幼いころから父に虐待され、母は薬物中毒という両親を持つ少年・芥生リクは借金取りの元プロボクサー・所沢京介と出会い、ドン底の人生に自らの生きる道を見出す。
理不尽に満ちたこの世界で、人は何をよすがに生き抜くのか。戦うのか。人生という茨の道を歩む芥生リクの拳闘ストーリー。
少年には何もない。その拳以外は。
登場人物紹介
芥生 リク(あざみ リク)
本作品の主人公。父親は多額の借金を抱えており、母親は家を出てヤクザの愛人となって薬物中毒という悲惨な家庭環境で育ち、以前より父親に虐待を受け続けていた。元ボクサーのヤクザである所沢との出会いや児童養護施設での生活を経てボクシングジムに入会し、プロボクサーへの階段を上る。
所沢 京介(ところざわ きょうすけ)
リクの父親の借金取りをしていた元ボクサーのヤクザ。リクの憧れの相手であり、ボクサーを志すきっかけとなった人物。 現役時代はOPBFチャンピオン。
馬場 進司(ばば しんじ)
所沢や柳を育てた馬場拳闘ジムの会長。指導者としての腕は確かだが、選手をしごく指導法で潰された選手も数多く、時代遅れと揶揄されている。
苗代 ユキ(なえしろ ユキ)
リクの幼馴染で同じ児童養護施設で生活している天涯孤独の少女。幼少時からリクに一途な想いを寄せている。
兵動 楓(ひょうどう かえで)
元世界王者の父を持つ高校生の天才ボクサー。兵動ジム所属。リクに強い興味を抱き、ライバルとなる。産褥で母親の死の原因となったため、幼少期より実父の秋人からはまともな愛情を注がれず、複雑な父子関係を持つ。
菊池 勝也(きくち かつや)
リクのデビュー戦の相手となった崖っぷちのライト級プロボクサー。
三瀬早 翼(みせはや つばさ)
リクのクラスメイトで、高校生ボクサー。高校国体4位の実力を持つ。スポーツ・学業ともに成績優秀でクラスの人気者だが、幼少期から何をやっても上手くこなせることから自己陶酔の激しい性格となり、心の中では友人を含め周囲の人間を徹底的に見下している。
石蕗 幸次(つわぶき こうじ)
ライト級プロボクサー。鬱屈した思いを秘めハングリー精神を研ぎ澄ませて努力を重ねている。
椿 和馬(つばき かずま)
兵動ジム所属のプロボクサー。楓の先輩で、現日本ライト級チャンピオン。そのパンチの切れ味から『ジャックナイフ』の異名で呼ばれ、カウンター戦法を得意とする。
三原 雄一(みはら ゆういち)
兵藤ジム所属のプロボクサー。日本ライト級5位。気さくで面倒見の良い性格。
エドガルド・ガーベラ
菫(すみれ)ジムに所属する、新進気鋭の白人ボクサー。アメリカのスラム出身であり、『ブルドッグ』の異名を持つ。
伏黒 一希(ふくろ かずき)
菫ジム所属のプロボクサー。職業は警察官で、三原の妹・ナズナの同僚でもある。守りのボクシングが持ち味。
柳 涼太郎(やなぎ りょうたろう)
菫ジム所属のプロボクサー。『射撃手(スナイパー)』の異名を持ち、8年前当時はOPBFライト級王者で世界王座に挑戦した経験もあるベテラン。かつては馬場拳闘ジムに所属していたが、タイトル戦を目前にして大手の菫ボクシングジムに移籍するなどの裏切り行為を働いた。
水木 隆寛(みずき たかひろ)
日本ランク4位のプロボクサー。水木グループ社長の御曹司。金には全く困っておらず、ボクシングにはビジネス以上の想いを懸けている。
劉 衛鳳(りゅう えいほう)
OPBFライト級ランキング11位の中国人ボクサー。兵藤会長が気に入っている選手の一人。
神代 晴司(かみしろ せいじ)
WBCライト級アジア王者で、神奈ジム所属。トレーナーでもある姉のユカリと二人三脚でのし上がった天才肌のボクサー。
ホセ・リナレス
アマチュアボクシング金メダリストにして世界ランク3位のカウンターパンチャー。体格と才能に恵まれた天才型。
アラン・セデニョ
OPBFライト級ランキング2位のプロボクサー。フィリピンの英雄。
デイヴィッド・カーン
WBCで3階級制覇を成し遂げたイギリスの最強王者。
芥生 春子(あざみ はるこ)
リクの母親。葉桜の愛人となって薬物中毒となっていた。
江原(えはら)
児童養護施設の女性職員。リクを保護し世話をしていたが、トラブルに巻き込まれる形でリクの目の前でヤクザにレイプされ、施設を退職した。
葵(あおい)
石蕗の恋人。『レナ』という源氏名で風俗嬢をしている。
三原 ナズナ(みはら ナズナ)
三原雄一の妹。職業は婦人警官で、伏黒の同僚でもある。自分の意思があまりなく、何をするにも兄を頼りにしている。
土井(どい)
馬場拳闘ジムのトレーナー。
雨宮(あまみや)
清掃会社の経営者で馬場の友人。馬場の働きかけでリクを雇い、賃金と社宅を提供する。
森本(もりもと)
雨宮が経営する清掃会社の社員でリクの先輩。口は悪いが面倒見が良く、後援会の立ち上げにも関わっている。
兵動 秋人(ひょうどう あきと)
兵動楓の父親で兵動ジムの会長。現役時代はWBCライト級王者(8回防衛成功)にまで上り詰めた天才ボクサー。世界王座陥落後、巻き返しを図って当時のOPBF同級王者の所沢に挑んでKO負けを喫し引退した。
神代 ユカリ(かみしろ ユカリ)
晴司の姉でトレーナー。セコンドも務める。傍若無人な弟の手綱を握れる唯一の存在。