高校生のトビオ・伊佐美・マルはOBで金持ちニートのパイセンといつもつるんでいたが、ある日ひょんなきっかけからヤバい連中の多い矢波高校の相手から追われることになってしまう。
マルが標的にされてボコボコにされると、トビオたちは報復を決意。
パイセンの財力を頼ってお手製の爆弾を作り、矢波高に設置してビビらせようとする。
しかしその爆弾の1つがガスボンベに引火して大爆発となり、軽い気持ちの仕返しが10人の命を奪ってしまうような事件になってしまった。
自分たちが犯人であることを悟ったパイセンは1人300万円の口止め料をトビオ達に払い、伊佐美はそれ以来関係を絶つ一方、トビオとマルはその金を受け取りつつ何もなかったことにしようと決意する。
だが捜査の手がパイセンに迫り、トビオはパイセンとマルと共に海外に逃げようとするが、なぜかマルは音信不通となり、パイセンは逮捕されてしまった。
幼馴染の蓮子にも距離の詰め方嫌われてしまうなか、「あと3人の共犯がいる」という報道もなされ、自分が逮捕されるのも時間の問題だとトビオは絶望。
トビオ達はお金を使って逃げながら好きに生活しようとするが、マルが裏切りお金を盗んで逃走する。
トビオは自宅に警察が来ているため帰ることもできず、行く当てのないところで伊佐美の彼女の今宵と出くわし、その家にお邪魔することに。
そこで伊佐美とも再会するが、矢波高の連中に見つかってしまい、再び散り散りの逃亡生活へ。
そんな折、警察署にはふと坊主の男が現れ、自分が矢破高校爆破事件の犯人だと自首した。
市橋は復讐のため、蓮子は告白するために協力してトビオを探すうち、市橋は車いす生活になっても掌を返した手下たちと違って変わらずに接してくれる蓮子を好きになっていく。
一方、蓮子に会って謝ろうとしたトビオは蓮子が市橋と一緒に行動しているところを目撃して消沈し、再び今宵の家に上がり込んで勢いのままに体の関係を持った。
京都ではマルがタイマンさせられた相手のウンコとばったり遭遇して襲われ、さらに豪遊しすぎて金欠となったことから、今度は伊佐美を騙して金を盗むことを企む。
そんななか、爆破事件の犯人として男が自首したことで警察の捜査が打ち切られ、パイセンは誤認逮捕として釈放され、再び友達として元の生活が戻った。
しかしそれも束の間、釈放は実はパイセンの父で風俗業界のドンである輪島宗十郎が裏でお金で解決しただけにすぎず、真の犯人が4人であることは変わらないことを知ってしまう。
不自然に打ち切られた捜査に納得いっていなかった飯室刑事から4人に亡くなった犠牲者の顔写真を見せ、「一生苦しめ」と呪詛の言葉を送られ、自然と離れていく4人。
マルは嘘で自分を塗り固めて図太く生きているが、トビオは罪悪感に押しつぶされそうになり学校の屋上から飛び降りを図った。
幸いにも足の骨折だけで済んだトビオは、明るいキャラとして生きようと決意。
因縁の市橋ともリハビリ仲間として仲良くなり、さらに蓮子への思いも高まり、2人は付き合うことになった。
しかし蓮子に思いを寄せていた市橋はトビオのことを応援しつつも、祖母の死も重なって生きる希望がなくなってしまい、病院から飛び降り自殺。
市橋の死にショックを受けるトビオ、今宵を妊娠させ犯罪者として生きる自分が許せなくなった伊佐美、友人を裏切り続けてきたことに気づいたマル、そして自分を全く愛していない父親を見返したくなったパイセン。
4人ともそれぞれこのままではいけないという考えに至ることになり、ド派手な計画を立てて準備し、渋谷で自首作戦を決行。
動画を使って自首を宣言することに成功したものの、パイセンの親父の仲間がそれに気づき、4人は拉致されてしまった。
マルと伊佐美は逃げた一方、パイセンとトビオは殺されそうになりながら、その車の横転事故に巻き込まれる。
結果としてパイセンは父の仲間を返り討ちにする際にナイフで刺し殺してしまい、現行犯逮捕。
トビオは警察によって保護され、蓮子とも離れ離れになるのであった。
最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。
無罪
トビオは警察に連れていかれたものの、今回の事件で言えば巻き込まれただけの被害者であり、無実。
飯室刑事によれば、パイセンの親父が揉み消しに動いた結果資産の7割を失い、パイセンとも絶縁状態にしたらしい。
パイセンは爆破事件の犯人ではなく、その誤認逮捕からくる精神的な疲弊で錯乱し殺人をしてしまったことになっていた。
トビオら3人の自首は何も無かったこととされていたのであった。
10年ぶりの再会
それから、10年後。トビオは芸能事務所のマネージャーとなって、売り出し中のアイドルに付いていた。
夏っちゃんという婚約女性と一緒に幸せそうに生活をしているなか、公衆電話から着信が入る。
声の主はパイセン。
呼び出されたトビオは渋谷で待ち合わせることとなり、その場所で大人になったマルと伊佐美とも再会する。
そこにパイセンが10年の刑務所生活を終えて合流し、4人は居酒屋で話を弾ませる。
マルは自首作戦で使わなかったお金を盗んで立ち上げたのか、マルチ商法で一儲けし、年収3000万円の社会人。
伊佐美は今宵と結婚し、2人の子どもを育てているという。
トビオは蓮子とのことについて、蓮子といると事件を思い出してしまうため好きだったが別れたことを明かす。
帰り際、トビオと伊佐美は自分の中に溜まっていた鬱憤を吐き出して口論となるが、パイセンが仲裁に入り、今後はもう関わらないからとふざけながらその場を去っていった。
トビオの幸せ
トビオが家に帰ると、夏っちゃんから赤ちゃんができたという報告を受ける。
幸せを感じるトビオは、例の事件を思い出しそうになるが、幸せで蓋をどうにかしているようだった。
いつかこんな日が
ワタルという高校生は、自分がなかなか学校生活でブレイクできないことにモヤモヤを抱えていた。
そんなある日、ワタル人を殺してヒーローになろうと思い立つ。
ナイフを所持して街へ出かけ、目の前を10番目に通った人を殺すと決めたワタル。
10番目に通りすぎたのは、トビオであった。
ワタルは暗い路地まで付いていき、トビオを背後から襲う。
切り傷を負ったトビオは驚きながらも、俺は「ずっと待ってたんだ。俺は死ぬべき人間だから殺してくれ」と自らシャツを脱ぎ出す。
ワタルは気持ち悪くなりその場を離れ、殺されるチャンスを逃したトビオは落胆しながらも再び無かったことにして夏っちゃんのもとへ帰るのであった。
いつかもし
トビオと夏っちゃんが産婦人科に行くと、そこで蓮子と再会を果たす。
蓮子も妊娠していて旦那もおり、蓮子はトビオにただ「よかった。生きてて。頑張ったね」と言葉を送った。
トビオはその後パイセンに電話をかけ、パイセンとカラオケへ。
パイセンは俺に残されているのはお笑いだけだから芸人を目指すという。
トビオは自分に残されているのは死にたくなる自分だと言うが、パイセンはそれが生きている証拠だと言い、トビオはその言葉に救われる。
そしてトビオは子どもが産まれたとの報告に胸をはずませるが、頭には死んだ人達や市橋の姿もこびりついて離れない。
トビオは最後にそこそこを生き抜いて耐えきれない日がきたら死ねばいいという考えに至る。
子どもの名前を考える際にはパイセンが爆弾のスイッチを押す際に言った「あご乗せ太郎」の名前が過ぎり、トビオはずっとあの事件を抱えたまま生きていくのであった。
【9巻(完)のまとめ】
10年が過ぎて久しぶりに会う4人はそれぞれの道を進んでいた。
トビオも結婚や妊娠と幸せな生活を送れているような感じはするが、幸せを意識する度に、事件のことを思い出すため、一生あの日のことと付き合って生きていくのだった。
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