50年前、とある少女が暴行を受けて殺害され、遺体をバラバラにされるという凄惨な事件が起こった。
これを発端に、ある高校ではその犠牲者が死霊「赤い人」となり、生徒の肉体を八つに分割するという怪談「赤い人の呪い」が語り継がれるようになった。
これは身体を分割された生徒が、校舎内に隠された自分の「カラダ」を集めて欲しいとほかの生徒に頼むという内容で、すべての「カラダ」を集め終わるまでは時間が巻き戻り、何度もそれを繰り返すことになるというルールだった。
11月9日、森崎明日香、伊勢高広、柊留美子、浦西翔太、杉本健司、鳴戸理恵の6人前には不気味な雰囲気をまとった同級生の三神遥が出現し、「カラダを探して」と依頼してきたことで6人は「カラダ探し」に巻き込まれることとなった。
当初は半信半疑の6人だったが、その後すぐに校舎内で「赤い人」に遭遇し、全員が惨殺されてしまう。
死ねばまた9日の朝に巻き戻り恐怖のデスゲームが繰り返されるなか、次第に男子たちは互いに敵対して険悪な空気が。
明日香たち女子は結束して行動するが、健司が理恵を襲う事件が発生し、その後も半狂乱状態で仲間を襲うようになった健司がハブられることに。
カラダ探しを続けるうちにロープがあれば屋上から下に降りられる、つまり校舎の外も捜索対象となり得ること、そして放送室に入ろうとすると問答無用で「赤い人」を呼ばれてしまうことが判明。
そして明日香たちは旧校舎でカラダ探しの経験者である八代先生と出会い、50年前に起きた凄惨な事件の被害者である小野山美子が「赤い人」そっくりの容姿をしていること、美子には姉の美紀がいたこと、美子を殺したとされる山岡泰蔵という男とその弟である雄蔵の存在を知る。
心強い味方ができた一方、ますます様子がおかしくなり仲間を襲い始める健司は山岡泰蔵に憑依されていることが明らかとなる。
ところがおそらく、過去の凄惨な事件の真犯人は泰蔵ではなく、泰蔵を日常的に虐待し罪までなすりつけた弟の雄蔵。
泰蔵に憑依された健司も「赤い人」に殺されるなど、カラダ探しが進むにつれて新たな謎が増えていく。
そんななか、明日香にずっと好意を抱いていた高広は明日香に想いを伝え、明日香は両想いながらもカラダ探しが終わったら答えると約束するのだった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
いよいよ旧校舎の捜索へ
明日香の手を取って何者から逃げる高広。
しかし明日香の手を取っていたのは実は高広ではなくカラダ探しを依頼しに来た遥であり、後ろから追いかけてきたのが高広だった。
今回も遥から逃げることはできず、9回目のカラダ探しが始まる。
健司と赤い人が徘徊するなか手分けして新校舎を捜索する一同。
しかし捜索が進み大職員室で合流しても残り3つのカラダは見つからず、探していないのは旧校舎か開かない放送室しかない。
全て見つけきることができるか不安が残るものの、健司を除く5人が団結して旧校舎を目指すこととなった。
明日香と高広は旧校舎へ行くルートとして3階の屋上からの方が楽である可能性に気付き、体育館から綱引き用の綱を持ってきて準備を始める。
ところが3階の屋上は見えない壁に阻まれて柵の向こうに行くことができず、協力してもともとの屋上へと移動。
以前健司と明日香が屋上から飛び降りたことから、ここからなら降りられることは確実。
明日香、高広、翔太の3人が旧校舎の捜索、そして留美子と理恵は3人が探し出したカラダを引き上げてホールの棺に収める役を担当することとなるのだった。
残り2つのカラダが見つからない
旧校舎に足を踏み入れた3人は、異様に重くて冷たい空気に包まれる。
職員室で明日香は机の下に隠れていた、赤い人と同じ目をした少女に遭遇。
その少女は血まみれではなくただ赤い服を来ており、すぐに消えてしまった。
それはおそらく、赤い服を取り合って美子と喧嘩していたという、姉の美紀。
するとその近くに本物の赤い人が出現し、高広が囮となって引き付けるなか、明日香と翔太が一気に旧校舎を捜索していく。
明日香が無事に左腕のカラダを見つけて留美子と理恵に引き渡したが、どうしても残り2つが見つからない。
旧校舎を探し終えたところで明日香は囮役を交代し、高広と翔太に再びロープを登って新校舎に戻ってもらうことにする。
ところがこのとき既に留美子と理恵は健司に見つかって殺されており、高広と翔太も健司によって落下死。
明日香も赤い人に捕まり、今回も失敗に終わるのだった。
カラダが集まった分、世界にも異変が大きくなる…？
10回目の11月9日、周囲の違和感が明らかに大きくなってきていることに明日香たちは気付く。
明日香たちが遥の昔の記憶が混濁するなか、生気を取り戻した遥はクラスに溶け込んでいるのである。
謎がまた増えるなか、明日香たちはスタート地点である生徒玄関をまだ調べきれていない可能性に気付きつつ、八代先生に再び話を聞いてみることに。
自分たちにカラダ探しをさせているのは誰なのか、またカラダ探しを終わらせたとき、カラダ探しを頼んでいた人はどうなるのか。
八代先生はカラダ探しを誰に頼まれていたかは思い出せないが、クラスメイトの中に知らない顔は無かったと告げる。
つまり、その人物の記憶が刷り込まれたか、その人物は消えて記憶も全て消えて無くなったかとどちらか。
釈然としないが、明日香たちにとっては遥は消えるか、クラスの一員として当たり前に存在し続けるかのどちらかでしかなく、考えるだけ無駄ということはわかった。
そして10回目のカラダ探しが始まるのだった。
赤い人にしがみつかれた健司が高広と明日香に迫る
開始早々に二手に分かれ、健司と赤い人の動向を見ながら玄関の捜索を狙う作戦。
しかし高広と明日香の方に赤い人が出現し、さらに健司までもが2人に接近する。
教室で追い付かれ、高広は明日香が赤い人を見ないように配慮しながら先に逃げるよう指示。
そのとき赤い人は健司の背中にしがみついて唄っている状態なのだった。
【5巻のまとめ】
旧校舎の捜索まで済ませたものの、残り2つのカラダがどうしても見つからない。
さらにカラダが集まるにつれて目覚めたときの世界も大きく変化し、いつの間にか遥がクラスの中心になった一方でカラダ探しをしている6人の存在感がどんどん薄くなっていく。
自分たちにカラダ探しをさせているのは誰なのか、またカラダ探しを終わらせたとき、カラダ探しを頼んでいた人はどうなるのか。
予想がつかないまま10回目のカラダ探しが始まり、明日香たちは手分けして残る2つを探し回るのであった。
次巻へ続きます。
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