現代の東京。その伝説的な強さのため、裏社会の人間から「寓話」という意味を持つ「ファブル」と呼ばれる1人の殺し屋がいた。
その男は幼いころから「ボス」の指導を受け、数々の標的を仕留めてきた。
しかし、彼の正体が暴かれるのを恐れたボスは「1年間大阪に移住し、その間は誰も殺さず一般人として平和に暮らせ」と指示する。
こうして彼は「佐藤明」という名前を与えられ、ボスと古くから付き合いのある暴力団「真黒組」の庇護の元、一般人として大阪での生活を始めたが、アキラは抗争に巻き込まれることとなるー。
前編を終えて平穏な暮らしに溶け込んだはずのアキラたち、しかし真黒組のライバル紅白組との抗争で同業組織ルーマーとの対決に…？
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登場人物紹介
＜組織（通称「ファブル」）＞
佐藤 明（さとう あきら）※偽名
本作の主人公。幼少時から特殊な訓練を受け、大概のことは知恵と工夫でこなすプロの殺し屋。
あまりに強すぎる才能を少しでも落とすため、ボスの指示によって大阪での一般人生活を始めることとなる。前編を経て組織からは抜けている。
佐藤洋子（さとう ようこ）※偽名
アキラのパートナー。天才的な瞬間記憶力の持ち主。10歳の時に火災で家と両親を失った後、ボスに保護されて指導を受け、1年前から明の運転手やサポートを務めている。ボスの指示によりアキラとともに大阪に移住し、アキラの妹という設定で隣家に住んでいる。前編を経て組織からは抜けている。
ボス
本名不詳。表の顔として、埼玉県某所で整体院を営んでいる。幼いアキラと洋子を引き取り、殺し屋とそのパートナーとして指導してきた。
裏方に回っているが、自身も若い頃は殺し屋として現場に出ており、現在は世間には出回っていないテクノロジーを使い、組織の構成員の状況を常に把握している。
アザミ ※偽名
本名不詳。メガネをかけた大柄な体格の男。アキラに次ぐ実力を持ち、前編を経て組織からは抜けている。
ユーカリ ※偽名
本名不詳。ヨウコと同じく記憶力が良く、一旦見たものを一瞬で記憶・理解する能力をもつ。前編を経て組織からは抜けている。
＜デザイン企画 有限会社オクトパス＞
田高田（たこうだ）社長
自宅マンションの一室でデザイン会社を運営する社長。酒豪で面倒見の良い性格。
アキラのことは真摯な仕事ぶりや、味のあるイラストを見て大変気に入っており、身内のように扱っている。
清水岬（しみず みさき）
通称ミサキ。22歳。元グラビアアイドルやセクシービデオモデルであり、オクトパスでアルバイトをしていた際にアキラやヨウコと知り合った。
アキラにとっても人として成長していくきっかけとなった人物。現在はアキラの正体を知ったうえで結婚し、共に生活している。
＜真黒組（まぐろぐみ）＞
海老原 剛士（えびはら たけし）
真黒組若頭で、組長の他にファブルの詳細を知る唯一の人間。
ヤクザだが「法がカバー出来ない部分で自分なりに街を守っている」という思いを強く持っている。
黒塩（くろしお）
組員の1人で若手の有望株。通称、クロ。
アキラの正体がプロの殺し屋であることを知り、師匠として仰ぐほど心酔するように。
あくまで凡人であるため殺し屋に近づくこともできないものの、佐藤兄妹からは一定の信用を得ており、事件が起きた際は裏方としてサポートすることもある。
高橋（たかはし）
海老原の運転手を務める組員。組に入って2年と少しの新人で、黒塩より立場は下。
頼りない面が目立つ人物だが、組の構成員であることには強い自負を持っている。
鷹一（たかいち）
海老原に代わって組長代行に就任する。昔気質の一匹狼タイプで頼れる兄貴肌。
木志田（きしだ）
鷹一と組長代行の座を争った幹部。頭脳派で末端の構成員の声にも耳を傾ける反面で決断力がない。
＜紅白組（くじらぐみ）＞
松代（まつだい）
紅白組の組長。バックにつく組織・ルーマーをけしかけて真黒組との抗争を企む。
川萩（かわはぎ）
クロと因縁のある不良。紅白組から盃をもらい、イキっている。 風俗嬢になった元カノである静への未練からストーカー行為を働くようになり、事件の発端となる。
高辺（たかべ）
紅白組の構成員。川萩と共にクロを襲撃した仲間。
加納（かのう）
紅白組の構成員。高辺と共に川萩を襲撃する。
＜ルーマー＞
リーダーの男
松代との窓口を担当し、部下を集めて作戦を指揮する。戦闘においても自身もかなりの腕前を持つ。
初老の男
特殊な毒や暗殺道具の調達役。
バランスアートの男
殺しの実行役。殺した相手の死後硬直を利用し、バランスアートのようにすることで自分の存在を見せつける。
＜組織以外の裏稼業人＞
佐々木 ヒロシ（ささき）※偽名
本名不詳。前編では鈴木と名乗っていた。経験のある冷静な殺し屋であるが、プロであり無益な殺生は行わない、人間味のある人物。
見た目は若いが、整形を繰り返しており、実は40歳近い年齢で引き際を考え始めている。 前編で縁があったヨウコを助けるために動く。
土屋ゲン（つちや げん）
フリーの殺し屋。
海老原の昔馴染みで刑務所から出ていくアテのないところを客人として拾われる。
都合のいい方に乗り換える癖が目に余る。
＜その他＞
河上 静（かわかみ しず）
風俗店に勤務する若い女性。川萩の元カノ。川萩のストーカー行為に悩み、レンタルおっちゃんでアキラにボディーガードを依頼したことが全ての始まりとなる。
各巻のあらすじ
