デブでオタクのカズキ、イケメンで情報収集担当のサイケ、運転・機動担当のタケオの3人は被害届の出せない悪党だけを狙う窃盗団。
サイケの同窓で振り込め詐欺グループに属していた洋介との内通を皮切りに次々と熟練したテクニックと連携で金を盗み出していく。
チャイニーズマフィアのヤンの協力を得て、行くあてのない少女ユイカを引き取り世話することとなったカズキたち。
親から虐待され、少年院でも酷いイジメを受けながらも強く生きてきたカズキの夢は、犯罪集団の金を横取りしていつか日本を買収し、恵まれない子供たちの将来を守ることにあった。
カズキ達は詐欺にかかりやすい高齢者がたくさん住む南ニュータウンに注目し、そこで押し買いを働く悪徳業者の保管品をコンテナごと盗み出すことに成功するが、コンテナの中身がわからないため現金化する手段に困ってしまう。
金に困り焦るサイケはヤンを頼り、買い手になりそうなチャイニーズマフィアとの交渉に臨むが、チャイニーズマフィアの流儀に反したことでヤンともども殺されかけるハメに。
そして仲間のピンチにタケオとカズキが駆け付け、チャイニーズマフィアに対峙するのだった。
3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
カズキ達を救ったユイカの存在
カズキが迫るもチャイニーズマフィアは一歩も引く気配はない。
「全員殺す」と吐き捨てたとき、ヤンに電話しながらユイカが乱入してきた。
華僑で身寄りのない子の面倒をカズキやヤンたちが本気で見ていると知ったチャイニーズマフィアは、その姿勢を認め殺すのを思いとどまる。
〈ユイカの為に身体を張るカズキ [ギャングース 3巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
現金を与え、取引のことを忘れることとユイカの面倒を見続けることを条件にカズキたちは解放。
重傷を負ったサイケに治療を施すべく、闇の診療所へ急ぐのだった。
ヤクザに捕まっていたサイケの兄
怪我を負ったサイケは、自分の身よりも実の兄のことを案じる。
サイケの兄はヤクザの宮島に捕まっており、兄の借金を肩代わりしなければ海外治験へ売り飛ばされてしまう。
〈ヤクザに捕らわれたサイケの兄 [ギャングース 3巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
兄を助けるため、チャイニーズマフィアからもらった金を返済に回したいサイケは、大一番で奇跡を起こすカズキに金を預け、望みを託した。
サイケはチャイニーズマフィアから闇の診療所として紹介された華僑が営む中華料理屋に運ばれ、その店主がサイケをそのまま手術、一命をとりとめる。
一方のカズキはヤクザの宮島のもとを訪れる。
カズキは言われた通り200万円を差し出すが、宮島はサイケの兄の面倒を見るのにかかった経費などを上乗せして要求し、タダでは返さない。
〈ヤクザの宮島とサイケの兄 [ギャングース 3巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
追い込まれたカズキはサイケの兄を諦めて帰ろうとするが、それも許さず身ぐるみはがされてしまう。
服もすべて奪われると、カズキの背中に残る凄絶な虐待・イジメの傷跡が露となるのだった。
〈カズキの背中の傷 [ギャングース 3巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
謎の窃盗団「バックスカーズ」
カズキとアヤミは、母の恋人から虐待を受けていた。
気に入らないことがあると暴力をふるう恋人に母も逆らうことはできず、妹を守る為にカズキが常に身体を張る。
その傷跡を目にした宮島は、カズキが巷で噂の謎の窃盗団「バックスカーズ」であることを見抜く。
〈バックスカーズ [ギャングース 3巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
宮島の持つヤクザの情報網でカズキたちがやったことは筒抜け。
カズキたちが窃盗した振り込め詐欺の金庫は、関東の裏稼業の頂点に君臨する「六龍天」と呼ばれる幹部が絡んだものだったようだ。
〈六龍天の噂 [ギャングース 3巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
宮島はカズキたちのことを気に入り、サイケの兄と200万円を返す漢気を見せる。
その代わり、シノギの邪魔をする敵対勢力をカズキたちに狙わせることに。
〈カズキを気に入った宮島 [ギャングース 3巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
何はともあれ、サイケもサイケの兄も救うことに成功するのだった。
次の狙い目はまたも南ニュータウン
一連の窃盗を乗り越えたサイケたち。
しかしヤンや高田への支払いやかかった経費を引くと、手元にはほとんど残らない。
窃盗稼業はいつまでも続けられるものではないと知っているサイケ達がいつも通りキャバクラで大きいターゲットを探していると、偶然にも振り込め詐欺のときに情報をくれた洋介と、地元で名の知れた不良であるサップが一緒に行動しているところに出くわす。
〈洋介とサップに遭遇 [ギャングース 3巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
運悪くサップらに見つかってしまうが、何とかカズキの機転で切り抜けるサイケたち。
洋介やサップは裏稼業がかなり好調なようで、サイケはキャバ嬢から得た情報で狙いを定めていく。
聞こえてくる言葉を繋ぎ合わせ、南ニュータウンで未公開株詐欺をしていることを突き止めるのだった。
〈ターゲットが決まった [ギャングース 3巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
洋介の妨害
変装しながら盗聴・尾行で情報を集めるサイケたち。
組織が狙っているのはただの未公開株詐欺ではなく、金山の採掘にかかる投資詐欺。
しかし途中で洋介がサイケの尾行に気づき、妨害。
〈サイケに気づき妨害に出る洋介 [ギャングース 3巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
洋介とて、また同じように所属グループが窃盗の被害に遭えば共犯と見做されるのは確実。
今回はサイケたちと距離をおきたい洋介と、一攫千金を狙うサイケたち。
車にGPSを仕込んでアジトの特定を狙うカズキだが、そのGPSも洋介に無効化されてしまうのだった。
〈念には念を入れる [ギャングース 3巻](c)講談社/肥谷圭介・鈴木大介〉
【3巻のまとめ】
華僑で身寄りのないユイカの面倒を見ていることがチャイニーズマフィアの心を打ち、金と共に解放されたカズキたち。
重傷を負ったサイケは闇の診療所で一命をとりとめ、カズキは得た金でサイケの兄の借金を返済するためにヤクザの宮島のもとを訪れる。
宮島はカズキが巷で噂の窃盗団、通称「バックスカーズ」の一員で裏稼業界の頂点に立つ六龍天の関わる詐欺店舗をも襲うと知り、カズキのことを気に入るように。
宮島との繋がりができたカズキ達は、次に洋介や地元の不良であるサップが新たな大口詐欺を働いているところを目撃し、一攫千金を狙う。
しかしカズキたちの狙いに気づいた洋介は、自分の身を守る為その追跡を妨害するのだった。
次巻へ続きます。
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