、その目的は老い先短い母の治療のためである様子。
一方、守野碕とカルロスのおかげで逃げ延びたいちはアサドの死を知り、自分も銃を取って戦うことを決意。
アサドの父であるアリは仲間の情報から敵がロシア系の民間組織であることを掴み、共に戦う精鋭部隊を集める。
そしてカルロスが先に日本に戻って天極島の情報を集めながら潜入、守野碕は残っていちの安全を確保してから現地で合流することになるのであった。
守野碕はランキング1位の男と面会へ
エリアZでは案内役の「ネズミ」によってランキング上位の面々と守野碕が対面を果たす。
ここから先は20位以上しか入れないと言い、20位の男が力ずくで追い返そうとするも守野碕は難なく一蹴。
リーダー格の男に対して守野碕は1位の男と脱獄について話したいと切り出す。
リーダー格の男は脱出など不可能と一笑しながらも、守野碕は奥にいる1位の男と面会するのであた。
ランキング1位の男は天獄島の生き残りだった
水沢は実験で頭と心臓だけ抽出して生かしていた囚人に移植する身体の持ち主が見つかったという報告を受け、心を躍らせる。
その身体の持ち主はエリアZにいるランキング1位のギュウという男だった。
水沢たちはギュウを拘束・移送するために翌朝に看守たちを集めてエリアZに突入することを決める。
そのギュウは監獄の壁に穴を掘って監視カメラから身を隠すように住んでいる変わり者の男で、ちょうど守野碕が対面している所。
穴には自分で作り上げた少女の像を崇拝しているようだが、「一神様」と崇めるその少女は守野碕の知るいちによく似ていた。
ギュウは天獄島の生き残りで御子柴とも面識のある男であり、守野碕からいちが今も生きていること、御子柴がこの島のどこかに捕らえられていることを知ると目の色が変わるのであった。
天極島の黒幕とその狙い
その頃、拷問を受けても一向にいちの居場所を吐かずに耐える御子柴のもとに、天獄島の黒幕の一人である船口が姿を見せる。
現在は収監されている身とはいえ元官僚の権力は健在であり、世界の高齢化社会を救うためにいちの身体を利用して不老薬の完成を目論んでいたのである。
元はと言えば御子柴の父が作った幻の薬であり、その効果を顕現したいちは天獄島で神と崇められた存在。
守野碕からそれら事情を聞いたギュウは、いちと御子柴を救うために命をも投げ出して守野碕に協力する覚悟を固めるのであった。
エリアZへの突入、脱出作戦強行へ
朝を迎え、看守たちがギュウを拘束するために一斉にエリアZに踏み込む。
各自散開して捜索するなか、カルロスはいち早くリーダー格の男と接触し、自分が守野碕の味方であることを明かす。
そこにギュウを味方につけた守野碕も合流し、脱出計画を強行することに。
看守たちの目当てであるギュウを人質に取るも、駆け付けた水沢は「全員殺しても構わない」と退かない構え。
すると守野碕はいちの情報と引き換えに御子柴の解放を要求。
いちの情報があると聞いてすぐさま守野碕以外の抹殺を看守たちに指示する水沢。
しかしその背後にいた東堂が水沢を裏切って銃口を突きつけ、看守たちに銃を捨てさせるように指示する。
その一連の様子を監視カメラで見ていたレイミーは、天極島北部のゲストハウスにいるイリノフに「いちの情報を持つ男がいる」とすぐさま報告するのであった。
【3巻のまとめ】
5年前、研究施設を壊滅し天獄島を脱出し閉鎖に追い込んだ御子柴は、いちと共に中東に潜伏していたが、第二の監獄の島・天極島が選定されたことを知ると、再びいちが狙われることを危惧し日本の特殊捜査官である守野碕とカルロスに護衛を要請。
しかしいちを狙うイリノフに追われ、自ら囮となっていちを逃がし、この天極島に捕らわれることとなったことが明らかに。
他方、エリアZでは守野碕がランキング1位の男・ギュウと対面を果たし、天獄島の生き残りでいちを崇拝するギュウを味方につけることに成功する。
時を同じくして看守たちがエリアZへ突入、看守に紛れて守野碕らと合流したカルロスは、そのまま脱出作戦を強行することに。
看守たちに取り囲まれるなか、守野碕はいちの情報と引き換えに御子柴の解放を要求するが、これがかえって水沢を喜ばせる結果となり、水沢は守野碕以外の抹殺を指示。
するとその背後にいた東堂が水沢を裏切って銃口を突きつけ、看守たちに銃を捨てさせようとする。
果たして東堂の正体とその目的は―?
次巻へ続きます。
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