3人はチームとしてそれぞれの役割を果たし始めた。
三瓶と川内との過去、そして記憶障害が治るかもしれないという三瓶からの突然の告白は、今後川内をどう変化させていくのか。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。
川内の不安
三瓶からの突然の告白に戸惑う川内。
記憶障害のため、その出来事を日記に書かなければ翌日には忘れてしまうが、書くべきかどうか迷う。
MRI再検査を避ける川内を見て、星前は再検査せずとも元主治医である医大の大迫教授から当時の検査結果を提供してもらえるのではとメール送ることに。
気遣う星前に、川内は不安な胸のうちを語る。
三瓶は記憶障害が治る可能性があると言うが、当時の治療の経験から、またつらい思いをするだけなのではと治療に躊躇しているのだった。
そんな川内に星前は、三瓶が世界トップクラスの脳外科医でありながら日本に帰ってきたのは、川内を治すためではないかと話す。
川内の決意
なぜか医大の大迫教授から検査結果を共有してもらえず、再検査を避ける川内をどう説得するか悩む三瓶と星前のもとに、川内は三瓶を信じて再検査をすると決心してやってくる。
さっそく検査を始める三瓶だが、記憶障害に関わる海馬の損傷がごく僅かで、記憶障害の原因が分からない。
次々にポイントを変えながら撮影する三瓶だが、長時間に及ぶ検査に星前は川内を案じ止めに入る。
そしてMRI検査の結果、重度の記憶障害が残るような損傷はないと判明した。
原因不明の記憶障害
事故から1年経過しても川内の記憶障害が治らないのはなぜか、三瓶は神経心理検査を細かく行うことに。
人の顔を見分けにくい、軽度の相貌失認があることが分かると、三瓶は顔以外の特徴で人を見分けると良いと助言する。
さっそく、川内は人相ではなく服装や髪型などで患者を見分け、三瓶の助言を仕事に生かす。
川内が記憶障害とうまく付き合い、仕事でのトラブルが減っていることに安心する一方で、記憶障害が続く原因が分からず、三瓶は当時治療に携わった医大に何かあるのではと疑う。
胸部外科医 先崎彰
胸部外科医の先崎彰は、度々緊急手術で割り込む三瓶への不満を抱えていた。
その日のカンファレンスでは肺の腫瘍が脳に転移している患者が議題にあがり、三瓶は画像を見て麻痺と意識障害が進行していることを言い当てる。
脳の手術は出来そうかと先崎に問われると、三瓶は手術するなら肺の腫瘍を根治させるのが条件だと言う。
三瓶は、脳の手術をして意識がクリアになった状態で肺を患ったままだと患者は呼吸苦に苦しめられることになると危惧していた。
先崎は肺の根治を約束し、意識障害が進む患者のため脳の手術を優先することに。
金銭的な不安を抱えつつ患者の息子は、父に手術を受けさせることにするが、手術を終え意識を取り戻した患者はまるで手術したことを後悔しているかのようだった。
患者優先の三瓶
三瓶たちの病院では、救急受け入れに関する意見交換会が開かれることに。
先崎は、脳外科の度重なる緊急手術に自分の手術の予定が変更されることになり迷惑していると主張する。
三瓶は脳外科では緊急手術が常であり、緊急性の高い患者を優先することは当たり前だと主張し、先崎を怒らせてしまう。
意見交換会が終わったころ、脳腫瘍の手術を終えた患者が肺の腫瘍の免疫治療を拒否していることを知らされる。
肺の腫瘍の根治は絶対と約束していたはずだと、先崎に抗議する三瓶。
それぞれの観点から話し合いは食い違うばかりで、そんな二人を見て星前は、「先崎は医師としては正しいが、三瓶は常に患者目線で考えているのだ」と指摘した。
患者は高額な治療を拒否しているだけで、生きることを望んでいると感じた三瓶たちはなんとか金銭的な問題を解決できないかと奔走する。
三瓶のアイデアで資金繰りの目処が立ち、患者はすぐに肺の治療に取り掛かることが決まった。
通過症候群
ある日、交通事故により頭部と顔面に裂傷を負った急患が運び込まれる。
三瓶が脳を、星前が顔面の手術を同時に行うが、出血が多く血圧を維持できない。
手術は一時中断かと思われたその時、麻酔科の成増貴子が現れ見事なコントロールで手術の継続に一役買う。
手術は無事に終わるが、患者は通過症候群という症状で精神的に不安定になる。
数日経っても症状が安定しない患者に、四苦八苦する母親たちを三瓶たちは日々フォローしていた。
その頃、川内の事故当時治療を担当した医大から綾野という医師が突然やってきて、「川内の治療をするのであれば自分にも協力させてほしい」と三瓶に申し出る。
綾野に対しては良い印象を持っていない様子の三瓶。
果たして綾野との間にどんな過去があるのか―。
【3巻のまとめ】
三瓶を信じると決意し、再検査に臨む川内だが記憶障害の原因は分からず謎が残る。
常に患者目線で行動する三瓶に、周りも協力する体制が徐々に整い始めていた。
その頃、川内が記憶障害を負った事故当時治療を担当した医大から綾野という医師が突然現れ、川内の治療に協力したいと三瓶に申し出てきた。
綾野は一体何者で、何を考えているのか、川内の記憶障害にどう関係しているのか―。
【3巻の見どころ】
この巻の見どころは、川内の記憶障害の謎と、三瓶が貫く患者第一の姿勢です。
三瓶の告白に揺れる川内が、記憶障害の原因を探るため再検査に挑むシーンは緊張感に満ちています。
海馬の損傷がごく僅かであることが判明し、原因不明のままとなる展開は、今後の物語への期待を高めます。
また、肺がん患者の治療方針を巡る三瓶と先崎の対立は、医師の価値観の違いを浮き彫りにします。
高額な治療費を理由に免疫治療を拒む患者に対し、三瓶が資金繰りを模索する場面は、彼の信念を強く感じさせるものです。
そして、川内の過去を知る医師・綾野の登場が、新たな波乱を予感させます。

次巻へ続きます。
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