宮本青果店の店長の息子である宮本明は、謎の女青山冷との出会いで数年前に婚約者と共に行方不明になった兄が冷の故郷である彼岸島で生きていることを知る。
その島は吸血鬼たちに侵された島であり、冷も母と妹を吸血鬼たちに人質にとられていた。
明の兄と冷を助けるため、明は幼馴染のケン・ユキ・西山・加藤・ポンたちや知人たちを集めて彼岸島へ乗り込んだ。
吸血鬼たちの奇襲を受けながらも何とか兄の篤と再会を果たすが、血が不足したことで狂暴化した邪鬼とその邪鬼をもサイコジャックで手懐けるボス・雅が立ちはだかる。
2年前に雅を解放したことで全ての悪夢が始まった経緯をもつ篤が死闘の末に雅の首を切り落とすことに成功するも、強い生命力を持つ雅によって脱出は阻まれてしまう。
逃げ遅れていたポンも雅の手によって邪鬼のなりそこないである醜悪な亡者となって命を落とし、明はそのまま篤の師匠でもある島のレジスタンスのリーダーに弟子入りし、8か月が経つ。
レジスタンスの隠れ里で生き延びていたケン・加藤・西山・ユキの4人だが、ある日吸血鬼たちの襲撃を受け、ユキを含むレジスタンス数人が人質として拉致されてしまった。
師匠と篤とともにすぐに救出に向かう明は、狭い谷に差し掛かったところで地の利を利用して吸血鬼たちの一行を奇襲し、邪鬼と戦うことに。
一度は邪鬼を退けつつも、邪鬼使いの出現によって「太郎」と名付けられた邪鬼とともに追撃が始まる。
雅も手下たちを大勢連れて援軍に現れ、崖の上から一方的に襲われる絶体絶命の状況に。
それでも目の前に雅が現れたことを奇襲のチャンスと考えた明は、ポンの形見である拳銃で狙撃して雅を谷に誘い込む。
そして明が雅に戦いを仕掛けるのだった。
11巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
明が雅に噛まれてしまう
近接戦でも雅と対等に渡り合う明。
距離を詰めて噛みつきにきたところを上手く体勢を入れ替え、顔の半分を切り落とすことに成功する。
しかし傷口から雅の血が入れば一貫の終わり。
頬に負った傷を絆創膏で塞ぐ間に雅は再生し、明の斬撃をものともせずに掴みかかる。
そして明は雅に噛みつかれ、戦闘不能に陥ってしまうのだった。
篤が吸血鬼ウイルスに感染
明がやられ、絶対絶命の状況。
足を負傷しながらも篤が明の救出に名乗りをあげる。
二刀流で雅に挑みかかるも、万全ではない篤は劣勢に立たされボロボロに。
それでも諦めずに粘り、身体の痺れが収まってきた明と連携して、師匠が太郎を牽制している間に雅の不意を突く篤。
雅の左腕を切り落とすことに成功するが、逆に雅は滴る血で明を吸血鬼することを狙う。
篤は明に血がかかるのを防ぎながら隙を見て雅に一太刀を浴びせるが、これこそ雅の罠だった。
斬られる直前に篤の頬を爪でひっかき、そこに自分の返り血を大量に浴びせる作戦。
まんまと血を被ってしまった篤は、吸血鬼ウイルスに感染したのだった。
時間を稼ぐ篤
自分がまだ人間であるうちに明をケンたちに託し、自分が時間を稼いで逃がそうとする篤。
谷の出口を塞ぐ岩の上に太郎を落下させることができれば脱出口ができる…。
太郎の左足の付近の岩が脆くなっているところに気づいた明たちは、そこを弓矢で突き崩すことに。
しかしまだ篤の救出を信じる明は、太郎の落下先を出口の岩ではなく雅の直上にすることを狙うのだった。
目の前で雪崩に飲まれる篤と雅
明の放った矢によって太郎がバランスを崩し、落下が始まる。
何とか自力で踏ん張る太郎だが、滑って落ちるのはもはや時間の問題。
必死に篤に呼び掛ける明、しかし明の狙いを知った篤はあくまで明たちの脱出を優先し、自分ごと雅を串刺しにして時間を稼ぐ。
師匠は太郎を出口の岩に落として脱出口を開いた。
どうしても篤を諦めきれない明、しかし太郎の落下の衝撃で雪崩が発生。
篤は明に「雅の不死の謎を解いて殺せ」と告げ、雅と共に雪崩に飲まれてしまうのだった。
兄との別れを乗り越えて
篤を失いながらも隠れ里に戻ってきた明たち。
みな生きていることに安堵する一方、明は兄を失ったことへの心の整理をつけ、今度こそ雅を殺すことを固く胸に誓うのだった。
【11巻のまとめ】
雅に果敢に挑む明だが圧倒的な生命力を前に敗れ、明を助けるために仕掛けた手負いの篤が吸血鬼ウイルスに感染してしまった。
篤が身を挺して時間を稼ぎ明たちの脱出口を開くが、明たちの目の前で篤は雅と共に雪崩に飲まれてしまう。
兄の死を受け入れた明たちは、今度こそ雅の不死の謎を解いて仇を討つことを胸に誓うのだった。
次巻へ続きます。
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