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迷宮勝負が決着!一方の梶は自らの力で無実を証明するために潜入作戦を決行『嘘喰い』14巻【ネタバレ注意】

~前巻までのあらすじ~

多重債務者の冴えない青年・梶隆臣はひょんなことから凄腕のギャンブラー・斑目貘と出会い、行動を共にするようになる。

さらに梶は命すら対価にするギャンブルや、それを成立させるために立会人を派遣する中立の秘密組織「賭郎」の存在を知り、廃ビルでの命懸けの脱出勝負に勝った貘は、全てを凌駕する暴力を持つ別人格の怪物・ロデムを宿すマルコを仲間に加え、賭郎の会員権や大金を得た。

賭郎の会員権を梶に譲った貘はさらに賭郎の能輪立会人の手配で新たな賭郎勝負の場を設定してもらうこととなり、貘と顔なじみである立会人の夜行妃古壱が梶の専属につくなか、富士山中のトンネルでテロリストの佐田国との賭郎勝負に臨む。

この勝負を制し、お屋形様と取引した貘は再び賭郎会員に復帰した。

しかしその裏ではお屋形様の思惑通り警察以上の力を持つ新組織成立へと動き始めており、さらに賭郎の乗っ取りを企む米国の犯罪組織「アイデアル」も実行部隊リーダーである暗殺者カラカルが暗躍する。

梶は警察とグルになって未解決事件の犯人をでっち上げるための迷宮ギャンブルに何も知らないまま負け、重大事件の日のアリバイを奪われてカールや伽羅と共に潜伏生活を送ることに。

しかし梶がハメられたことを知った貘はこのゲームの仕組みを逆手に取って自分が屋形越えに失敗した事実を無かったことにし、さらにイカサマを読み切って勝利を手繰り寄せ、貘は梶が取られたアリバイも含め、合計11億円とこの迷宮ギャンブルに関与していた警察関係者の名前として天真という男の名前を得た。

だがその刹那、貘の命を狙ってその天真とその部下である密葬課の箕輪が現れる。

貘も有事に備えてマルコを呼び寄せており、互いの思惑がぶつかり合うなか、この迷宮ギャンブルの関係者のデータが入ったLファイルを賭けて門倉が仕切る実物の迷宮がスタート。

門倉と過去に因縁のある警視正の南方も勝負に介入し、迷宮に罠を仕掛けていたが、南方が仕掛けた罠を潜り抜けた貘は、天真の能力「色聴」を見抜いて見事に流れを支配した。

勝利を目前にした貘だが、箕輪との壮絶なバトルで瀕死となったマルコを発見し足を止めてしまう。

他方、ターンが回った箕輪と遭遇したことで貘がゴールしなかったことを知った天真は自分の勝利を確信。

しかし思わぬ展開が待ち受けているのだった。

 

14巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。

怪物と化した箕輪

箕輪にターンが回ったということは、あとは箕輪をゴールに導けば勝ちが確定する。

安堵する天真だったが、瀕死の箕輪の様子がおかしい。

箕輪は幼いころから特別な子として母からプレッシャーを受けており、その体質からひたすら食べることを強いられて育ったが、今その箕輪は痛みと飢餓状態で我を失っていたのである。

道中でC3セルに罠が仕掛けられており、さらに天真がそれを自分に伝えなかったことから天真への不信感も抱いていた箕輪。

適当に1ポイントを提示して引き分けようとした天真に対し、箕輪は持っていたポイント全てを提示して天真を裏切る。

そしてMタイムで天真を文字通り「食う」ことで殺し、さらに進んだ先で貘と遭遇するのであった。

貘と箕輪の勝負に門倉自ら立ち会う

貘と箕輪、この迷宮ギャンブルで最後の勝負とあり、門倉が自ら立ち会う。

いま貘の傍にマルコはおらず、貘にとっては天真との勝負後に稼いだわずかなポイントを使って箕輪に勝つしかない。

それでも両者ポイント提示の結果、貘はポイントに余裕を持たせて箕輪に1ポイント差で上回る神がかった読みを見せた。

ルールを無視して襲いかかろうとする箕輪に対し、門倉が粛清に出るのであった。

門倉が重傷を負うも箕輪を粛清、貘の勝利で決着

貘は予め黒服とシャツを交換した際に保険として盗聴機を仕掛けており、いつの間にかシャツの袖を通してケータイから運営側の音声を傍受していたことで、箕輪の提示ポイントを把握していた。

門倉は戦いの最中にそれに気付くが、気を取られた一瞬の隙を突かれて箕輪の打撃を頭部に受けてしまう。

重傷を負い朦朧とする門倉は、死力を尽くして箕輪を粛清。

倒れる寸前に門倉は貘の勝利を宣言し、天真も箕輪も死亡という凄惨な結果で決着となる。

そしてマルコは奇跡的に回復し、貘のもとに戻ってきたのだった。

妃古壱と伽羅のコーヒー勝負

妃古壱はカフェのオーナーをしているにも関わらず、自身の淹れるコーヒーは不味い。

妃古壱のカフェで作戦会議をしていた梶・カール・伽羅の3人だが、伽羅は妃古壱のコーヒーの不味さをこきおろし、2人でどちらが上手いコーヒーを淹れられるか勝負することに。

負けた方が1つ相手の言いなりになるという条件で競うが、2人のコーヒーは共に甲乙つけがたい結果となり、代わりに淹れた梶が優勝。

実は梶は伽羅のカップには表面に味を不味くするものを塗っていたが、妃古壱の方は何もせずとも不味かったようだ。

ともかく、遊びとはいえ伽羅と妃古壱に何かお願いする権利を得た梶。

これが後に活きることになるのであった。

事件の犯人に迫る梶

初めは弱々しかったが、いつしか弱さを克服して自らの力で道を進もうとするようになった梶。

梶は貘に頼らずとも自分になすりつけられた事件を解決することを決心し、貘からのメールでールで得た真犯人の情報をもとに、カールを連れて行動に出る。

狙うのは大手金融会社の社長、羽山紀明

政界にも裏社会にも繋がりを持つ人物である。

妃古壱の更なる調査でこの男こそが事件の真犯人だと踏んだ梶は、まず事件の関係者しか知らない情報をバイク便で送り付け、反応や自宅周辺を偵察。

バイク便に応対したのは息子の郁斗と思わしき若い男であり、セキュリティも甘いと推測した梶は作戦を決行に移す。

しかしこの日、羽山の家には別の来客があり、梶はとんでもない勝負に巻き込まれることとなるのだった。

真犯人をハメに行く梶だったが、想定外の来客が…

羽山の家を訪れていたのは、鞍馬蘭子とレオ。

事件で善人や女子供すらも手にかけられたことを知った鞍馬は、裏社会の人間ながら自分の矜持に反するとして、羽山との関係を解消しに来ていた。

梶の作戦は警察の関連を知る人物を演じて真犯人である羽山に接触するというもの。

しかし応対したのは郁斗であり、さらに家に足を踏み入れたところでレオと遭遇してしまう。

レオは梶が貘の仲間であることを知っているが、梶はレオのことを知らない状態。

郁斗に案内されるがまま奥に通された梶は、郁斗から「カップラーメンを作る3分の間に用件を言え」と迫られる。

レオが突っ立っているだけであることや郁斗の言動から、父親が今別の来客対応中であること、さらに郁斗がバイク便の中身を父親に渡していないことから、真犯人は父親の名前を勝手に使っている郁斗であることを見抜いた。

郁斗が賭郎を知っていることを察知すると、梶は「迷宮ギャンブルにエラーが生じ身柄の安全が保障できなくなった」と切り出す。

自らを代行処理屋と名乗り、自分が警察から秘密裏に依頼されて全ての責を背負うことになったとしつつ、「犯人をでっち上げるために決定的な事件の証拠を渡してほしい」と依頼。

さらに安心を提供するため、賭郎勝負に負ければ郁斗の罪を自分が被るとし、賭郎会員権もつけた勝負を提案する。

郁斗にとっては勝てば無罪と賭郎会員権を、負けても差し出した証拠を使って梶が事件の処理をする、というどちらにせよ得な状況に見せることに成功。

タイミングを合わせて立会人に扮したカールが姿を見せ、梶は予め用意していたイカサマの勝負へと繋げるのであった。

郁斗に仕掛けたイカサマゲーム

あくまで公平に見えるように誘導しつつ、トランプを使ったゲームに誘導するカール。

梶が全て表向きになったカードから互いに5枚ずつ抽出して役を作るポーカーを提案すると、郁斗は「役が引き分けでも梶の負けにするならそれでいい」と返す。

一見梶に不利な条件だったが、梶は予めこのゲームには先攻に必勝法があることを知っていた。

渋るように見せながら条件を受け入れ、あとはカールが手心を加えて梶を先攻にするだけ。

カールが先に郁斗が持つ証拠品の確認を要求すると、郁斗は殺した一家3人の歯で作った入れ歯を披露した。

そして郁斗が明かした犯行動機は、一家の父親である教師に身だしなみについて説教をされたことへのただの逆恨み。

あまりにも身勝手な犯行動機に同情の余地はなく、梶は叩きのめすことを決意する。

カールの取り計らいで梶が先攻でゲームが始まり、早々に郁斗はハメられたことに気付くのであった。

【14巻のまとめ】

迷宮勝負に勝利し、天真から11億とLファイルを獲得した貘。

他方、梶は自らの力で無実を証明すべく立ち上がり、貘から得た情報で殺人事件の真犯人と思われる羽山紀明邸へと潜入する。

しかしそこで対応した羽山の息子・郁斗こそが真犯人であり、梶はカールを偽の立会人として事件の証拠を奪うためにイカサマゲームを持ちかける。

作戦は順調に進み郁斗をハメることに成功するが、この日は羽山宛に鞍馬とレオも来客として来ており、梶はこの後とんでもない展開に巻き込まれることとなるのであった。

次巻へ続きます。

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