二ツ坂高校1年の東島旭は中学まで美術部だったものの、「薙刀は高校部活界のアメリカンドリーム」という謳い文句に感激し、薙刀部に入部した。
インターハイ予選ではダークホースである國陵に敗れてしまい、3年生が引退してエースの宮路真春、部長の野上えり、2年の大倉文乃、1年で剣道経験者の八十村将子、初心者だが長身の紺野さくらと共に新たな体制でスタートを切る。
本格的な薙刀の練習が始まり、二ツ坂が薙刀教士・寿慶に体力も精神力も限界まで追い込まれる地獄の夏合宿を乗り越える一方、インターハイに出場した國陵もエースの寧々が姉と慕う熊本東のエース・戸井田奈歩との再会を果たすもその眼中に自分がいないことにショックを受け、調子を崩してチームは敗退。
國陵は部内の空中分解寸前の険悪な空気に包まれながらも、温厚な寒河江が次期部長に名乗り出て新たな季節が始まった。
新人戦では惜しくも國陵にそのまま優勝をさらわれ、寿慶の紹介で新たな指導者・福留やす子を迎え、その特訓で小さな呼吸と摺り足をマスターした二ツ坂の面々。
さらに冬にはインターハイ常連の和歌山愛山との合同合宿に参加することになり、そこにはライバルの國陵の姿もあった。
ハードな練習に何とか食らいついていく旭たち、そして合宿最後の交流戦ではシークレットゲストとして絶対王者の熊本東も合流。
旭はこれまでの地道な稽古が実を結び始め、自信をつけていく。
他方、熊本東と対戦した國陵は寧々と的林が奮戦して熊本東を追い詰めるも、部長の寒河江が1年生の島田に惨敗し勝利を逃してしまう。
これまで何かと寧々を気にかけ部を取りまとめるのに奔走してきた寒河江だったが、寧々に足を引っ張っているとハッキリ言われショックから泣き出してしまった。
合宿を通じて少しずついい方向に向かっていた國陵がまた、空中分解寸前になってしまうのだった。
12巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
交流戦 二ツ坂vs熊本東
熊本東との交流試合。
先鋒の旭をはじめ、圧倒的な力の差を前に何も出来ずに蹂躙されていく。
それでも大将の真春は王者・戸井田との手合わせに高揚していた。
戸井田は真春さえも見たことのない鮮やかな技で一本を奪い、二本目も連取して完勝。
試合が終わるとすぐに真春は戸井田に駆け寄って技について聞くなど興味津々の様子であり、戸井田も真春のことをライバルとして認め選抜での再戦を約束する。
ハードだったが交流もできた合宿を終え、みな全国の舞台での再会を願うのであった。
夏之が薙刀を辞めた理由
合宿で胴の防具が壊れた旭は修理不能と聞いてがっかりするが、真春が夏之の使わなくなった防具を譲ってくれた。
夏之にお礼を言うために家を訪ねた旭は、そのついでに夏之と周辺を散歩することに。
不思議と薙刀の話題で打ち解けていくが、夏之が薙刀を辞めた理由について踏み込むと夏之の地雷を踏んでしまう。
もともと天才肌の真春と比較され才能のない自分に嫌気が差して辞めた夏之は旭には才能がある、応援していると口にするが、ただひたむきに努力してきた旭にはその夏之の気持ちはわからないのであった。
選抜大会の東京都予選は散々な結果に
時を待たずして選抜大会の東京都予選が開催される。
合同合宿で成長した二ツ坂は3人ずつで組んだ2チームとも自信をつけて臨むが、旭のチームは藤ヶ丘の2年生チームに敗れ、真春のチームも紺野が勝ち星を挙げられず団体での選抜出場を逃してしまう。
結果的に切符を手にしたのは個人戦の真春だけであり、旭がポジティブに次の目標を見据えるのとは対照的に、紺野はどこか元気を無くしているのであった。
紺野が退部してしまう
真春を除いて次の大きな大会まで試合の予定がない二ツ坂。
ここで身体を作り上げてきたやす子の本格的な指導が始まる。
やす子は目標を日本一に掲げ、呆気にとられる者もいるなか、特に紺野は現実的でない目標に気持ちが冷めてしまっていた。
大会ではなかなか勝利を挙げられず、自分より劣っていたはずの旭ないつの間にか差をつけられているように感じる。
冷静に考えればクラスメイトの女子は青春を謳歌しているのに、自分は厳しい練習漬けの毎日。
次第に部を辞めようかという考えが頭をよぎり、誰かに慰めてほしいという気持ちを抱えながら稽古に参加する紺野。
プライドの高さからなかなかやす子の指導を素直に聞き入れることもできず、かといって自分のやりたい技では勝つこともできない。
やす子は紺野に対して「アンタいらないわ」と告げると、紺野は自ら逃げるように道場を後にし、部活に顔を出さなくなってしまうのだった。
旭と紺野の関係がこじれる
紺野を心配して復帰を信じる旭だったが、日が経つにつれて紺野がいないのが日常になっていく。
部に戻るのを無理強いはできず、自分から戻るのではなく誰かに声をかけてもらいたがっているだけの紺野に対してズルいという思いすら沸き上がってきた。
人より劣っているがゆえに追い付こうと必死に稽古を続ける旭は、身長や器用さを持ち合わせながら簡単に投げ出してしまう紺野には絶対に優しい言葉はかけないと決意。
その頃、待てども誰からも言葉をかけてもらえずフラストレーションを溜める紺野は、同じく薙刀から逃げ出した過去のある夏之とコンタクトを取る。
一方的に夏之に絡み始める紺野、そこをタイミング悪く疲労で部活を早退した旭が見かけてしまう。
思いを寄せる夏之に紺野が手を出そうとしていると勘違いし、関係はさらにこじれてしまうのだった。
【12巻のまとめ】
熊本東との試合では真春ですらも戸井田には敵わなかったが、全国の舞台での再会を誓い合って合宿を終える。
時を待たずして選抜大会の東京都予選が始まるが、二ツ坂は2チームとも団体戦での全国進出を逃し、真春が個人戦で出場を決めたのみ。
なかでもここのところ全く試合で勝てていない紺野はプライドの高さも邪魔して伸び悩み、逃げるように部から離れてしまう。
紺野は自分と同様に過去に薙刀を辞めた夏之に一方的に絡むが、タイミング悪くそこを旭が目撃してしまい、旭と紺野の関係がこじれてしまうのであった。
次巻へ続きます。
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