常に患者目線で行動する三瓶に、周りも協力する体制が徐々に整い始めていた。
その頃、川内が記憶障害を負った事故当時治療を担当した医大から綾野という医師が突然現れ、川内の治療に協力したいと三瓶に申し出てきた。
綾野は一体何者で、何を考えているのか、川内の記憶障害にどう関係しているのか―。
4巻のあらすじを振り返ってみましょう。
注目の若手医師 綾野楓
頭部と顔面の同時手術を行い、通過症候群による情緒不安定に悩まされていた患者は、一時的な精神不安定状態を脱した。
美容手術を心待ちにする患者とその家族だが、内頚動脈が破れているためまぶたの腫れと充血が治まらず、三瓶はまずそれを塞ぐ血管内手術が必要だと判断する。
専門医がいないため、執刀は注目の若手医師でもある綾野楓が担当することに。
因縁の相手に手術を任せることに不満を見せる三瓶。
だが結局、綾野は手際よく手術を進め無事成功に終わった。
そのまま医大での美容手術に向けて、三瓶は綾野に患者を引き継ぐ。
脳外科医を目指す 川内ミヤビ
手術を終えた綾野は川内のもとにやってくる。
綾野のことを覚えていない川内に、自分たちは一緒に脳外科の研修を受けた仲だと話すが、川内は自分が脳外科医だったことに驚きを隠せない。
そこへ三瓶が現れ、無理やり綾野を大学病院に送り返す。
記憶障害になった川内を捨てた綾野に、「必要以上に彼女に近づくな」と釘をさし、「川内の記憶は自分が取り戻して見せる」と宣言した。
一方、自分が脳外科医を目指していたことを知った川内は「今からでも脳外科医をできるならやりたい」と星前の前で志を立てた。
様々な思惑
ある日、麻酔科の成増から食事の誘いを受ける三瓶。
星前と川内はこっそり二人のあとをつけることに。
川内のために日本に帰ってきたと推測する成増に、三瓶は過去の思い出を忘れてしまっても、強い感情は無意識に残ると信じていることを打ち明けた。
成増は綾野と川内の過去についても知っているようで、綾野に婚約者を紹介した大迫教授など様々な思惑が交じり合う複雑な状況を客観視し三瓶に説明する。
そして聞き耳を立てている星前と川内の存在に気が付いた成増は、三瓶に惹かれ始めている川内をわざと挑発するような発言を繰り返し、しびれを切らした川内はとうとう三瓶たちのもとへ。
成増は三瓶を振り向かせることは難しいと分かると、あっさり帰っていったのだった。
脳死とされうる状態
救急部の研修にやってきた研修医の風間は、臓器移植について興味があるようだが、三瓶はその話には消極的な様子。
数日後、くも膜下出血で倒れて2日経過したと思われる老齢の女性患者が救急搬送される。
急いで駆けつける娘夫婦だが、かなりの重症で手術ができる状態ではないことが告げられた。
なんとか助けてほしいと頭を下げる娘に、三瓶は全力を尽くすとしか返事ができない。
しかし、その後も進行する病状に手の施しようがなくなり、三瓶は『脳死とされうる状態』と判断し治療の手を止める。
臓器提供の意思の有無により『脳死』と『脳死とされうる状態』という表現に分けられ、その境界線が非常にデリケートな日本の現状を、風間に説明する星前。
延命措置を継続するか、中止するかは家族の判断に委ねられた。
『脳死とされうる状態』の母に、自分の声はもう聞こえないのかと尋ねる娘に、医師として「聞こえない」とだけ答える三瓶だった。
きっと聞こえている
三瓶は寝る間も惜しんで、調べものに没頭する。
思い出を振り返り母を想う娘は、母は自分の胸の中でこれからも生き続けるのだと延命措置中止を決断した。
そんな娘に、三瓶は改めて脳死状態の患者に声が届くのか調べたと話す。
これまでの概念を覆すような信用に足る論文は見つからなかったものの、家族の声かけで身体が反応を示すことが増えるという論文が見つかったという。
母との別れの時がやってきて、娘は感謝とねぎらいの言葉をかけて手を握った。
すると患者から一筋の涙が流れ、穏やかに息をひきとったのだった。
患者を見送った後、三瓶は3日の不眠がたたり倒れてしまう。
医師でなければ、「声がきこえている」と言ってあげたかったと話した三瓶のそばでは、川内が優しく寝顔を見守っていた。
2度目の手術
三瓶は休日を利用して、医大の大迫教授のもとを訪れる。
その道中で出会った親子は、長男の脳腫瘍の手術のため医大に向かっていた。
到着すると、大迫教授はその手術中で三瓶の面会はかなわない。
家族控室で親子と再会した三瓶は、2度目の手術だと不安を隠せない父親から詳しく話を聞くことに。
1度目の手術で安全を優先し、腫瘍の一部を残していた患者は、2年間の放射線治療の影響による発達の遅れが出始めていた。
前回同様、癒着の激しい腫瘍の全摘出を避け命を優先しようと考える医大側の判断に頭を抱える両親。
付き添っていた三瓶は2年前の両親の判断は間違っていないと励ます一方で、患者の将来を考えれば全摘出するべきと話す。
そして三瓶は家族控室から割って入るように大迫教授に意見を述べるが、家族控室から退出させられてしまった。
長男を救ったオジちゃん
手術が緊迫した状況となり、手に汗をにぎる家族。
そこへ三瓶が助手のふりをして乱入し、あっという間に癒着していた腫瘍を全摘出してしまう。
勝手に手術に入ったことを責める大迫教授に向かって三瓶は、確実に摘出する自信があったと言い放つ。
良識的な医療が受けられる日本のシステムを守り、育てる義務があると信じる大迫教授は、三瓶と真っ向からぶつかることに。
川内の診療記録開示を迫る三瓶だが、ごくわずかな可能性のために彼女を危険にさらすなと断られてしまう。
断固として川内の診療記録を隠そうとする大迫教授、綾野にもその理由は分からないようでますます謎が深まる。
医大を後にしようとした時、手術を受けた患者の家族が駆けつけ、三瓶は心からの礼と似顔絵を受け取った。
【4巻のまとめ】
過去の出来事をいまだ思い出せず戸惑うばかりの川内だが、もう一度出会った三瓶に心ひかれ始めている。
三瓶は川内の記憶障害を治すため診療記録を手に入れたいと考える。
大迫教授が頑なに開示を拒否する診療記録には、一体何が隠されているのか。
【4巻の見どころ】
この巻の見どころは、川内の過去と三瓶の信念が交錯する緊迫の展開です。
綾野の登場により、川内がかつて脳外科を志していた事実が判明し、彼女自身のアイデンティティに大きな揺さぶりがかかります。
さらに、三瓶と大迫教授の対立が鮮明になり、川内の診療記録に隠された謎が深まります。
特に、脳死を巡るエピソードでは、家族の決断と三瓶の葛藤が繊細に描かれ、読者の心を揺さぶります。
そして、三瓶の型破りな行動が再び炸裂する医大での手術シーンは圧巻です。

次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
-
参考天才脳外科医の愛と献身、記憶障害を抱える婚約者の医師を救うことはできるのか―『アンメット』全17巻【ネタバレ注意】
続きを見る

