平凡な毎日が突然終わりを告げた。
明石靖人は親友の青山との喧嘩が原因で学校をサボるが、このときに突如として全国の高校で生死を賭けた理不尽な選別ゲームが始まる。
出席した生徒たちは「神の子」として神小路かみまろが選別する一方、明石をはじめこの日学校に行かなかった不良たちは「ごみ箱」を称された学校に集められ、理事長を自称するセイン・カミという少年が「カミーズJr」として選別を始める。
「神の子」の選別では高畑瞬、秋元いちか、天谷武、秋本クリストファー健人(クリス)、真田ユキオの5人が最初にクリアする一方、「カミーズJr」の選別も進む。
明石は丑三清志郎や夏川めぐ(ナツメグ)をはじめとする仲間を得ながら「豆まき」「すなとり」をクリアし、「学校の七x七不思議」では想いを寄せあった持田 涙と死別しながら、最後の試練であるセインとの小細工なしのじゃんけん勝負を乗り越えた。
「カミーズJr」としてレッスンが始まり、「それぞれの一番大切なもの」を持ってくることに。
明石は青山と約束を交わしたサッカーボールを選ぶが、再会を果たした青山は度重なる試練の悲劇で精神を病み、記憶を失ってしまっていた。
それぞれが選んだ大切なものを使った発動条件付きの超能力「戯」を武器にレッスンを乗り越えたのは明石、丑三、ナツメグ、柴村、やえの5人。
しかし最終レッスンを終えた明石が拠点に戻るとセインが姉のアシッド・マナによって殺されており、急展開を迎える。
マナは独断でレッスンを引き継ぎ、明石を「神の子」に合流させて上空で行われる「ケンケンパ」のゲームを開始する。
落下死の恐怖に耐えながら、明石たち参加者はまず目的地である東京スカイハイタワーを目指すのだった。
11巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
ライバルとなる東浜
明石と同じく、空中ケンパに挑む東浜 佑は「神の子」の試練で青山と同じ立方体を生き残った男。
しかし人を見下す冷徹な性格で、他人を信頼した結果精神を壊してしまった青山のことを小馬鹿にしていた。
〈ライバルとなる東浜 [神さまの言うとおり弐 11巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
明石はそんな東浜に反感を覚えるが、そうこうしている間も空中ケンパは進む。
中心がゴールではない
制限時間は24時間。
落下の恐怖と闘いながら目的地の東京スカイハイタワーを目指す一行。
しかしある程度目的地に近づいたところで状況が一変する。
「K」「P」以外に普通のアルファベットの足場も出てきたのである。
〈足場が複雑化 [神さまの言うとおり弐 11巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
中心には巨大なかかしが両手を回転しながら「ほった芋いじんなぁ」とヒントを告げる。
皆が様子をうかがうなか、黒人のバネをもつジョニーがきっかけを作り、勇敢な「神の子」らが中心部目指してなだれ込む。
ジョニーが一足先に中心部にたどり着くが、そこがゴールではなかった。
「空中ケンパ」のルール
冷静に思考を巡らせる明石は、かかしが大きな時計を現していることに気づく。
「ほった芋いじんなぁ」は「What time is it now?」の空耳。
かかしの両手は時計の長針と短針であり、タワーを囲むように配置された足場は時刻の文字盤のようになっている。
〈大きな時計になっていた [神さまの言うとおり弐 11巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
すかさず東浜が攻略に向けて動き、かかしの示す現在時刻である1時に合わせて足場の「O」「N」「E」を踏む。
するとゴールプレートが出現し、早い者勝ちでたどり着いた1人がクリアした。
〈ゴールは早い者勝ち [神さまの言うとおり弐 11巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
一度踏めば消える足場、そしてゴールプレートの出現位置に合わせた位置取り、残りのゴール定員は2~12時に各1人の最大1名。
想像以上に戦略が求められるゲームだった。
早い者勝ちとあって焦りだす明石たち。
〈地獄絵図と化す [神さまの言うとおり弐 11巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
2時のゴールプレートを出現させ、激しい争いを経てて1人が飛び込むが、かかしの時計が既に2時を過ぎていたため無効。
正しい時刻にしかゴールできないというルールも存在していた。
と、そこに突然ヘリが現れるのだった。
丑三・ナツメグ・やえと柴村の動向
時は遡り、明石が空中ケンパに参加する前。
セインの最終レッスン「影踏み」を終えた丑三・ナツメグ・柴村・やえの4人はクラスハウスに戻ったところでこれまでの試練の流れと酷似した内容の同人誌を見つける。
作者はかみまろであり、ちょうどセインとその姉であるアシッド・マナが喧嘩の最中。
〈マナとセインの喧嘩 [神さまの言うとおり弐 11巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
マナはセインを殺し、力ずくで「カミーズJr」の指揮を奪う。
会話からするに、かみまろが始めた一連の試練はかみまろの「戯」によるもので、かみまろにその力を与えたのはマナのようだ。
丑三・ナツメグ・やえの3人は同人誌からかみまろの正体が「天神橋マサル」という人間だったこととその住所を入手し、ヒントを掴むためにそこへ向かう。
〈かみまろの家へ [神さまの言うとおり弐 11巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
かみまろの家ではすべてのゲームを操作するゲーム機が動いており、そこに遅れてマナもやってきた。
慌てて隠れる3人に気づくことなく、マナは勝手にゲームの内容をいじる。
「空中ケンパ」のゲームを起動し、プレイヤーには明石と柴村を選択、そしてかみまろにも無断で「神の子」から100人ほど借り受けていったのである。
〈マナが勝手にゲームを設定 [神さまの言うとおり弐 11巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
明石が巻き込まれたことを知った丑三はすぐさま、空中ケンパの舞台を目指してヘリをハイジャックする。
一方、かみまろの家から同人誌を持ち出したナツメグとやえは、同じく「天神橋マサル」の情報にたどり着いたフリージャーナリストの小森と偶然出会う。
小森は離婚してはいるものの、明石の母だった。
丑三の乱入と明石の立てた作戦
そして空中ケンパの舞台。
ヘリをハイジャックした丑三が明石と再会し助けに入ろうとするが、マナの邪魔が入り丑三は強制転送されてしまう。
〈丑三が乱入を試みる [神さまの言うとおり弐 11巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
生存者たちが助けを求めてヘリに押し寄せるが、それもゲームマスターの妨害で墜落してしまった。
爆風で明石も落ちかけるが、明石から攻略法を聞き出すために東浜が助ける。
明石は東浜らに共闘をもちかけ、「バイバイ6」作戦を打ち明けた。
〈明石が作戦を発案 [神さまの言うとおり弐 11巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
6人で数字のアルファベットを探し、じゃんけんで勝った1人をゴールさせることを繰り返す作戦。
これなら着実にゴールできる確率が高まるが、最後の1人はクリアできない。
天馬など近くにいた6人でチームを組み、作戦が始まる。
明石のせいで作戦は早くも瓦解
作戦によってまず1人がクリア。
そして2人目には明石がじゃんけんに勝った。
しかしこれが最善の策だとは思えなかった明石は出現したゴールを素直に踏もうとせず、落下しそうになっていた柴村を発見して助けに入る。
〈作戦より柴村救出を優先 [神さまの言うとおり弐 11巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
これで再びゴールを賭けた争いが始まった。
そんな明石を、東浜は全く理解することができないのだった。
【11巻のまとめ】
頭脳明晰で冷徹な東浜らと共に「空中ケンパ」に挑む明石。
柴村も巻き込まれる一方、丑三・ナツメグ・やえはかみまろが人間だったころの実家を突き止めた。
丑三は明石と再会するため「空中ケンパ」に乱入を試みるが失敗、ナツメグとやえは明石の母であるジャーナリストの小森と合流し、ゲームの真相を探る。
その頃明石は「空中ケンパ」クリアのため、チームを組んで誰かが必ず犠牲になるが着実にクリア者を出す作戦を決行。
ところがその作戦も明石が柴村の救出を優先したことによって瓦解しかけてしまうのだった。
次巻へ続きます。
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