主人公の青年セイは自殺未遂を繰り返した末に、「生きる義務」を放棄した意思を示す書類にサインをする。
病院のベッドの上で意識を失ったセイは、目が覚めた時、自分がまだ生きており、そして自分と同じ自殺未遂者たちが周囲に何人もいることに気付く。
そして、ここが自殺を繰り返す“常習指定者”が送り込まれる島「自殺島」であることを知る。
その直後、絶望して飛び降り自殺をするグループが現れ、落下して死に損ねた者のおぞましい姿を目の当たりにし、ひとまず自殺することを踏みとどまる。
死ねないならば生きるしかない、矛盾を抱えた彼らのサバイバル生活が始まる。
日本近海の孤島を舞台に、政府によりこの島に送りこまれた自殺未遂常習者達が、命の意味と向き合いながら生きていく物語。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
自殺常習者たちが捨てられた島
年々増える自殺者、その費用が支えきれなくなったため、国は自殺の常習者たちを島流しにし、その島は「自殺島」と呼ばれる。
そんな噂がネット社会で流れる頃、19歳のセイはオーバードラッグとリストカットで自殺を図り、病院に運び込まれた。
自殺を何度も図っては失敗したセイには常習者という指定がついており、セイは医師の説明のもと、自らの意志によって生きる義務と権利を放棄する書類にサインする。
社会にも家にも居場所はなく、全てから自由になりたいと願って自殺を図り続け、今ようやく楽になれる―。
安堵しながら眠りについたセイ。
しかし目を覚ました時、セイはなぜか見知らぬ島におり、横には同じように憧れの英子先輩にも似た綺麗な女の人が横たわっていた。
周囲には同じように目を覚ました自殺常習者たちが状況を飲みこめないでいる様子。
そして近くに立ててあった看板には、次の内容が書かれていた。
・生きる義務と権利を放棄した常習者たちは日本本国では死亡した扱いとなってこの島に隔離されることになった
・島と周囲1kmの海域では何をしても自由である
・周囲1km以上の周辺海域に侵入した場合は領海侵犯となり、生命の保証はしない
こここそネットで噂になっていた「自殺島」、何をするも当事者たちの自由意志に任された世界なのであった。
こんな形では死ねない
状況を把握し始めた常習者たちの中には、死にきれなかったことに絶望して早くも飛び降り自殺をする者が続出。
目の前で死や大ケガを負う様子にパニックが起きかけるなか、漢気のあるリョウという青年がリーダーシップを発揮し、皆を落ち着かせた。
まずは落ち着いて考えるために飲み水を確保することとなり、近くにはかつて人が生活していたことを示す売店などもあるが、中はボロボロで白骨化した死体もある状況。
飲み水を確保しようにもアテがない一行。
そんなとき、セイと面識があり博識なカイが声を上げ、見晴らしのいい海岸沿いを歩いて川を探すことに。
理性的で思慮深く、皆の相談にまで乗っていたカイがなぜ自殺常習者としてこの島に来ることになったのか、セイはまだ疑問に持ち続けていたが、カイは「希望を持つことに失敗した」とこぼす。
死にたいと願っていた一行はいつの間にか「こんな形では死ねない」という思いを抱え、渇きに耐えながら生きるために海岸沿いを歩き続ける。
そして無事、河口を見つけて飲み水を確保することに成功するのだった。
最初の夜を迎える
水分を補給し、これからどうするかを話し合う一行。
カイは生きるためには協力して原始的な狩猟採集生活をしなければならないことを冷静に伝え、グループのなかでリョウとカイがリーダーとして認識され始める。
そして沢を登ったところにあった廃校を拠点とし、初めての夜を迎えた。
すると自暴自棄になった者らが暴走を始め、淫らな行為に耽った後に心中しようと考える者が現れ始める。
治安は保証されていないなか、邪な考えを持つ男が目をつけた女性を襲おうとし、セイは最初に横にいた美人を一緒に襲おうと声をかけられる。
セイは男らを止めようとするも、力尽くで止めることもできない。
助けることもできずただ襲われるのを見ているしかないかと思った矢先、駆け付けたリョウが男たちを止めた。
美人が襲われそうなところを見て身体は興奮していたセイは、結局自分がどうしたかったのかもわからないまま、自分のしたいことを押し通す意志も力もないことを思い知るのだった。
死ぬ勇気が出なかった2人
気が付くと朝になっており、ふと屋上に足を運んだセイは飛び降りようとしている美人に遭遇する。
セイが思わず声をかけると、その美人は「勇気が出ないから一緒に飛び降りてほしい」と誘ってくるが、2人とも死の恐怖を前に飛び降りることはできず。
ただ理由はどうあれ、手を差し伸べられたことをセイはうれしく感じるのであった。
グループとしての生活が始まる
島に着いて3日目、セイたちは本格的に狩猟採集生活を始める。
バナナの木は探せばそれなりにあり、網小屋やダイビングショップで見つけた物資を使えば漁もできそうだ。
少しずつ前向きになってきた一行。
しかし中にはどうしても死にたいという願いを抑えることができず、自殺に走る者も出続ける。
死にきれず生にしがみついていることに苛立ちを募らせ、さらになかなか漁のコツが掴めないことにもストレスを感じながら、試行錯誤の生活。
なんとか魚を取ることに成功し、その夜には生活を安定させるための方針を考えることになった。
冷静な杉村(スギ)の提案で、海水を利用した塩田で塩を確保するグループと島内を調べるグループに分かれて翌日から行動することとなる。
そして女性陣からはグループの中に無理やり迫ってくる不届き物がいるという報告がなされた。
カイは「ここに法律はなく、ルールを取り締まる機関も余裕もないため当人たちで解決すべき」と突き放すが、リョウは「自分の個人的な感情としてそうした強要行為は許さない」と宣言。
グループの精神的支柱である2人の反目は避けるべきと考えるなか、遠くの海岸には人がいることを示す煙が立ち上っているのが見える。
そうして夜が更けていくのだった。
変わらなければ生きていけない
翌日、いまだにグループに貢献できていないセイは、帽子を被った小太りの男(ボウシ)に「同じ持たざる者同士仲良くしよう」と声をかけられる。
リョウのように体力やリーダーシップも無ければ、カイやスギのような知識・判断力も、美人のようにルックスがいいわけでもない。
彼らとは違い、何かを期待しても結局は傷つくだけ、という言葉が刺さり、それを否定するために考えるセイ。
ふと顔を上げるとシカの群れが沢に来ており、セイはその生気に満ちた美しい姿に目を奪われた。
その後島内の奥を探索することとなったセイは、別の生存者と遭遇。
飢えていたその男に威圧されたセイは抵抗できず、その男は結局仲間として迎え入れられることとなる。
ボウシの言葉や、自分を威圧してきた男など、嫌な出来事も少しずつ増え、セイは再び自殺を考えるものの、それを押し通す覚悟もない。
「動き出さなければいけない」
セイはそう強く感じるのであった。
鹿に憧れ、狩りに挑戦する覚悟を固める
数日の不漁によって食糧事情が急速に悪化し、険悪になったグループはバラバラに行動することが多くなっていった。
そんななか、セイはシカを追うことを日課とし、その行動の規則性を読むほどになっていく。
「もう一度あの生気に満ちた存在に触れたい」
セイのその言葉を聞いた美人もセイの言葉に興味を持つようになる。
しかしそんなんか、グループではバナナの束が誰かに盗まれる事件が発生。
グループ内に不協和音が発生し、人数が揃わないために漁もできないという悪循環に陥ってしまう。
食糧を探すため、沖縄出身のトモが率先して食べられる野草の知識などを共有。
人間同士が裏切って争いをするなか、セイは生きることに純粋なシカの姿に憧れを深めていくように。
そして息苦しかった元の社会から離れ、シカのようにただ真っすぐに生きることを見つめ直したセイは、自分を変える挑戦に乗り出す覚悟を固める。
その手には試行錯誤しながら作った狩猟用の弓が握られているのであった。
【1巻のまとめ】
生きる義務を放棄し、自殺を繰り返す「常習指定者」たちが送られる島、通称「自殺島」。
主人公のセイは自殺未遂の末、病院のベッドからこの島へと送り込まれた。
そこに待っていたのはセイと同じ自殺未遂者達。
死ねなければ、生きるしかない。
いま、彼らの極限サバイバルが始まるのだった。
次巻へ続きます。
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