ジジイの立てる計画のもと、殺し屋のイチがヤクザ組長の安生を殺害。
若頭の垣原は事件と確信し、犯人探しを徹底的に行うことを決意した。
しかしそれもジジイの計画通り。垣原たちの動きを注視しながら、両者の距離が縮まっていく。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
垣原に情報を吹き込むジジイ
安生を必死に探す垣原たち。
ジジイは仕掛けた盗聴器で垣原たちの動向を確認しながら、単身でヤクザマンションへ乗り込んでいく。
キャバクラで出会った垣原に情報を持ってきたフリをしながら、垣原の動きを操作するためである。
ジジイは垣原に「中国の爆窃団に組の金庫を襲う計画があったらしい。船鬼一家の鈴木が仕切っている」と吹き込んだ。
〈垣原に情報を吹き込むジジイ [殺し屋1 2巻](c)小学館/山本英夫〉
同じ三光連合傘下の船鬼一家の仕業と聞いて半信半疑の垣原だったが、ジジイは「裏ビデオのシノギを安生組に取られて不満がたまっているらしい」などと丸め込んでいく。
そして「その爆窃団も同じマンションに住んでいる」と極めつけの一言。
ジジイの狙い通りに船鬼一家へ敵意を抱いていく様子を盗聴しながら指示を待つ昇・龍・井上の3人。
実はこの盗聴器は井上が仕掛けたもの。井上は元安生組の構成員で、ジジイの指示のもと顔を整形してバレないようにしながら仕掛けていたのである。
〈整形した元安生組の井上 [殺し屋1 2巻](c)小学館/山本英夫〉
垣原と船鬼一家の抗争へ発展
ジジイの案内のもと、爆窃団のいると思われる部屋に押し入る垣原たち。しかし部屋には生活痕があるものの誰もいない。
垣原は情報屋のカレンにも船鬼一家の鈴木が不満を溜めていることの裏を取り、さらに風呂場から安生のものと思われる金歯を発見したことで鈴木を直接拷問することを決める。
この金歯もおそらくはジジイが仕込んだもの。ジジイの思惑通り、垣原たちと船鬼一家の間で抗争へと向かっていく。
さっそく鈴木の身柄をさらい、拷問にかける垣原。
〈垣原は早速、鈴木を拷問 [殺し屋1 2巻](c)小学館/山本英夫〉
情報がガセだったときの保険としてジジイも拷問部屋に同行させられている。
垣原は爆窃団と思われる中国人たちの行方を聞くが、実はその中国人たちはただのチンピラ。
さらに鈴木は安生組に黙って中国人のチンピラに裏ビデオをダビングさせていたため、中国人たちのことについて詳しく話すことができない。
そこまで読み切っていたジジイはうまく情報を操作し、「本当に鈴木の仕業だった」という空気を作り上げる。
しかし真犯人ではない鈴木は安生については本当に何も知らず、ついに沸騰した油を背中や頭にかけられ、垣原へ強い遺恨を残して重傷を負った。
〈鈴木に沸騰した油をかける垣原 [殺し屋1 2巻](c)小学館/山本英夫〉
と、ここで鈴木への拷問の情報をキャッチした船鬼一家が部屋に押し入ってきた。(盗聴していた昇たちがタイミングを見てタレコミを流した)
部屋は一触即発の空気に。
しかしジジイは混乱に乗じて部屋から脱出し、垣原たちはジジイに踊らされていたことに気づく。
謂れもなく拷問を受けた船鬼一家の鈴木。
その場がそのまま収まるはずもなく、あろうことか垣原は船鬼一家を挑発してケンカを売る。
船鬼は売られたケンカを買うかたちで、マンション内では御法度を破って発砲。
〈垣原と船木一家が抗争へ [殺し屋1 2巻](c)小学館/山本英夫〉
こうして垣原たちと船鬼一家は敵対関係へと突入した。
しかし上部団体は内部抗争を許すはずがなく、金で解決するはずである。
両者の間に残った強い遺恨と、動くはずの大金。ジジイはそこに狙いを定めていた。
自ら殺人を決意するイチ
イチは道場でいじめられっ子の子供にキックを教えるが、自身ではその子にいいところを見せることができない。
そのストレスを再び発散するようにピンサロのセーラのもとへ。
セーラは先日よりも激しいDVで鼻を骨折していた。
セーラのことを優しく気遣うイチに対し、「(彼氏のことを)いっそのこと殺してやりたい」とつぶやくセーラ。
その言葉を聞いたイチは「殺してあげるよ」と本気で受け止めた。
〈イチの決意 [殺し屋1 2巻](c)小学館/山本英夫〉
思わぬ反応を喜んだセーラは、イチに本番(SEX)を許す。
この行為が、イチをさらに本気にさせてしまうのだった。
イチはセーラを待ち伏せして自宅を特定し、彼氏からDVを受けている現場をのぞく。
〈セーラが自宅で暴行されるところを目撃 [殺し屋1 2巻](c)小学館/山本英夫〉
お店でのSEXではイけなかったのに、暴力を受けて無理矢理犯されているセーラの姿を見ると興奮し、イチはその場で射精、その場を後にした。
一歩も引く気配を見せない垣原
三光連合の中沢の立ち合いのもと、話し合いの場をもった垣原と船鬼・鈴木。
完全に垣原が悪いため、中沢は垣原に慰謝料として金を払うように指示するが、垣原は全く引かない。
垣原は自分なりのオトシマエとして自分の舌先をナイフで切り落とす。
〈垣原なりの落とし前 [殺し屋1 2巻](c)小学館/山本英夫〉
その場を収め、本気でジジイたちを捜索し始める垣原。
カレンと連絡を取り、キャバクラの時にヘロインを持っていたことや井上がドラッグ中毒者特有の外見をしていたことを思い出し、ヘロインの密売ルートから狙いを絞っていくのだった。
〈ヘロインをヒントに井上が狙われる [殺し屋1 2巻](c)小学館/山本英夫〉
【2巻のまとめ】
ジジイが情報を操作し、安生の殺害の容疑を船鬼一家に被せた。
船鬼一家は真犯人ではないことはすぐにバレたが、垣原たちと船鬼一家の間に遺恨を残すことに成功したジジイ。
しかしジジイの捜索に本腰をあげた垣原は、ヘロインの密売ルートから井上に狙いをつけるのだった。
一方のイチは本命のピンサロ嬢のためにDV彼氏の殺害を決意し、ドス黒い欲望を爆発させようとしていた。
次巻へ続きます。
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