デブでオタクのカズキ、イケメンで情報収集担当のサイケ、運転・機動担当のタケオの3人は被害届の出せない悪党だけを狙う窃盗団、通称「バックスカーズ」。
サイケの同窓で振り込め詐欺グループに属していた洋介との内通を皮切りに次々と熟練したテクニックと連携で金を盗み出していく。
親から虐待され、少年院でも酷いイジメを受けながらも強く生きてきたカズキの夢は、犯罪集団の金を横取りしていつか日本を買収し、恵まれない子供たちの将来を守ることにあった。
チャイニーズマフィアのヤンの協力を得て、行くあてのない少女ユイカを引き取り世話することとなったカズキたち。
カズキ達は詐欺にかかりやすい高齢者がたくさん住む南ニュータウンに注目し、悪徳業者から保管品をコンテナごと盗み出すことに成功。
チャイニーズマフィアに丸ごと売り、カズキは得た金でサイケの兄の借金を返済するためにヤクザの宮島のもとを訪れる。
宮島はカズキが「バックスカーズ」の一員で裏稼業界の頂点に立つ六龍天の関わる詐欺店舗をも襲うと知り、カズキのことを気に入るようになった。
宮島との繋がりができたカズキ達は、次に洋介や地元の不良であるサップが新たな大口詐欺を働いているところを目撃し、一攫千金を狙う。
カズキたちは洋介を説得して味方に引き込むが、裏切りが番頭の加藤にバレ、金の在りかをカズキ達に知らせるも拘束されてしまう。
加藤が持つ金を追ってカズキは親玉である安達という男に辿り着くが、サイケ・タケオも加藤らに捕まってしまった。
そんななか安達は暇つぶしがてら3人の命を賭けた超高額のバカラ勝負をカズキに提案する。
カズキは強運で勝ちを拾いサイケとタケオを解放させるが、加藤に捕まった洋介は粛清されてしまうのだった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
六龍天の怖さを思い知る
重体のサイケとタケオを救うため、カズキはヤクザの宮島を頼る。
六龍天の安達の情報を得た宮島はツテのある病院を紹介し、2人は手術の末に一命をとりとめた。
安達を潰す作戦を練るためにカズキは高田を呼び寄せ、ヤンと引き合わせる。
しかしアジトである中華料理屋の情報が安達たちにもうバレたのか、クール宅急便で洋介の切り落とされた片腕とカズキが勝ち取った2000万が送られてきた。
〈六龍天の怖さを知る[ギャングース 5巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
改めて六龍天の持つ力の強さを思い知るカズキたち。
それでも安達潰しを諦めようとしないカズキに高田も突き動かされ、トイレの個室で密談の末、手を組んだ証に互いのメガネを交換し合う仲となるのだった。
〈カズキと高田が組む[ギャングース 5巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
生死の境を彷徨うサイケ
幼いころからドラッグ中毒の母を持ち、兄と一緒にネグレクトを受けて育ったサイケ。
人生に希望を見出せないなか、同じ少年院で明るく前向きに生きるカズキとタケオと出会った。
同じタイミングで出所したが行くアテもなく、2人とはそれ以来一緒に行動する仲に。
そんな過去が脳裏に蘇りながら病室で目を覚ましたサイケ。
〈意識を取り戻したサイケ[ギャングース 5巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
カズキの書き置きで洋介が死んだかもしれないことを知るが、その頃カズキは高田や宮島と組み、安達潰しに向けて別行動に出るのだった。
加藤の詐欺店舗に潜入せよ
高田の指示のもと、ホームレスの集まる公園に滞在して裏稼業のスカウトを待つカズキ。
〈スカウトされるのを待つ[ギャングース 5巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
狙うは安達の息がかかった番頭・加藤が運営する詐欺店舗からのスカウト。
そこにカズキが内偵として潜入し、上手くいけば加藤以下の実働部隊を一気に乗っ取るという作戦である。
そして、1週間ほどしてカズキにその店舗からスカウトがかかる。
カズキは見るからに怪しく頭も足りないブタだったが、詐欺に使うシナリオのテストで驚くべき演技力と幅の広さを披露し、合格を勝ち取った。
〈面接に合格[ギャングース 5巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
ここからカズキは北関東の山中にある詐欺の店舗に潜入し、実働部隊として研修を受けることとなる。
山奥での詐欺研修が始まる
山奥の小屋に集められたカズキたち。
マネージャー役の小柴が説明し、普段は姿を現さない番頭の加藤もゲキを飛ばしに来た。
目標は最低で1千万、1億も狙う。
研修に参加するのはカズキの他に以下の5人。
来栖大樹…前職は闇金の店長。
鰯田…妻子持ちでありながら風俗狂いで身を持ち崩し、遣い込みによって勤務先を追われ裏稼業に落ちた。
剛力…気性が荒く、詐欺店舗に入る前の職場は内装業者だったが、親方とトラブルになり、刺傷して賠償を請求されている。
毒川…悪徳の宝石・不動産営業出身。
杜…大学4年。学費をパチンコにつぎ込み、得意の弁論を活かして金稼ぎを狙う。
この中から研修を生き残れるのはたった3人。
〈地獄の研修が始まる[ギャングース 5巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
地獄の研修が始まろうとしていた。
地獄の研修で才能が開花
研修の最初は各自の人生の失敗をさらけ出し、いったんズタボロになるまで全員で罵倒するもの。
自尊心まですべて打ち砕いた後に、これからの再起を全員で力強く促す。
こうして洗脳を施した翌日は、携帯を腕に固定してひたすら詐欺の実技練習。
ここでそれぞれが工夫しながらテクニックを磨いていく。
毒川は前職で仕込んだ営業トークでシナリオをアレンジし、杜はその記憶力で毒川のトークを模倣。
剛力は気迫のキレ芸で相手に考えさせる余裕を与えない。
〈自ら考え工夫を始める[ギャングース 5巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
そんな中、意外な才能を見せたのは鰯田。
聞く者を引き込む泣き芸で加藤らと共に詐欺のお手本を見せ、一同は感激する。
目指すべき姿を目の当たりにしてやる気に火が付くなか、カズキだけはマイペースを貫き思うように成績が残せない。
しかし最終日に班別の実演でカズキの才能が開花。
カズキはサラリーマンや少女などを完璧に演じ、詐欺を成功させてみせるのだった。
〈女子にもなりきるカズキ[ギャングース 5巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
【5巻のまとめ】
六龍天の怖さを思い知ったカズキだが、高田と組んで安達潰しに向けて動き出す。
カズキは加藤が営む詐欺店舗にプレイヤーとして潜入し、山奥での詐欺研修が始まる。
6人のうち3人しか合格できない地獄の研修でそれぞれが才能を発揮し出すなか、カズキは最終日に驚異的な演技力の幅を見せ、周囲を驚かせるのだった。
次巻へ続きます。
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