父に虐待され、母は薬物中毒で入院。
ヤクザを殺してしまい幼くして入所した児童保護施設でも面倒を見てくれた先生が目の前で強姦されるというドン底を味わった少年リク。
ヤクザでありながら元王者の所沢との出会いをきっかけに、その姿を追ってプロボクサーとなった。
目標は所沢の持っていたOPBFのチャンピオンベルト。
しかしその所沢からは「もう自分とは関わるな」と告げられてしまう。
ショックとは裏腹にリクのパンチはキレを増していき、幼少期のトラウマをバネにプロデビュー戦を圧勝したリク。
その姿に同世代の天才ボクサー兵動も興味を示し、リクと戦うためにあえて同じ土俵に立つことを宣言する。
派手に勝ちすぎてマッチメイクに苦しむリクを、同級生のボクサーである三瀬早がプロデビュー戦の相手に指名した。
しかしこれは裏で「リクは右構えのショートパンチのみ」という縛りを設けたハンデマッチで、一躍注目を浴びるリクを踏み台にして華麗なデビューを飾るという三瀬早陣営の罠なのだった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
リクvs三瀬早 圧倒的不利なハンデマッチ
圧倒的に不利な条件下での戦いになるが、一方的に理不尽に殴られることでトラウマを呼び覚ますことが馬場の狙い。

〈馬場の狙い [リクドウ 3巻](c)集英社/松原利光〉
三瀬早との試合は三瀬早に声をかけられたクラスメイト達も応援に来ており、リクに軽蔑のまなざしを向ける一方で三瀬早を応援する。
開始早々、三瀬早が一方的に攻める展開に。
殴られっぱなしのリクは過去父親に受けていた虐待の経験から本能的に致命的な攻撃を察知し、1Rをしのぎ切った。

〈虐待で培った防衛本能 [リクドウ 3巻](c)集英社/松原利光〉
2R目からは三瀬早の攻撃を完全に見切り、カウンターで後うしてからリクが攻める。
リクの完璧なラッシュの前に三瀬早は崩れ落ちて失禁し、KO敗け。

〈リクのラッシュ [リクドウ 3巻](c)集英社/松原利光〉
これまで何事もうまくこなし、内心では周囲を見下してきた三瀬早にとって、兵動とリクに負けたこのボクシングが人生で初めての挫折となるのだった。
試合後、学校では恐怖心からリクと苗代のへのイジメはピタリと止み、恥を晒した三瀬早は挨拶することもなく転校していった。
リクと苗代には殺人事件の犯人をみるような眼差しが向けられていることに苗代は気づくが、リクは全く意に介せず次の試合に目を向けていた。
葵との出会い、呼び起こされる性のトラウマ
雪の降りしきる路地裏。
男が女を押し倒そうとしているところを目撃したリクは女を助ける。
風俗嬢をしている女、葵は男の性欲処理に慣れていたが、リクに助けられた御礼としてリクのファーストキスを奪う。
江原先生がレイプされて以来、性にトラウマを抱えているリクは動揺を隠せないのであった。

〈性のトラウマが蘇る [リクドウ 3巻](c)集英社/松原利光〉
ボクシングで再起を図る石蕗
所沢が借金の取り立てをする債務者には、リクが新人王トーナメントの初戦で対戦する石蕗幸二(つわぶき こうじ)の名前もある。
キックボクシングで足を壊した石蕗は、人生の再起をかけてボクシングに転向。
そんな石蕗に興味を示した所沢は、借金の取り立ての合間に石蕗にボクシングの指導を始めた。

〈石蕗に所沢が目をつける [リクドウ 3巻](c)集英社/松原利光〉
石蕗は葵と同棲しながら人生の逆転を狙って必死に食らいつく。
しかし現実は残酷なもので、葵が重病を患っていることが発覚。
どん底にいる石蕗は並々ならぬ闘志を秘めてリクとの試合に臨む。

〈石蕗の覚悟 [リクドウ 3巻](c)集英社/松原利光〉
対するリクも所沢の通った道を辿るべく、日本ランク入りして上を目指すために新人王タイトルの獲得に向け気合を入れるのだった。
【3巻のまとめ】
三瀬早とのハンデマッチでも虐待の経験から相手の攻撃を本能で読み勝利を挙げたリク。
次の相手はリクと同様、人生のどん底からボクシングで再起を図る石蕗に決まる。
対するリクも所沢と同じ道をたどるべく、新人王タイトルの獲得に向けて気合を入れるのだった。
次巻へ続きます。
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参考ドン底の人生で見出した自分の生きるべき道はボクシングだった『リクドウ』全23巻【ネタバレ注意】
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