伊達の檄で一度は橘が同点弾を決め流れを取り戻すも、武藤の読みと金田の決定力により再び失点を重ねる。
富樫と竹島の連携の乱れを突かれ、さらにゴールを許す危機に陥る。
前半終了間際、エスペリオンは大きな試練に直面していた。
11巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
ロッカールームでの和解と福田監督の助言
前半終了間際、金田のシュートは黒田が決死のスライディングでボールポストに激突しながらも何とか防いでいた。
ジュニアユース組の黒田が怪我のリスクを省みない捨て身の守備を見せ、何とか1点リードを許したままハーフタイムを迎える。
ロッカールームでは福田監督と直接話を済ませた伊達ヘッドコーチが、悔しさともどかしさを抱える選手たちに直接声をかけた。
まず富樫と竹島は、連携が取れていないとはいえDFの総合力では抜きんでており、今日の試合でもチームを支えていること。
そして、だからこそ2人が完璧に連携したときの姿を見たいと思っていること。
そこに治療を終えた黒田もロッカールームへ合流し、後半も出場する覚悟を口にする。
黒田は自分が失点に絡んだせいで負けるのは耐えられないというプライドから、勝利のために竹島・富樫を交えて具体的な守備の連係について話そうと切り出してきた。
アシトも3人に「相手になりきって理解しようとしてほしい」と声をかけ、ジュニアユース組を毛嫌いしていた富樫も勝利のために竹島・黒田と話し合うように腹をくくった。
一方、ロッカールームでの話を終えた後、福田監督はアシトを呼び止め、声をかける。
「フィニッシャーの位置に自分を持ってこようとするのは、やめろ」
誰にも言わないでいた自分の考えを福田監督に見透かされたことに驚きを隠せないアシトに、福田監督はフィニッシャーを固定しようとするとチームの陣形に見えない「淀み」が生まれると諭した。
今日のアシトは、不思議と福田監督の言葉の意味がよくわかる。
そこで福田監督は、橘・大友・朝利ら以外にもコーチングで使えるようになること、SBとして守備は完璧にやること、そして自分の想像を超えたプレーを見せてほしいことをアドバイス。
アシトは花にも応援を求め、「頑張れ。負けるな。力のかぎり」という短いメッセージに勇気をもらって後半に臨むのであった。
富樫と竹島の連携、黒田の覚悟
後半に入ると、一枚岩となったエスペリオンの選手の面々は目の色が変わっていた。
富樫もまた、これまでのサッカー人生のなかで自分を嫌厭してきた指導者たちとは異なり、自分のプレーを理解し認めてくれた伊達ヘッドコーチに恥をかかせられないと、漢をあげる覚悟を固めていた。
大嫌いな竹島と連携を取り、相手の間合いを詰めるのに長けた竹島がチャレンジ、そして富樫がその意図を汲んでカバーすることで見事にボールを奪う。
竹島もまた、富樫の能力を認めたうえで、金田だけは自分では止められないから富樫に任せ、信じることに。
その言葉に応じるように、富樫は1対1で金田を封じて見せる。
さらに富樫は黒田に対しても、常に動きに意図があることに気づき、その凄さを認めた。
攻撃が封じられフラストレーションを溜める金田。
勢いは完全にエスペリオンに傾いているのであった。
ダイアゴナル・ランで導いた同点ゴール
富樫たち最終ラインを信じ、アシトは反対サイドのSBである朝利と共にウイングの位置にまでポジションを上げる。
福田監督からのアドバイスで頭の中が不思議とクリアになったアシトは、ゾーンに突入し、敵味方の動きがよく見えた。
するとアシトは本能のままに、中央に向かって斜めに走り出す。
虚を突かれた武蔵野ユースの守備陣に歪みが生じると、アシトは走りながら味方にコーチング。
自ら相手DFを引きつけつつ、同じく斜めに走りこんできた朝利とのワンツーで大友がゴール前にフリーで抜け出し、見事な崩しで同点ゴールを奪った。
この斜めに走る「ダイアゴナル・ラン」がうまくハマったアシトは、さらに得点までのアイデアが次々と頭に浮かぶのであった。
コーチングと逆転弾、覚醒するアシト
味方へのパス一つに意図を込めることで言葉を交わさずにコーチングし、さらに味方全体をうまく使えるようになってきたアシト。
意図的に左サイドに人数を集めて相手を引きつけながらサイドチェンジで朝利にロングパスを通すなど、アシトが武蔵野ユースを翻弄していく。
そしてまたアシトはダイアゴナル・ランで中央に走り込み、朝利からパスを受けると、今度は誰もおらずゴールからも斜めに遠ざかる大外のライン際へドリブルを開始。
自ら追い込まれたような位置に行きつつ相手DFを引き付けると、反転して逆サイドにセンタリングを上げ、武蔵野ユースの守備を完全に混乱に陥れた。
ここまで来れば、あとはゴールに押し込むだけ。
大友のシュートのこぼれ球をアシトが自ら押し込み、ついに逆転ゴール。
観戦していた花は、まるで福田監督が現役の頃にスペインで活躍していたときの姿をアシトに重ねているのだった。
武蔵野ユースの意地とエスペリオンの勝利、Aチーム昇格
逆転されてメンタルが動揺したことで、ここまでハイプレスを続けてきた武蔵野ユースはどっと疲労感に襲われ動きが鈍る。
既に大勢は決し、イケイケのエスペリオンは橘がダメ押しのゴールを奪って4-2。
金田は自信を砕かれて動揺を隠せないが、武藤が武蔵野ユースの主将として味方を鼓舞し、あくまで金田を信じてボールを集めるように声をかける。
武蔵野ユースの選手らはユースクラブに入れず挫折を味わった者たちであり、金田は彼らをまとめ上げる武藤の言葉で再び自らを奮い立たせる。
そして武蔵野ユースも最後まで気持ちが折れることなく食い下がっていった。
試合はそれから追加点が入ることなくエスペリオンの勝利。
試合後、全てを出し尽くした充足感と更に高い次元でのサッカーができた満足感に浸るアシトたちのもとに福田監督が声をかける。
富樫、黒田、大友、アシトの4人に明日からAチームに合流するようにと、昇格を告げるのであった。
【11巻のまとめ】
黒田の決死の守備で前半を凌いだエスペリオンは、ハーフタイムで和解と連携強化を果たし、一枚岩となって後半に臨む。
富樫・竹島・黒田の守備が金田を封じ、アシトは福田監督の助言を胸にダイアゴナル・ランと的確なコーチングでチームを導く。
大友の同点弾に続き、自ら逆転ゴールを決めて覚醒。
橘の追加点で勝負を決め、武蔵野ユースの意地を退けた。
試合後、アシトら4人のAチーム昇格が告げられるのだった。
【11巻の見どころ】
この巻の見どころは、エスペリオンが一枚岩となり逆境を跳ね返す成長のドラマです。
ロッカールームでの和解を経て、富樫・竹島・黒田が互いを認め合い、守備で金田を封じる姿は胸を熱くさせます。
さらにアシトは福田監督の助言を糧に、ダイアゴナル・ランとコーチングで試合を支配し、大友の同点弾を演出。
そのうえ自ら逆転ゴールを奪い、チームを勝利へと導きます。

次巻へ続きます。
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