父に虐待され、母は薬物中毒で入院。
幼くして入所した児童保護施設でも性のトラウマを抱えながらも、ヤクザの所沢との出会いをきっかけにプロボクサーとなったリク。
目標は所沢が現役時代に持っていたOPBFのチャンピオンベルト。
幼少期のトラウマをバネにプロとなったリクは新人王戦の2回戦でライバルとなる同世代の天才ボクサー兵動から大金星を挙げて躍進。
同じライト級の三原や王者の椿らに合同合宿にも誘われ、ボクサーとしての輪も広がっていき、さらにハードパンチャーのガーベラにも勝ったことで日本ランク入りを果たした。
リクは三原の妹であるナズナと出会い、その同僚である伏黒に勝利してA級に昇格する。
続く試合では三原がベルトを賭けて元OPBF王者の柳に挑むが惜敗する一方、椿がOPBF王者となる。
リクは三原の敗戦に悔しさを噛みしめながらも、チャンピオンカーニバルへの挑戦権を賭けたA級トーナメントに参戦。
初戦で世界でも有数のトレーナー、キング・フレディを師に持つ水木との激闘を制し、準決勝ではアジア王者のタイトルを持つ神代と激突。
互いにすべてを出し切った死闘でリング禍が起こり、神代が帰らぬ人となる一方でリクもケガにより棄権した。
A級トーナメントは劉と兵動の試合が決勝戦という扱いとなり、父親譲りのアッパーを武器に兵動が優勝、日本王者である柳への挑戦権を手に入れた。
OPBF王者のベルトを返上し最強王者カーンへの挑戦を狙う椿は天才カウンターパンチャーのホセに勝利。
椿の後に続けとばかりにA級トーナメントを制した兵動が柳に勝利し日本タイトルを獲得。
一方のリクはフィリピンの英雄アランを完全アウェーのなか破り、OPBFのベルトを賭けてリクと兵動が再戦。
互いの母に捧げる試合は序盤から全開の攻防を見せリクは左拳を負傷しながらも死闘を制してOPBFの王者となった。
勝って母と再会を果たしたリクは無事、母の最期を見届ける。
他方、世界タイトルを賭けて最強王者カーンへ挑戦する椿。
勝負は最終Rまでもつれ込む死闘の末、惜しくもカーンに敗れた。
その敗戦を見ていたリクもまたモチベーションを見失っていたが、江原先生との再会を経て再び試合に臨む決心を固める。
相手はリクに強い興味を持ったカーン。
まさかの最強王者との戦いに向け、所沢が再びリクの前に姿を現すのだった。
23巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
所沢の教え
再びリクの前に姿を現した所沢。
解放骨折している左拳は打てても数発。
これまでの想いをぶつけるリクに対し、所沢もカーンに通用するであろうパンチを教えて応える。
〈所沢の教え [リクドウ 23巻(完)](c)集英社/松原利光〉
闘う覚悟を固めるカーン
一方、カーンもリクとの戦いに向けて自分を追い込んでいた。
軍人だったころに体験した、幼い子供たちの死を覚悟した自爆特攻。
全てを投げうって何度でも立ち上がりながら攻めてくるリクはその子供たちを思い起こさせ、その恐怖を克服するためには自分も全てを捨てる覚悟が必要。
そう言ってカーンは「負けたら離婚」を決め、愛する家族を捨ててまで戦う覚悟を決めるのだった。
〈カーンも全てを捨てる覚悟 [リクドウ 23巻(完)](c)集英社/松原利光〉
リクvsカーン エキシビションマッチ
そしてリクとカーンの試合の日。
チャリティマッチではあるものの、ボクシング界の注目を浴びる一戦となる。
リクがこれまで戦ってきた対戦相手らを含め、日本中が見守る。
試合前は穏やかな表情を見せる2人だが、試合となれば一変。
〈リクvsカーン [リクドウ 23巻(完)](c)集英社/松原利光〉
ゴングが鳴ると早速カーンが攻め、リクの左を引き出そうとする。
限られた左を序盤から放つリクだが、それを読んでいたカーンも遊ばずに試合を決めに行く。
リクもまた、カーンのパンチの衝撃をヘッドスリップで受け流しながらカウンター。
1発目の左をカーンのボディに突き刺した。
〈1発目の左 [リクドウ 23巻(完)](c)集英社/松原利光〉
なんとかカーンを相手に食らいついていくリクだが、次第に地力の差が出始める。
2発目の左を放つもカーンに圧倒され、1R終了間際に強烈なカウンターを食らったリクがダウン。
〈リクがダウン [リクドウ 23巻(完)](c)集英社/松原利光〉
なんとか脱力で衝撃を逃がしKOを免れ1Rを終えるが、左拳から血がしたたり満身創痍のリク。
その姿を見て初めてリクを一人前と認めた馬場がリクの背中を押し、気合を引き締めて2Rが始まる。
リクは所沢に教わった右のジャブを軸にカーンにプレッシャーをかけていく。
〈所沢の教えで流れを変える [リクドウ 23巻(完)](c)集英社/松原利光〉
流れの中で3発目の左をカーンの顔にクリーンヒットさせ、一気に乱打戦に持ち込んだ。
4発目の左もカーンを捉えリクの左拳が悲鳴を上げるが、この先の選手生命を捨ててでも限界を超えてさらに攻める。
〈左拳が限界に [リクドウ 23巻(完)](c)集英社/松原利光〉
ギアを上げて対抗するカーン。
リクの5発目の左は芯の急所を打ち抜き、負担がかからない完成されたパンチでついにカーンからダウンを奪ったのだった。
〈限界の先へ [リクドウ 23巻(完)](c)集英社/松原利光〉
エピローグ
1年後。
リクの撒いた種が芽生え馬場ジムにも活気が戻る。
江原もまた記憶を回復し、成長したリクと苗代の姿を見守っていた。
カーンとの激闘を終えたリクも選手生命は繋がり、所沢が正式にトレーナーとして日本で活動できるようになるまで海外を拠点にフリーランスのボクサーとして活動する方向を固める。
そんなリクを今まで通りこれからも支える苗代。
リクもまた、これまで自分を支えてきてくれた人と人との繋がりにまっすぐに向き合い、性のトラウマを克服してついに苗代と結ばれる。
〈ようやく苗代と結ばれた [リクドウ 23巻(完)](c)集英社/松原利光〉
誰かを支えられる手がほしい。
ずっと願っていたその手はすでにリクの手にあったのだった。
【23巻(完)のまとめ】
日本中の期待を背負ってカーンに挑むリク。
チャリティマッチではあるものの勝負は真剣勝負となり、限界を超えて殴り合う2人。
その戦いの中でリクは自分の生きていく道を見つけ、最強王者からダウンを奪うに至った。
その後、一時は選手生命が危ぶまれる怪我を負っていた左拳も完治し、所沢をトレーナーにつけてボクサーとして活動を続けるリク。
自分をずっと支えてきてくれた苗代とも無事に結ばれたのだった。
次巻へ続きます。
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参考ドン底の人生で見出した自分の生きるべき道はボクシングだった『リクドウ』全23巻【ネタバレ注意】
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