働きもせずにしょぼい博打に明け暮れ、負けを重ねるドン底の生活を送っていたカイジは、バイトの元同僚である古畑の借金の連帯保証人として借金地獄に巻き込まれた。
闇金回収の遠藤という男の勧めで借金をチャラにするどころか一攫千金のチャンスがある希望の船「エスポワール」に乗ることとなり、集められた債務者たちとのゲームが始まる。
ゲームの内容は手持ちのカードでじゃんけんをしながら勝敗に応じて星を奪い合う「限定ジャンケン」。
船井という男に騙され手札も星もほとんどを失い早々に窮地に追い込まれたカイジは、再会を果たした古畑と同じく崖っぷちのと安藤の3人で徒党を組む。
3人とも勝ち抜けるのに必要な星を稼ぐため、手持ちの資金を使ってグーを買い占める作戦をとり、場のカードが消費されていくのを見守りながら勝負を仕掛けるタイミングをうかがう。
しかし作戦は裏目に。他のプレーヤーがパーを買い占めており、場で自然とチョキだけが消費されていってしまう。
待てば待つほど手持ちの大量のグーが必敗の手となる状況に焦った古畑と安藤が勝負に出るがあえなく惨敗。
何もできずに星2つを失い絶望的な状況に追い込まれたカイジたちの前に、余裕しゃくしゃくの3人組が接触してくるのだった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
パー買い占め派と運命の一戦へ
カイジたちの前に姿を現したのは、パーを買い占めていたグループ。
リーダーの北見はカイジに余った星1つを500万円で売ることと、1回だけ勝負することを提案する。
〈北見からの提案 [賭博黙示録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジは今後の展開を考えて星を買い取るのは断るが、勝負は引き受けた。
どうしても1回だけの勝負に拘り、2回以上は受けたがらない北見の様子に、何か気づいた様子。
〈1試合に拘る北見 [賭博黙示録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジはこの1戦に懸けるために持ち金の600万円を上乗せし、星3つを賭けて勝負を申し出る。
勝てば星3つに加えて600万円もむしり取れる好条件を北見は受け、運命の1戦が始まるのだった。
〈北見が大勝負を受けた [賭博黙示録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
北見の考えを読み切ったカイジが勝利
カイジたちにとっては負けたら3人ともゲームオーバーの大一番。
黒服や他のプレーヤー達も観客として集まるなか、先にカードを置いたのはカイジ。
〈ギャラリーが集まるなか勝負へ [賭博黙示録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
対する北見がカードを置いたとき、嫌な予感がよぎる。
しかし今更のカード変更は認められない。
北見が勝負を1回だけに拘り、勝っても負けてもあがりそうな様子だったこと、そして勝負のカード選びに迷いがなかったことから、カイジはその思考を読み切っていた。
〈読み切ったカイジ [賭博黙示録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
同じようにグループを組んでパーを買い占めた北見たち、あがるためには最後はグループ内であいこの勝負をしながらカードを消費する必要がある。
パーは買い占めるために枚数を気にせず集める一方、不要なグーとチョキは偶数の枚数で集めるのも使うのも止めていたはず。
そして1回だけの勝負に拘るということは、パーだけ奇数枚数になり、どうしても1枚だけ余っている可能性が高い―。
そう踏んだカイジはチョキを出しており、考えが及ばなかった北見の手はパー。
星3つを賭けた大一番はカイジに軍配が上がるのだった。
〈息を吹き返した [賭博黙示録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
パーも買い占めを図る
星を3つ獲得したが、まだ3人ともあがるには足りないカイジたち。
ここでカイジは大一番に負け仲間割れを起こした北見達3人に目をつけ、パーのカードも買い占めることを閃く。
〈カイジが閃いた作戦 [賭博黙示録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
ゲーム終盤に自分たちがグーとパーを握っていれば、残るプレーヤーのカードが浮かび上がるという作戦。
カイジは古畑と安藤それぞれに指示を出し、北見グループのうち北見以外の2人からわずか100万円でパーのカードを20枚買い取らせた。
〈パー20枚を楽々確保 [賭博黙示録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
失敗した北見と距離を置くことにした彼らにとってみれば、あいこでただパーを消費するよりも古畑・安藤に買い取ってもらった方が遥かに得する。
そして仲間2人に先に上がられた北見の前にカイジが姿を現し、「持っているカードがパーだらけであることを公言されたくなければ、金次第でカードを引き取ってやる」と迫る。
負けずにカードを消化するためにはカイジを頼るしかなくなった北見は、200万円をカイジに支払いカードを全て引き渡した。
結局、カイジは金を減らすことなく北見達が買い占めていた30枚以上ものパーも手に入れるのだった。
〈パーの買い占めに成功 [賭博黙示録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
ゲーム終盤に船井の誘いが…
残り時間は30分を切り、ゲームは終盤へ。
星1つか2つでカードが無くなった行き場のないプレーヤーがゲーム終了後に行われる星の売買タイムで生き残る可能性に賭けて動かずに待つようになり、膠着状態が生まれ始める。
〈終了後は星の売買が行われるらしい [賭博黙示録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
ここでカードの買い占め行為に気付いていた船井が、より多くの人に助かるチャンスが回るように、勝負する空気に誘導することをカイジに打診する。
船井は残り手札1枚のプレーヤーのうち何人か、カードの手を特定していることを餌に、カイジだけと共謀することを提案するが、組んだ仲間を裏切らないと決めたカイジは船井の申し出を拒否。
〈船井からの誘いを拒絶したカイジ [賭博黙示録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
そしてただ場のカードが自然に減って勝負を仕掛けるチャンスをただじっと待つカイジ。
ついに自分たちの持つカードを除いてパーの残り枚数が3枚にまで減った。
ここでついに勝負を仕掛けるために動き出すカイジ。
〈いよいよ作戦決行… [賭博黙示録カイジ 3巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
しかし古畑・安藤を信じ、船井を拒絶したカイジの選択が、終盤で更なる波乱を呼ぶことになるとはまだ誰も知らないのであった。
【3巻のまとめ】
パー買い占め派との勝負を制し、見事に形勢逆転を果たしたカイジたち。
グーに続いてパーも買い占め、ゲーム終盤に自分たちが勝負を仕掛けるタイミングを狙ってじっと待つ。
しかし時間が経つにつれ、手札が少なくなったプレーヤーたちはゲーム終了後に行われるという星の売買での生き残りにかけて勝負を避けるようになり、場は膠着状態に。
この状況を動かすべく船井がカイジに接触し、カイジとだけ共謀して出し抜くことを申し出るが、古畑・安藤を裏切らないと決めたカイジは船井の誘いを拒否。
そして場のカードが順調に減り、いよいよ作戦通りにカイジが勝負に乗り出す。
このときはまだ、船井を拒絶したことによって波乱が起こることは知らないのであった…。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
-
参考伝説はここから始まった…人生逆転を賭けた心がざわざわするギャンブル『賭博黙示録カイジ』全13巻【ネタバレ注意】
続きを見る