働きもせずにしょぼい博打に明け暮れ、負けを重ねるドン底の生活を送っていたカイジは、バイトの元同僚である古畑の借金の連帯保証人として借金地獄に巻き込まれた。
闇金回収の遠藤という男の勧めで借金をチャラにするどころか一攫千金のチャンスがある希望の船「エスポワール」に乗ることとなり、集められた債務者たちとのゲームが始まる。
ゲームの内容は手持ちのカードでじゃんけんをしながら勝敗に応じて星を奪い合う「限定ジャンケン」。
船井という男に騙され手札も星もほとんどを失い早々に窮地に追い込まれたカイジは、再会を果たした古畑と同じく崖っぷちのと安藤の3人で徒党を組む。
3人とも勝ち抜けるのに必要な星を稼ぐため、手持ちの資金を使って紆余曲折を経ながらグーとパーを買い占め、ゲームは終盤へ。
しかし時間が経つにつれ、手札が少なくなったプレーヤーたちはゲーム終了後に行われるという星の売買での生き残りにかけて勝負を避けるようになり、場は膠着状態に。
この状況を動かすべく船井がカイジに接触し、カイジとだけ共謀して出し抜くことを申し出るが、古畑・安藤を裏切らないと決めたカイジは船井の誘いを拒否。
そして場のカードが順調に減り、いよいよ作戦通りにカイジが勝負に乗り出す。
このときはまだ、船井を拒絶したことによって波乱が起こることは知らないのであった…。
4巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
膠着する場
満を持して勝負を仕掛けに行くカイジ。
しかし場のプレーヤー達の間には「残り少ない自分の手札が気付かぬうちに他のプレーヤーにバレているのではないか」という不信感が広まり、勝負する雰囲気が急速に冷めていた。
〈場が急速に膠着 [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
それでも制限時間終了までには全員がカードを使い切らないと負ける、動かざるを得なくなるはず―。
そう信じて粘り強く待つカイジ。
そのとき、膠着した状況を打破するべく船井が動き出すのだった。
〈船井が動き出す [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
船井が提案したカードのシャッフル
船井は他のプレーヤーに呼びかけ、一度全員でカードを集めてシャッフルすることを提案。
〈シャッフルを提案 [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
船井の口車に乗る形で次々とプレーヤーが集まっていく。
さらに船井は「賛同してくれた者の中で勝負すればいい」として提案に乗らない者を締め出しにかかる。
カードの買い占め行為を露呈させたくないカイジたちだったが、戦う相手がどんどんと船井のもとに行ってしまう状況を受けて背に腹は代えられず、船井の提案に乗るのだった。
〈カイジ達も乗らざるを得ない [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
船井がカードを配り直し、勝負再開
カイジたちの持ち寄った大量のカードを含め、それぞれの手の枚数を数えていく船井。
電光掲示板の表示と比べてチョキが3枚足りないという事実が明らかとなり、謎の人物「X」がまだカードを誰かが隠し持っている可能性が浮上する。
〈カードを誰かが隠し持っている? [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
Xの存在はさておき、入念なシャッフルの末にあえてカードを伏せてバラバラにしながらランダムに配り直していく船井。
船井は最後に残った大量のカードをカイジたちに向けて投げ、カードの回収と集計にカイジたちが手間取るすきに勝負を再開するのだった。
〈船井の嫌がらせ [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
船井のイカサマに気付いたカイジ
あっという間に勝負が進み、淘汰されていくプレーヤーたち。
残るは船井とその他3人が1枚ずつという状況にまで減っていた。
〈残り4人だけ [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
そしてカードを買い占めているカイジとの勝負を受けてくれるはずもなく、カイジのカード買い占め戦略は破綻してしまう。
ヤケを起こしたカイジが自分の邪魔をした船井に殴りかかるが、返り討ちに合って鼻血を出してしまう。
その喧嘩の際に船井が口走りそうになったところから、カイジは船井がカードを配り直す際にイカサマを使った可能性に気付いた。
〈船井のイカサマに気付く [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
船井は配り直しの時に特定のカードに目印をつけ、ランダムに見せかけて狙ったプレーヤーに配っていた。
カイジにイカサマを言い当てられ、焦る船井。
他のプレーヤーも船井に疑いの目を向け、船井も完全に孤立するのだった。
〈戦略が破綻し孤立する船井 [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジが開いた突破口
このままではカードを使いきれず、カイジたちも船井も敗北が必死。
〈突破口に気付く [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
時間と共に閉塞感が強まるなか、ここでカイジが突破口に気付いた。
カイジは船井以外のプレーヤーに呼びかけ、自分が先にグー・チョキ・パーの3枚だけを伏せ、相手にカードを選ばせる形で公正な勝負をすることを提案。
〈他のプレーヤーに公平な勝負を提案 [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
イカサマのしようがない運否天賦の勝負に誘い、勝負せざるを得ない状況に持ち込んだ。
3人との勝負をカイジは1勝2敗で終え、残るは星にかなりの余裕がある船井だけ。
ここでカイジは星5つを賭けて勝負することを申し出るのだった。
〈船井に大勝負を仕掛ける [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
追い詰められた船井
船井は「Xと戦えばいい」と考えてカイジとの勝負を避けようとするが、そもそもカードの実枚数が電光掲示板と合わないのは当たり前だった。
なぜなら、途中であるプレーヤーがトイレにカードを破り捨て、黒服たちに強制連行されていったから。
トイレに流されたカードは電光掲示板にカウントされず、架空の存在「X」がいるように見えていたのである。
〈船井はカイジと勝負するしかない [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
船井が生き残る為にはカイジと勝負をするしかない―。
土壇場でカイジが船井を追い詰めたのだった。
船井から星をもぎ取り、1人犠牲となる決意を固める
今手持ちのカードはカイジたちの66枚と、船井の1枚。
つまり合計で奇数のカードしかなく、誰か1人がどう足掻いてもカードを使い切れずに落ちる状況。
〈手札は奇数にしかならない [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジは「オレが船井を抱いて堕ちる」と口にし、不退転の覚悟で船井に星5つの勝負を迫る。
カイジとの交渉が不可能と悟った船井は勝負を受けざるを得ず、カイジが最後の最後で星5つを勝ち取り、合計で星10個を確保した。
〈星10個を確保した [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
そしてカイジは宣言通り、星を古畑と安藤に託して大量のカードと共に堕ちることを決意。
カイジは勝負終了後に行われる星の売買のタイミングで、一度堕ちた人間たちも救済される可能性に賭けていた。
古畑と安藤が星3つを自分に与えて解放すれば助かる―。
仲間を信じ、カイジが覚悟を固めるのだった。
〈仲間を信じるカイジ [賭博黙示録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
【4巻のまとめ】
ゲーム終盤、膠着状態を打破するためにプレーヤーたちをまとめ上げてカードをシャッフルさせ、勝負を加速させる船井。
船井にペースを握られ買い占め行為が露呈したカイジだが、土壇場で船井がシャッフルのときにイカサマをしていたことを見抜く。
船井を孤立させ、船井はカイジと勝負しなければ手札を消化しきれなくなる状況に追い込んだうえ、最後の勝負で大量の星を吐き出させたカイジ。
合計で10個の星を確保したカイジたちだが、手札の数が奇数となり、誰か1人は必ず手札を消化しきれず失格になる状況。
ここでカイジは自ら犠牲になることを選択し、ゲーム終了後の星売買のタイミングで古畑と安藤に救済してもらうことを信じるのだった。
次巻へ続きます。
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