そんな中、戦勝式典が執り行われ、エリーゼは勲章と子爵位を授かった。
さらに忙しさを増すエリーゼになかなか会えないリンデンは苛立ちを募らせるが、あの手この手で徐々に関係を深めていく。
一方で、貴族派に対する復讐の準備は着実に進められていた。
11巻のあらすじを振り返ってみましょう。
過ちと後悔
ここのところ皇帝の体調が思わしくないようだ。
エリーゼの治療で小康状態を保っていたものの、食欲も落ち、痩せてしまっている。
皇帝はエリーゼを散歩に誘うと、過去の過ちをずっと後悔していることを打ち明けた。
自らもまた、悔やみきれない過ちを抱えるエリーゼの思いやりは皇帝の心を和らげるのだった。
これからリンデンとミハイルの間に起こる悲劇に頭を悩ませるエリーゼの前にリンデンが姿を現し、食事へ誘い出した。
遠出
帰りの馬車でついうとうととしてしまうエリーゼ。
目を覚ますと見慣れない景色が目に入る。
リンデンはこの日のために方々に段取りし、準備を進めていたのだ。
慣れない土地に迷いながら目的地へと導くリンデンを好ましく思ったエリーゼは、手をつないで歩く。
ようやく到着した塔の頂上から美しい夕焼けの景色を眺める二人は、互いに愛を伝え合うのだった。
すっかり暗くなったころ、遠方の街に着き、今日の宿に入る。
リンデンを信用し、気を許しているエリーゼは、同じベッドで眠ろうと誘う。
ギリギリの理性で耐えているリンデンは、何百匹羊を数えても眠ることができなかった。
祭り
今日は一日祭りが執り行われるこの街で過ごす予定だ。
朝食を摂り、ゆっくりと街を見て回る。
心遣いに感動し機嫌よく笑うエリーゼの姿に、リンデンもまた満面の笑顔で答えた。
トマトを雪合戦のように投げ合う祭りですっかり汚れてしまうと、二人はホテルに戻り汚れを落とし、酒を酌み交わす。
リンデンはエリーゼに自身を名前で呼ぶように告げると、エリーゼは恥ずかしそうにリンデンの名を呼び、二人の距離はまた縮まっていくのだった。
すっかり眠そうになったエリーゼはリンデンがベッドに運ぼうとするが、エリーゼはリンデンに愛を告げ唇を求めた。
感極まったリンデンはエリーゼを求め、首筋に顔をうずめる。
しかし、顔を挙げたリンデンが見たものは、すっかり寝入ってしまい寝息を立てるエリーゼの姿だった。
当然翌日も寝不足のリンデンだったが、海沿いの小さな都市へと向かう。
海がよく見える丘のベンチでリンデンはエリーゼに指輪を送り求婚した。
不器用ながらストレートに愛を告げるリンデンにエリーゼは感極まり涙を流すのだった。
夜、寝静まったエリーゼを残し、リンデンは墓地へと向かう。
そこには母と姉の墓があった。
穏やかな笑顔でエリーゼとの婚約を報告した後、鬼気迫る表情で二人の仇討ちを誓いその場を後にした。
派閥の対立
日常に戻ったエリーゼは幸せを嚙み締めつつも、まもなく起こる皇帝派と貴族派の対立が気がかりだった。
実際、メルキト伯爵をはじめ、貴族派は随分と追い詰められている。
そんな中でとうとう衝突が起きてしまった。
帝国派のドリスン伯爵とメルキト伯爵が些細なことから決闘をすることになる。
互いに銃で撃ち合い、両者とも命にかかわる重傷を負ってしまった。
そのころ、病院の教授室でリンデンとエリーゼは甘い時間を過ごしていた。
しかし、そこへ伯爵たちが搬送されてきたとの報告が入った。
【11巻のまとめ】
リンデンとミハイルの対立に皇帝は心を痛め、体調が思わしくない。
エリーゼもまた悲劇を止めるべく頭を悩ませていた。
そんな折、リンデンはエリーゼを祭りに誘い出し、久しぶりにゆっくりとした時間を過ごすと、ついに指輪を送り求婚した。
幸せを噛み締めるエリーゼだったが、悲劇の発端となる皇帝派と貴族派の対立はエスカレートし、とうとうそれぞれの派閥に属する伯爵同士で決闘まで行われてしまう。
リンデンと甘い時間を過ごすエリーゼのもとに瀕死の伯爵たちが運ばれてきたのだった。
【11巻の見どころ】
この巻の見どころは、リンデンが入念に準備した遠出の旅で、エリーゼとともに夕焼けや祭りを楽しみ、ついには求婚に至る一連のロマンチックな展開です。
同じベッドでの添い寝や、恥ずかしそうに名前を呼ぶ場面など、二人の距離が縮まっていく過程は微笑ましく描かれています。
さらにリンデンが母と姉の墓前で復讐を誓う場面では、甘さと緊張が交錯し、物語に深みを加えています。

次巻へ続きます。
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