そのころ小野寺は田所の指名で日本海溝の底へ調査に向かう。
そこで本来ありえないような光景を目にし、さらには命を危険にさらしてまでサンプルの回収を試み、成功させる。
一方そのころ陸上では天城山が噴火していた。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。
新年の夜明け
日本海溝の調査を終えた小野寺は、大晦日の夜、玲子と飲みに出ていた。
楽しそうに杯を重ねる玲子とは対照的に、小野寺の表情は晴れない。
しかし玲子は、小野寺がうまく言葉にできない想いを抱えていることを察しながら、そばにいてくれていた。
年が明け、玲子に誘われて初詣に向かう小野寺。この元日が、日本にとって運命の一年の始まりになるとは、まだ誰も知らない。
相模湾へ初日の出を見に行くタクシーの中で、小野寺はふと気づく。玲子と話している間だけ、自分を押しつぶしそうな重圧を忘れていられることに。
日の出を待つ群衆の歓声が上がる。
小野寺は自分に言い聞かせた――日本海溝で見たもの、天城山の噴火、それらをひとつながりに考える必要はない。
今この瞬間、不吉な予感など感じなくていい。
玲子もまた、どこかで気を緩めたかったのかもしれなかった。
だが、二人が心の奥で感じていた胸騒ぎは、現実となる。
小さな揺れの直後、湾の向こうで三原山が大爆発を起こした。
相模湾に集まった100万人に迫る群衆――人命救助のプロである玲子は、火山噴火以上の惨事を瞬時に想定してしまう
海岸へ降りて避難誘導をしようとする玲子を、小野寺は止めた。
今いる橋の上でさえ、安全とは言い切れないのだ。
日付、場所、災害心理――あらゆる悪条件が重なった結果、相模湾地震津波は関東大震災をはるかに超える21万3000人もの犠牲者を出す未曾有の大災害となった。
すぐに救助へ向かおうとする玲子を、小野寺は見送るしかなかった。
自分にできるのは、二次災害の被害者にならないよう、その場を離れることだけだったから。
秘密計画の始動
官房長官・廣田は、相模湾地震津波の対策本部会議を主導し、再び各分野の専門家を招集した。
権威を重んじるT大の山城名誉教授と、直感と現実を重視する田所――二人の相性は最悪に近い。
会議は紛糾する中、田所は緒形総理に日本の壊滅すら想定すべきだと進言した。
裏で渡が暗躍する一方、総理は表の立場を崩さない。だが廣田官房長官は、密かに別の計画を進めようとしていた。
その頃、小野寺のもとに情報科学者・中田が接触する。田所と中田の依頼で、小野寺は災害調査の名目で相模湾の海底データを収集した。
しかし山城名誉教授が権力を行使し、海底開発株式会社は今後田所からの依頼を受けられなくなってしまう。
新型潜水艦ケルマディック号での大規模調査も、このままでは実行不可能だ。
だが中田は、渡の指示でケルマディック号を秘密裏に確保していた。
箱根の山奥――裏の権力者・渡のもとに、廣田官房長官たちが集結する。
政府が設立した中・長期災害対策委員会では、A~C室という三つの専門部門が公式に稼働し始めていた。
その陰で、廣田は田所を中心とした機密扱いのD室、通称「D計画」の発足を宣言する。
田所が必要としている小野寺に、中田が説得を試みていた。参加を決めかねる小野寺に、中田は相模湾の「次」を予告し、実際に自分の目で確かめてくるよう告げる。
一方、廣田はD室の設立を緒形総理に上申し、承認を得た。
相模湾から帰ってきた玲子は、いつもの居酒屋で小野寺を待っていた。
しかしD計画が秘密裏に始動したこの日以降、海底開発株式会社所属のパイロット・小野寺俊夫は、姿を消したのだった。
【3巻のまとめ】
小野寺は玲子と初日の出を見に向かった相模湾で、三原山噴火を発端とする大津波に遭遇します。
未曽有の災害を受けて政府は対策本部と委員会を設置しますが、田所の主張は公には受け入れられません。
しかし廣田官房長官は秘密裏に、田所を中心とした「D計画」を推進します。
参加をためらう小野寺を説得するため、情報学者の中田は相模湾の「次」に起こることを予言し、実際に確かめてくるよう伝えました。
【3巻の見どころ】
この巻の見どころは、相模湾での壊滅的な大災害と、それを契機に動き出す国家的な秘密計画です。
三原山の大爆発から津波へと連鎖し、関東大震災を上回る犠牲者を生んだ惨劇は、自然の圧倒的な力と、その前での人間の無力さを描き出しています。
その一方で、政府内部では田所の予感を軸に、廣田官房長官が極秘プロジェクト「D計画」を始動させます。
表の対策と裏の計画――日本の未来を懸けた動きが、静かに、しかし確実に動き始めるのです。

次巻へ続きます。
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