父に虐待され、母は薬物中毒で入院。
幼くして入所した児童保護施設でも性のトラウマを抱えながらも、ヤクザの所沢との出会いをきっかけにプロボクサーとなったリク。
目標は所沢が現役時代に持っていたOPBFのチャンピオンベルト。
幼少期のトラウマをバネにプロとなったリクは新人王戦の2回戦でライバルとなる同世代の天才ボクサー兵動から大金星を挙げて躍進。
同じライト級の三原や王者の椿らに合同合宿にも誘われ、ボクサーとしての輪も広がっていき、さらにハードパンチャーのガーベラにも勝ったことで日本ランク入りを果たした。
リクは三原の妹であるナズナと出会い、その同僚である伏黒に勝利してA級に昇格する。
続く試合では三原がベルトを賭けて元OPBF王者の柳に挑むが惜敗。
三原の先輩分の椿はOPBF王者となり、先に前へと進む。
リクは三原の敗戦に悔しさを噛みしめながらも、チャンピオンカーニバルへの挑戦権を賭けたA級トーナメントに挑む。
初戦で世界でも有数のトレーナー、キング・フレディを師に持つ水木との激闘を制したリク。
準決勝ではアジア王者のタイトルを持つ神代と激突。
神代の勢いとパンチ力に圧倒されるリクだが、馬場は神代に殴られることでリクが覚醒することに賭けている。
何もできず一方的に攻められる展開、しかしリクの中で何かが変わり始めていた―。
14巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
リクvs神代 A級トーナメント準決勝第1試合 決着
防御する腕にも限界が近づき、リクがノーガードに切り替える。
神代の拳に呼応するかのようにリクの動きにキレが蘇り、パンチの相打ちから今度はリクがダウンを奪った。
リクもだんだんと相手を殴ることが楽しいという気持ちを自覚し始める。
〈楽しみに気づくリク [リクドウ 14巻](c)集英社/松原利光〉
弱い自分を否定するために殴るのではなく、ボクシングが好きだから笑って殴るのである。
吹っ切れたリクと全開の神代が激突する第4R。
神代がこれまで相手を殺しかねないために課してきたリミットを排除し、渾身のパンチがリクを襲う。
対するリクも会心の左ストレートで神代の頭を打ち抜き、ダブルノックダウン。
〈全て出し切った2人 [リクドウ 14巻](c)集英社/松原利光〉
レフェリーはカウントせずに試合を止め、両者全てを出し尽くしたドローとなった。
起きてしまったリング禍
全てを出した神代は倒れたままの神代に再戦を誓おうとする。
しかし神代が目を覚まさない。
次第に大きなイビキをかきはじめ、脳内出血の疑いから緊急搬送されていく。
処置もむなしく運び込まれた病院で神代は息を引き取ってしまう。
〈神代が息を引き取る [リクドウ 14巻](c)集英社/松原利光〉
涙に暮れるユカリ。
リクは病院を抜け出して神代の葬儀に参列し、焼香をあげる。
ユカリは愛する弟を奪ったリクに殴りかかろうとするが、神代に初めて全力を出させたことにトレーナーとして感謝の意を表した。
〈ユカリの激励 [リクドウ 14巻](c)集英社/松原利光〉
リング禍に追いやったボクサーのほとんどはトラウマから引退してしまうが、リクは神代に教わった純粋に楽しむ気持ちを胸に、天辺を目指すことを誓う。
苗代もそんなリクを支えるべく、優しく包み込むのだった。
〈リクを支える苗代 [リクドウ 14巻](c)集英社/松原利光〉
劉vs兵動が決勝に
リクと神代、2人ともトーナメントから脱落したことで次戦の兵動と劉の試合が決勝となる。
〈決勝は兵動vs劉 [リクドウ 14巻](c)集英社/松原利光〉
兵動の立ち上がりは絶不調であり、第1R早々に劉が先制するのだった。
【14巻のまとめ】
神代の拳に呼応するかのようにボクシングを楽しむ気持ちに気づいたリク。
互いにすべてを出し切った死闘はダブルノックダウンによるドローとなる。
しかし神代は意識を失ったまま帰らぬ人となってしまった。
相手を死に追いやった自責の念に駆られるリクだが、苗代をはじめとする周囲に支えられ天辺を目指すために再び前を向く。
他方、A級トーナメントは劉と兵動の試合が決勝戦という扱いに。
日本タイトルへの挑戦権を賭けて2人の闘いが始まった。
次巻へ続きます。
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