若き書道家の半田清舟は、自作を酷評されたことに腹を立て書道展示館の館長を感情に任せて殴りつけてしまい、見かねた父によって自然豊かな五島へ左遷されてきた。
自分の家は村の子供たちである琴石なるや美和、タマなどの溜まり場と化しており、都会とは全く違う村の生活に振り回されることとなる。
なるの底なしの明るさや村人たちとの関わりによって少しずつ気持ちに整理をつけながら、自分を見つめなおすためのド田舎ライフが始まった。
島での生活に慣れ始めたある日、親友で画商の川藤が清舟に憧れる若き書道家の神崎と清舟を引き合わせ、成長やスランプからの脱却を促す。
村人たちとはすっかり打ち解け、なるとは家族同然のような絆が芽生え始めるなか、裏山で遭難しかけた際に新たなインスピレーションが沸いた清舟は、書展に出展する作品「星」を描き上げた。
清舟が単純に書展への出品と実家に荷物を取りに行くために一時的に帰っただけであり、人間としての成長を見せて書展の館長と和解を果たした清舟。
しかし書展の本番に向けては別の作品が必要となってしまい、館長からの期待のハードルが上がるなか、どうにか納得のいく作品を描き上げる。
結果は入賞圏外であったが、それは自分にとって一番大切に思っている村人たちの名前を描いた作品であり、村人たちの名前に合わせて「清舟」と自分の署名も書かれているのであった。
9巻のあらすじを振り返ってみましょう。
町民体育祭への出場が決まる
町民体育祭が近づき、隣の六ノ崎村に負けないために各種目の出場メンバーを練る郷長たち。
中でもメインイベントである年齢別リレーでは、昨年までは人手不足によりヒロシが4人分走っていたが、今年からは20代の代表として清舟がいる。
他の代も出場メンバーが決まり、ヒロシは1周だけで済む計算。
清舟が出場を受け入れるかどうかが課題だったが、状況を察した清舟は快諾。
郷長からの「もっともっと村の一員になるんだ」という言葉から引き受けた清舟は、走る練習からすることにするのであった。
ヒロシが長崎に到着
料亭での面接を翌日に控え、ヒロシが長崎へ出発。
1人で島から出たことのないヒロシは長崎は電車の切符を買って乗るのも手間取り、電話越しに清舟に助けられながら何とか目的地に到着した。
慣れない都会の中、ビジネスホテルで一泊して翌朝から面接会場へ。
そこは20人ほどの応募者がおり、その中でも女性から話しかけられるヒロシ。
その女性は社会人であり、昨年も応募していたらしい。
昨年は板前の合格者はゼロという狭き門をかけ、面接が始まるのであった。
ヒロシの初面接
集団面接でヒロシはさっきの女性と同じ組のなる。
厳しい質問と他の応募者からのそつない回答に圧倒され、ヒロシはまるで太刀打ちできず肩を落とす。
「尊敬する人は?」という質問に対して他の応募者が有名な料理人を挙げるなか、ヒロシの頭には咄嗟に清舟の名前を出した。
面接後は放心状態となるヒロシ。
しかし実はその料亭の社長は清舟の父・清明の大ファンであり、清舟の名前を出したことはあながち間違いではなかったことがわかると、首の皮一枚繋がったヒロシは清舟に感謝するのであった。
タマが応募した漫画賞の結果は…
タマが応募した漫画賞の結果が発表された。
だがタマのペンネームはどこにも載っていない。
落ち込むタマが家を飛び出すと、海辺て清舟と出会った。
清舟は雑誌に掲載されていた父の特集ページを破り捨てているところであり、タマは清舟に触発されて自分の感情を発散。
スッキリして次回を目指すことを決意したタマは、「あと一歩賞」として隅の方に自分のペンネームがあったことを知り、また漫画を描き始めるのであった。
清舟は走るのが速いのか?
体育祭のリレーで清舟が出ると聞いてなるたちは大丈夫か不安になる。
運動音痴の疑いがある清舟は走るのが速いのか確かめるため、あっきーが川藤に電話することに。
すると清舟は中学一年のときに走るのが得意な同級生(ダッシュ東野)に勝ち、東野が泣きながら地団駄を踏んでから本気で走るのをやめたことが明らかとなる。
ポテンシャルはあるが、結局今はどうなのかはわからない。
そして当の清舟本人は、体育祭で使う大量のゼッケンに清書する仕事でボロボロになっているのであった。
体育祭の年齢別リレー
体育祭が開催され、ゼッケンのために徹夜した清舟は寝ながら待機。
今年こそは六ノ崎に負けないと意気込むが、六ノ崎にも20代の東野一真という若者が引っ越してきたのだという。
そして午前のプログラムが終わり、午後には年齢別リレーの番。
低学年から順にバトンを繋ぎ、20代の周ではトップを走る東野を清舟が猛追。
清舟が東野と並んでバトンを渡し、七ツ岳はトップでアンカーの巌(美和の父)へ。
しかし巌がバトンを落としてしまい、七ツ岳は最下位に。
東野は清舟のことをライバル視している様子だが、本当にダッシュ東野なのかどうかわからないまま体育祭は幕を閉じるのであった。
【9巻のまとめ】
ヒロシは長崎で料亭の初面接に臨むが、緊張に飲まれて大失敗。
タマも応募した漫画賞では「あと一歩賞」に留まり、悔しさをバネに次に向けてまた描き始める。
一方、清舟は村人の一員として体育祭の年齢別リレーに出場し、隣村に引っ越してきた同年代の東野から一方的にライバル視されてしまうのであった。
次巻へ続きます。
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