不遇の人生を送ってきた3人の少年が窃盗団「バックスカーズ」を結成し、悪党だけをターゲットに強盗や窃盗を敢行していくクライム・ストーリー。
タイトルは「ギャング」と「マングース」が由来で、犯罪者だけをターゲットにする主人公たちを、毒蛇を食うマングースになぞらえたもの。
社会の底辺に生きる少年たちの生い立ちと窮状を正面から描き、そして犯罪の手口までもリアルに描く社会派漫画でもあります。
詳細な取材に基づき。業界で使われる用語や事情などにも丁寧な解説もされているのでただただ勉強にもなります。
非行に走らざるを得ない少年少女たちへの理解を深めるような、考えさせられる作品です。
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登場人物紹介
<バックスカーズ>
神童一樹/カズキ
窃盗団の工具全般担当(バカ担当)でリーダー。
少年院の技能教育から工具の扱いに長け、また性別・年齢を問わない「他人の声マネ」という特技を持つ。
幼い妹と共に母とその恋人からひどい虐待を受けて育った。
少年院でもひどいいじめを受けるが心身ともに非常に打たれ強く、「犯罪者から盗んだ金で日本を買い、自分のようなガキが一人もいない国を作る」という夢を本気で語る。
仲間想いで、また不思議と周囲を味方に巻き込んでいく性格。
斉藤恵吾/サイケ
窃盗団の情報収集・標的選定担当(イケメン担当)。
グループ1のイケメンで、ツッコミ役。頭が切れ、ターゲット選定や情報収集を担う。
ドラッグ中毒のシングルマザーの家庭で、兄の恵一郎と共にネグレクト状態で育った。
武藤武夫/タケオ
窃盗団の車両・機動担当(やさしさ担当)。
チームで唯一腕っぷしが強い怪力の巨人だが、性格は優しく、おとなしく、涙もろい。
ドライビングテクニックと車両関係の知識が抜群。
父親を亡くしてからは叔父一家に引き取られ、厄介者として扱われた生い立ちを持つ。
ユイカ・チャン
窃盗団のカギ担当(カワイさ・癒し担当)。
中国人の母親を持つ幼い少女。極めて人懐こい性格。
母親が日本から中国へ強制送還されるために拘留され、建築資材窃盗を働くグループの男のもとで暮らしていたがカズキ達に拾われ養育されるようになる。
ワンコR2000
カズキ達の飼い犬。後足が不自由で、車輪付きの台に乗っている。
<バックスカーズの協力者>
楊戮力(ヤン・ルーリー)
華僑であり、盗品を現金化する「沈め屋」のチャイニーズマフィア。
カズキ達を現実的な観点から諌める一方、窮地には命懸けで手を差し伸べる第一の仲間。
表の稼業としては叔父と共に中華料理店を経営する。
高田徳人
裏稼業界の「道具屋」。犯罪に必要なツールや情報を売買する闇商人。
金を稼ぐ能力はずば抜けて優秀だが、人と信頼を築くことに重きを置かない性格。
上村洋介
サイケの少年院時代の同窓。
カズキ達に振り込め詐欺組織の内部情報を提供し、その金庫を盗ませた協力者。
画才があり、バックスカーズのマークも手がける。
マルコス・ヤマダ
日系移民の子孫で、在日ブラジル人二世。
同じ境遇である外国人二世の少年らと走り屋チームを形成し、様々な犯罪に手を染めながら、その収益で差別と貧困に苦しむ同胞らのための街を作ろうとしていた。
張本
カズキたちが襲った詐欺店舗で金庫の見張りをしていた現場要員。
カルロス
タケオの少年院時代からの親友。
走り屋兼メカニックで、仲間と共に派遣型風俗の送迎を請け負って生計を立てる。
<裏稼業人>
安達智也
10年以上前に東京全域を武力制圧した暴走族の初期幹部にして裏稼業の頂点に立つ『六龍天』の一人。
有り余る資産を持ちながら表立っては使えない裏稼業富豪であり、人生に退屈し、かつ絶望している。
ヤクザの木下力也は腹違いの兄。
加藤/武藤翔
安達の下で詐欺店舗を運営する、業界屈指のスーパー番頭。
裏切りに厳罰で処する一方で面倒見が良く、下の者から慕われている。
貧困に苦しむ地元の後輩を救うために上京して裏稼業人になったが、優秀であるほど足抜けできず使い潰される番頭という境遇に苦悩している。
来栖大樹
カズキが詐欺店舗に潜入した際の同期研修生。詐欺プレイヤーとしての名はチェリー。
アゲハ
加藤の詐欺店舗の女性副店長。
駆け出しのころから加藤に目をかけられて有能なプレイヤーにまで上り詰める。
加藤とは相互に信頼を抱く仲。
ゲーテ
加藤の詐欺店舗の副店長。
壮年に近い年齢の男。経歴不明だが詐欺業界に広く通じ、「プロの詐欺屋」を自任する。
鰯田
カズキが詐欺店舗に潜入した際の同期研修生。
妻子持ちでありながら風俗狂いで身を持ち崩し、遣い込みによって勤務先を追われ裏稼業に落ちた。
超一流の「泣き」の演技と総合格闘技で鍛えたテクニックが武器。
剛力
カズキが詐欺店舗に潜入した際の同期研修生。
気性が荒く、激昂する演技に適性がある。
<ヤクザ>
宮島
講談会三次団体の幹部で、シャブと風俗をシノギにしているヤクザ。
営利目的で下の者を切り捨てる『六龍天』のような半グレを嫌う一方、「任侠」や「男気」を感じさせる人間を好み、カズキ達の行動を高く買う。
祐二
宮島の舎弟。
木下力也
安達の腹違いの兄でケツ持ち。巨大指定暴力団・集英会の二次組織(プラチナ)三役の博徒系ヤクザ。
強面の巨漢で、常軌を逸した怪力を持ち、人を二度も殺めた『狂犬』として裏社会でも恐れられている。
<その他>
アヤミ
カズキの異父妹。
カズキが少年院に入ったのち児童養護施設で育つが母のドラッグ代のために売春に手を染めるなど、荒れた生活に身を置いていた。
カズキの母
カズキとアヤミの母。ドラッグ中毒。