若き書道家の半田清舟は、自作を酷評されたことに腹を立て書道展示館の館長を感情に任せて殴りつけてしまい、見かねた父によって自然豊かな五島へ左遷されてきた。
自分の家は村の子供たちである琴石なるや美和、タマなどの溜まり場と化しており、都会とは全く違う村の生活に振り回されることとなる。
なるの底なしの明るさや村人たちとの関わりによって少しずつ気持ちに整理をつけながら、自分を見つめなおすためのド田舎ライフが始まった。
島での生活に慣れ始めたある日、親友で画商の川藤が清舟に憧れる若き書道家の神崎と清舟を引き合わせ、成長やスランプからの脱却を促す。
村人たちとはすっかり打ち解け、なるとは家族同然のような絆が芽生え始めるなか、裏山で遭難しかけた際に新たなインスピレーションが沸いた清舟は、書展に出展する作品「星」を描き上げた。
清舟が単純に書展への出品と実家に荷物を取りに行くために一時的に帰っただけであり、人間としての成長を見せて書展の館長と和解を果たした清舟。
しかし書展の本番に向けては別の作品が必要となってしまい、館長からの期待のハードルが上がるなか、どうにか納得のいく作品を描き上げる。
結果は入賞圏外であったが、それは自分にとって一番大切に思っている村人たちの名前を描いた作品であり、村人たちの名前に合わせて「清舟」と自分の署名も書かれているのであった。
8巻のあらすじを振り返ってみましょう。
ケーキ作りに挑戦
清舟が一度だけ、将来の夢として「ケーキ屋」になりたかったと聞いて、美和とタマは清舟と共にケーキ作りに挑戦することに。
だが誰もケーキを作ったこともなく、材料もレシピも適当。
オーブンレンジも無く、借りに移動している間に材料がこぼれて悲惨な出来上がりとなった。
結局、トッピングで盛り付けたさくらんぼの種とばしという別のゲームが始まり、全てが終わった後には二度とケーキ屋を目指さないと心に誓うのであった。
着実に村に染まる清舟
美和とタマは修学旅行に出発。
船やバスなどを乗り継いでいくが、島では逐一子供たちの動向について連絡が入り、それを村に放送していく。
清舟も公民館でその放送をさせられるが、声が震えてしまい落胆。
それをなるや美和の父に指摘されると、清舟も村の方言で「ほっちょけちば(放っておけ)」と叫び、それが村人たちに放送されてしまう。
無意識であるものの、清舟は着実に村に染まりつつあるのであった。
ヒロシの模擬面接
ヒロシの面接が近づき、清舟は模擬面接でヒロシをいじり倒す。
準備した回答もザ・普通だが、「尊敬する人」についてのヒロシの答えは「父と母」というもの。
清舟は「尊敬する人でオレのこと言っていいぞ」と吹き込む一方、そのやりとりはヒロシの両親にも伝わってしまい、ヒロシは恥ずかしい思いをするのであった。
修学旅行のお土産
修学旅行先では美和が風邪を引いてしまうなどのハプニングがありつつも、無事に美和たちが島に帰ってきた。
しかし清舟となるにはちゃんとしたお土産を用意することができず、清舟には普通の耳かきと自販機で買えるお茶、なるには工事現場の石だった。
なるを元気づけるために清舟らはその石を「お願いが叶う石」ということに。
なるのお願いを叶えるべく奔走することとなった美和は無理難題が降ってくる前に石を投げ捨て、スネたなるの相手を清舟がすることになるのであった。
キヨばの葬儀
最年長のキヨばが亡くなり、清舟もお通夜に参列する。
血縁ではないが長い時間を一緒に過ごした育江が率先して葬儀の準備をするなか、清舟も郷長から「もっともっと村の一員になるんだ」と言われて葬儀の裏方として働くことに。
貴重な男手として肉体仕事を手伝い、いよいよ出棺のとき。
キヨばを見送る子供たちの声で育江も涙と感情が堪えきれなくなり号泣。
火葬後は旗を持ちながら遺骨を墓まで運ぶ「野辺送り」が執り行われ、清舟は各旗に送り主の名前を清書する役目を担った。
晴天のもとで紙吹雪が舞うなか、子供たちを含む村人らで遺骨を運び、葬儀が終わる。
なるはキヨばと二度と会えないことを理解していたが、泣きはしない。
なるはキヨばの「笑い顔が一番好き」という言葉を守っていたのであった。
【8巻のまとめ】
この巻ではメインストーリーに大きな進展はありませんでした。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
-
参考挫折を味わった若き書道家がド田舎ライフで人間として成長していくギャグあり涙ありのほっこり漫画『ばらかもん』全19巻【ネタバレ注意】
続きを見る

