結城はわだつみ号を操縦し、田所達が潜った海底へ再び向かった。
わだつみ号は異常な現象に巻き込まれ危機に陥るものの、これに備えていた中田の機転でケルマディック号と小野寺によって秘密裏に救出される。
田所達と山城名誉教授たちが得たデータを基に、田所はついに日本の行く末について結論を出す。
それはたった342日後、日本列島の大部分が海面下に沈むという衝撃的なものだった。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。
首都壊滅
2月7日午後5時過ぎ。
世界有数の人口密度を誇る東京――かつて神戸で起きた地震の10倍の人口を抱えるこの巨大都市に、再び大震災が襲いかかった。
21世紀初頭、政府が想定した死者数は1万1000人。
しかし、高速移動する車や電車が大量に行き交う現代の巨大都市で初めて経験する超巨大地震は、想定をはるかに超える500万人もの命を奪った。
どうにか逃げ延びた人々が集まる避難所を、火災旋風が襲い焼き尽くす。
放置された車は燃料缶と化し、炎に勢いを与えた。
巨大津波は燃料タンクと化したタンカー類を内陸へと運び込んでいく。
古い街並みは倒壊した家屋が木片の山と化し、至るところで着火点となっていった。
すべてを焼き尽くした炎は積乱雲を発生させ、やがて雨が降り始める。
皮肉なことに、この雨は多くの火災を鎮火させたものの、真冬の寒さに凍える生存者たちを打ちのめしていった。
関東大震災から世界有数の都市へと復興した東京は、再び戦後直後の姿へと戻ってしまったのだ。
混乱の中の悲劇
新宿のビル倒壊で被害を受けた居酒屋・雑種天国。
炊き出しを行う仮店舗の前には、長い列ができていた。
そんな中、最近働き始めたシュンジは、一度帰省することにしていた。
変わり果てた都内を歩いて、交通機関が動いているところを目指す。
その途中、足を痛めて動けなくなっていた貴子を見つけてしまう。
混乱のさなかで男性に襲われかけていた彼女は、シュンジを激しく拒絶する。
半ば強引に貴子をおぶって家へ送り届けようとする中、窃盗や強奪が至るところで行われていた。
それでも何とか夜を無事に過ごした2人は、貴子の実家付近へたどり着く。
そこは他の地域よりも幾分か被害が少なく、まだ活気が残っているように見えた。
自宅の無事を確信した貴子だったが、自宅はがれきの山へと変わり果てており、正面には2人の遺体が安置されている。
貴子は寝かされている父と母へ、新宿で買い求めた結婚記念日のプレゼントを捧げ、シュンジに礼を述べた。
シュンジは貴子から借りた自転車で地元を目指す。
そんな中、シュンジは突然体当たりを受け、倒れたところを取り押さえられた。
自警団を名乗る集団が目の敵にしている「治安を乱す連中」に、背格好が似ていたのだ。
小さな英雄気取りの正義感を暴走させた集団によって、貴子を救った一人の若者は、命を奪われることになった。
救済と警鐘
被災地には、きわめて迅速で効率的に災害支援のリソースが集められつつあった。
それを実現しているのが、突如インターネット上に現れた民間災害支援組織案「D計画」だ。
それは京都で被災した六郎が立ち上げたもので、緻密なマニュアルによって物資と人材を最大効率で現地へ届けていく。
さらに六郎は、大正関東大震災でも起こった、平時では考えられない正義の暴走による悲劇を懸念していた。
今狙われているのは、社会的弱者のように見える「無職らしき若者」だ。
シュンジは、まさにこの基準に運悪く該当してしまったのだった。
六郎は徹底した対策を取り、ほとんど祭りと化している熱狂を鎮めることにも成功する。
地震が原因とは思えない数々の死を前に、六郎はこれから日本がどうなっていくのか、その懸念は尽きることがなかった。
【6巻のまとめ】
夕方の東京を襲った地震は、死者500万人を超える未曽有の大惨事となりました。
倒壊と火災で戦後のような姿になってしまった都内は、犯罪と狂気に満ち溢れています。
そんな中、六郎が立ち上げた民間組織案「D計画」が迅速かつ効率的に救援リソースを分配していきますが、これから日本がどうなっていくのか、その懸念は尽きることがありませんでした。
【6巻の見どころ】
この巻の見どころは、東京を襲った未曾有の大地震が引き起こす惨状と、極限状態における人々の姿です。
倒壊や火災旋風で街が焼き尽くされ、命からがら逃げる人々が冷たい雨に打たれる描写は、読む者の心を締めつけます。
政府の想定を遥かに超える犠牲者――現代都市の脆弱性が容赦なく描かれています。
また、シュンジが貴子を守ろうとする姿と、正義を暴走させた自警団により命を奪われる結末は、混乱下の人間の脆さと恐ろしさを痛感させます。
善意の行動が悲劇に変わる瞬間――災害時の群衆心理の危険性が、生々しく描かれているのです。
一方で、六郎の「D計画」が登場し、効率的な支援活動と暴走する群衆心理への警鐘を鳴らす展開は、物語に新たな希望と緊張感をもたらしています。

次巻へ続きます。
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