仕返しといたずらで人の命を奪ってしまったことにより、普通の人生ではなくなってしまった高校生たちの青春逃亡劇と生々しい人間のあらゆる本性、本質などの心理を描く。
凡下高校生徒の2年生・増渕トビオは、同級生の丸山友貴と伊佐美翔、OBで金持ちのパイセンこと小坂秀郎と共に、そこそこ楽しい日常を送っていた。
凡下高校の隣には不良校で有名な矢波高校があり、彼らに目を付けられてしまったマルはボコボコにされてしまう。
仕返しすることにしたトビオグループは夜間の矢波高校に忍び込み、パイセンの財力で作ったプラスチック爆弾を校舎の各場所に設置した。
翌朝、遠隔操作で爆弾を起動させ、矢波高をパニックに陥れていくがプロパンガスの近くに設置した爆弾の爆発がプロパンガスに誘爆し、死傷者も出る大惨事に発展するー。
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登場人物紹介
増淵トビオ(ますぶち トビオ)
本作品の主人公。凡下高校の2年生。
小学生のころ、熱くなってもいいことが1つもなかったため、そこそこの人生が理想だと思っている。
学校の決まりにより、部活に属してはいるが、名前だけのフットサル部で部員のマルや伊佐美、OBのパイセンと遊んでいる。
蒼川蓮子(あおかわ れんこ)
本作品のヒロイン。トビオの幼馴染で美少女。女子高に通っており、市橋と仲が良い。
市橋哲人(いちはし てつと)
矢波高校のトップに君臨する、筋金入りの高2ヤンキーで喫煙者。両親はおらず、祖母と2人暮らし。
不良である一方、飛行機のパイロットになるため、予備校に通っている。
自由気ままにイライラするという理由で矢波高の仲間と舎弟たちと共に他校の生徒たちを暴力行為で度々、いたぶっていた。
伊佐美翔(いさみ しょう)
トビオの同級生。お調子者だが、冷静なところもある。今宵と交際。
丸山友貴(まるやま ゆうき)
トビオの同級生。内向的だが冷酷で腹黒い性格。特技は書道。家族は母親が登場。
矢波高の生徒に「死ね」と言ったことから、報復で拉致され、別高校の水前寺と殴り合いをさせられる。
勝利したが、市橋たちには許されず、リンチされた。これにより、トビオたちは矢波高への報復を行い、爆破事件に発展する。
小坂秀郎(こさか ひでろう)/パイセン
凡下高校フットサル部のOB。20歳。関西弁で喋る陽気な男で金持ち。
母親を幼いころに亡くし、会ったこともない父親から贈られてくる金で生活には困らなかったが、愛情を持って育ててくれる人がいなくなったため、金でしか、コミュニケーションがとれなくなっていることを内心では悩んでいる。
新里今宵(にいさと こよい)
伊佐美と付き合っていたが、伊佐美の逃亡後、入り浸りになったトビオが童貞を喪失した相手。巨乳で小動物系のエロかわ女子。
増淵ハル
トビオの妹。兄のことは「お兄」と呼んでいる。
トビオの母
トビオの母親。優しい性格だが、家族は皆、トビオの犯罪を知らずにいる。
松崎健象(まつざき けんぞう)
矢波高校の生徒。
象の被り物をした色黒なマッチョ。
今宵の父
今宵の父親。マグロ漁船で働いている。
真良中幹男(まらなか みきお)
パイセンそっくりの男性。矢波高爆破事件の犯人として自首してきた。その正体は、妻子持ちの元ホームレス。
飯室成男(いいむろ なるお)
冷徹な刑事。人間のあらゆる心理の本質を的確に見抜き、罪を犯した者たちが裁かれることも償うこともなく、自由に生きることを何よりも嫌悪している。
水前寺(すいぜんじ)
とある上位高校と「行進ハイスクール」の生徒。
マル同様に市橋たちに攫われ、マルと決闘させられて敗北。
罰として、市橋たちの手で腕に"ウンコ"とピンで彫られる。
輪島宗十郎(わじま そうじゅうろう)
警察組織の上層部にも顔の利く、冷酷な風俗界のドン。
沢山の愛人を持ち、13番目の愛人・「早季絵」に小坂秀郎(パイセン)を産ませるが、秀郎の顔を見た途端に言った「不細工」の一言で早季絵と疎遠なってしまい、彼女が秀郎を大事にしていたため、これまでお金を渡していた。
秀郎とは赤子、幼少、20歳の時の再会を含めて三度会っており、その度に不細工と思うなど子供に対する父親としての愛情は一切ない。
輪島玲夢(わじま れいむ)
パイセン(小坂秀郎)の異母弟で、輪島の2番目の愛人の子。
入れ墨だらけのヤクザまがいの男で誰かの目をくりぬいたことがある危険人物だが、父・宗十郎には従順。
ヤング
自称「万引き二段」のホームレスで同性愛者の男性。「オープン・ザ・ゲート」が口癖。
夏っちゃん
10年後の世界に登場した女性。
蓮子と別れた後のトビオの新しい恋人であり、トビオと同じマンションで暮らしている。
ワタル
10年後の世界に登場した高校2年生。
そこそこの人生で終わらない有名人としてのヒーロー願望があるが、芸能プロダクションのオーディションには落選、校内での伊達眼鏡を使ったイメチェンもうまくいかず、勉強も志望校には届かずにいることから、自身がどうあがいても凡人のスペックで選ばれし者の一人ではないことにはすでに悟っている。