優秀な潜水艦パイロットの小野寺は、新宿のビル崩壊に巻き込まれながらも自身の冴えわたるカンを頼りに、無事生き残ることに成功していた。
地球物理学者の田所は自身の調査と予感から未曽有の大災害を予知し、カンのいい人間を集めて日本海溝に潜ることを決意する。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。
疑念を抱く者たち
新宿の異変は依然として報道されないまま、しかし敏感な者たちは動き始めていた。
A新聞の記者・辰野もその一人だ。
彼が書いた新宿の記事は、出稿寸前で突如没になった。
最近の不可解な事件が不自然なほど静かに処理されている――辰野は独自の調査を開始し、密かに動く田所たちに接触を図る。
一方、休暇を終えた小野寺のもとに、新たな潜航依頼が舞い込んだ。
世界屈指のパイロットである彼には、時に指名での依頼が届くのだ。
この動きを察知した辰野は、小野寺の勤める海底開発株式会社へも取材を仕掛けていた。
深淵への降下
指名依頼の主は田所だった。
目的地は日本海溝の最深部。
詳細は一切告げられない強引な依頼だったが、小野寺は淡々と潜航を開始する。
田所の真の目的は、自らの恐ろしい予感を確かめること――海溝の底に、その答えがあるはずだった。
深度9580メートル。着底の瞬間、田所は前方に見える裂け目への降下を命じる。小野寺はわずかな違和感を覚えながらも、操縦を続けた。
深度10980メートル――世界記録を超えた闇の底で、彼らは信じがたい光景を目にする。
本来この深さには存在しないはずの、浅海でしか見られない乱泥流。
静寂であるべき深海底を流れるこの泥は、いったいどこから来たのか。
田所はサンプル採取を指示する。だが小野寺にとって、未知の現象に触れることは本能的な恐怖を呼び起こした。
危険を察知し離脱を主張する小野寺。
しかし田所は譲らない――この危険な任務を完遂できると見込んだからこそ、彼を指名したのだと。
身勝手な要求に憤りながらも、小野寺は冷徹なまでの集中力で操縦を続ける。
サンプルを回収し、迫る危機を回避しながらの脱出――極限の技術が要求されるオペレーションを成し遂げ、彼らは海面へと帰還した。
調査機を一台失い、機体は大きく損傷。小野寺は自分自身が傷つけられたような痛みを感じていた。だが田所にとって、このデータは誰かを犠牲にしてでも手に入れねばならないものだったのだ。
まさにその時、陸上では天城山が噴火の火柱を上げていた。
【2巻のまとめ】
新宿の事件は表沙汰にならないまま、しかし細かな異変に気づいた人々が独自に動き始めています。
小野寺は田所の指名を受けて日本海溝の最深部へ潜り、そこで常識では考えられない光景を目撃します。
命の危険を冒してサンプルを回収し、その任務を成功させますが、同じ頃、陸上では天城山の噴火が始まっていました。
【2巻の見どころ】
この巻の最大の見どころは、未踏の深海への潜航シーンです。
深度1万メートルを超える暗黒の世界で、ありえないはずの乱泥流が現れる場面は、自然の持つ不気味さと圧倒的な力を感じさせます。
危険を察知して離脱したい小野寺と、どうしてもサンプルが欲しい田所――この二人の緊張関係が、極限状況での人間ドラマを生み出しています。
理性と執念、恐怖と使命感のぶつかり合いです。

次巻へ続きます。
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