泣き虫だが本当はドSな殺し屋が歌舞伎町のヤクザを追い詰めていくアングラ漫画。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
事件の始まり
犯罪の絶えない歓楽街、新宿歌舞伎町。ある日、ヤクザの巣窟であるマンション(通称ヤクザマンション)内において、ヤクザの安生組組長の安生芳雄(あんじょうよしお)が殺された。
殺害を計画したのははぐれ者集団のジジイ、昇、龍、井上の4人組で、実行したのは泣き虫の殺し屋、イチである。
〈殺し屋のイチ [殺し屋1 1巻](c)小学館/山本英夫〉
ジジイ:頭の切れるリーダー。
昇:白いタンクトップに坊主頭。体格がよく、銃の密輸や取り扱いに長ける。
龍:中国人。風俗嬢に貢がせるヒモ。
井上:盗聴や監視に長ける。ドラッグ中毒。
イチ:過去にトラウマを抱える泣き虫の殺し屋の青年(22歳)。正体はジジイしか知らない。主な殺害方法は、彼の履く鉄骨仕込みの靴の踵にある仕込み刃によるもので、彼の超人的脚力も相まって、人間の四肢を軽々と切断し、斬られた相手が気付かないほどのすさまじい切れ味を誇る。
〈(上)ジジイ、(右から)昇、龍、井上 [殺し屋1 1巻](c)小学館/山本英夫〉
ジジイの立てた計画のもと、イチは愛人とお楽しみ中の部屋に侵入して安生と愛人を惨殺。
イチは仕事を終えた後に、おでこを手で隠した男の子(金子タケシ)に出会う。
イチの殺害方法は彼の履く鉄骨仕込みの靴の踵にある仕込み刃によるもので、彼の超人的脚力も相まって、人間の四肢を軽々と切断する凄惨なものであった。
しかし手馴れているジジイたちは殺しの後始末を完璧に行い、金庫の中身も強奪し、あたかも安生が金を持って愛人と逃げたかのように装う。
〈殺害現場の後始末をするジジイたち [殺し屋1 1巻](c)小学館/山本英夫〉
イチ自身は殺しを行ったことに対して後ろめたく思ったりはするものの精神が不安定で、ジジイはイチが過去にイジメられていた経験を利用して洗脳し、殺人マシーンとして操っている。
復讐に燃える垣原たち
翌朝。安生組の構成員は安生が行方不明であることに気づき、若頭の垣原雅雄(かきはらまさお)の指揮のもと捜索を開始。
垣原は顔にある大きな傷や裂けた口、顔に嵌められたピアスが特徴で、痛みに対して興奮するマゾヒストでもある。
〈若頭の垣原 [殺し屋1 1巻](c)小学館/山本英夫〉
垣原は安生が消えた夜に見張りを担当していた部下たちに痛みを伴う制裁を課した。
垣原は安生組の上部団体である本家三光連合の会長、中沢俊至(なかざわしゅんじ)にも相談。
中沢は安生の逃亡と推測するが、垣原は安生の裏切りを信じず、事件と確信。垣原は犯人捜しを徹底的に行うと宣言する。
ジジイたちと垣原の接触
宣言通り、垣原は歌舞伎町中を捜索し、情報屋でもあるキャバ嬢のカレンのもとへ。
その店ではジジイたちも端の席で飲んでおり、垣原たちの様子を傍目で伺っていた。
〈カレンから情報収集する垣原と、その様子を傍目で伺うジジイたち [殺し屋1 1巻](c)小学館/山本英夫〉
垣原もまた、不審な4人組に気づいて接触。
ジジイはヘロインを捌いているはぐれ者集団を装ってシラを切り通して事なきを得、垣原が「殺し屋のイチ」というヒットマンの情報を探っていることを知る。
〈垣原とジジイたちが接触 [殺し屋1 1巻](c)小学館/山本英夫〉
ジジイは自身の思い描いたシナリオ通りに進んでいることを確認し、内心笑みを浮かべた。
ジジイの計画はまだ終わりではない。安生の殺害をきっかけにヤクザマンション内に大抗争を起こし、それを利用してさらに儲けを狙っているのだった。
イチの内に秘めるサド願望
一方、その頃イチはイジめられていた過去を悪夢で見たりはするものの、キックボクシング道場でキックを鍛錬。
しかし実力は隠しており、気弱な性格もあいまって道場内での立場は一番の下っ端。
イチは道場でのストレスを発散するようにピンサロへ通い、お気に入りのセーラという嬢に抜いてもらう。
セーラは彼氏から激しいDVを受けており、体中が傷だらけ。
イチはそんな姿に興奮するサディストでもあった。
〈傷だらけのセーラに興奮するイチ [殺し屋1 1巻](c)小学館/山本英夫〉
【1巻のまとめ】
ジジイの立てる計画のもと、殺し屋のイチがヤクザ組長の安生を殺害。
若頭の垣原は事件と確信し、犯人探しを徹底的に行うことを決意した。
しかしそれもジジイの計画通り。垣原たちの動きを注視しながら、両者の距離が縮まっていく。
次巻へ続きます。
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参考猟奇的変態たちが暗躍する歌舞伎町の世界『殺し屋イチ』全10巻のあらすじ
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