多くの犠牲者を出した岩砕山での惨劇は、猿伝説を利用した薬害被害を受けた被害者の親族たちによる藤谷製薬への復讐だった。
人間の扮した猿による虐殺と、本物の「魔猿」との激闘。
岩砕山での7日間の死闘から1年後、平和を取り戻した早乙女達。
しかし行方不明になった友・宮田を救う為、早乙女は猿の探索隊に加入することに。
猿の研究者、政府主導の精鋭部隊、早乙女。総員20名。いま再び、彼らに死を運ぶ“猿”の恐怖が襲い掛かる―。
登場人物紹介
<安蔵の森捜索隊 第二班>
早乙女 稜(さおとめ りょう)
24歳。第二班アドバイザー。前作「モンキーピーク」からの主人公。
第一班に同行し消息不明になった宮田を救うべく、急遽アドバイザーとして第二班に同伴する。前作『モンキーピーク』からの主人公。左の眉尻に傷跡があるツンツン頭の男性。現在は自身の子供を身籠っている妻の貴子(旧姓佐藤)と同棲している。
赤碕(あかさき)
24歳。大学院生。今作品のヒロイン。
猿を崇拝しており、猿との戦いでもAチームメンバーが死んでも猿を生かそうと妨害する。
高橋 学(偽物)(たかはし まなぶ)
42歳。第二班、内閣情報調査室次長。
早乙女をアドバイザーとして同伴させた人物。
調査のため猿を殺すことを禁じ、第二班から銃など武器を没収する。
その正体は内閣情報調査室を偽った偽物の高橋である。
木ノ下(きのした)
40歳。大学准教授。
猿の擁護派であり、隊員達には銃を使わず麻酔銃で生け捕りにするよう指示する。 根っからの学者で戦闘能力・サバイバル能力は皆無。また泳ぐことも苦手。
<自衛隊(Aチーム)>
東(あずま)
44歳。第二班の隊長。負傷により足手まといとなるも、人望厚く隊を率い的確な判断を下す。
部下思いな人物で、高橋や木ノ下からの理不尽な注文にも耐えつつ、根気よく部下達を指揮する。
阿部(あべ)
31歳。がっしりした体格だが、気が小さく争いごとが苦手。洞窟の知識やクライミングの経験を持ち合わせる。
原(はら)
38歳。第二班の副長。
東隊長が意識を失った際に指揮権を取ることとなる。
千葉(ちば)
32歳。東をオヤジと呼び慕う。恐怖やストレスに晒されるうちに横暴な本性やメンタルの弱さが浮き彫りとなる。
素行に問題はあるものの、清水とは親しい間柄。秘かに禁止された手榴弾を洞窟内に持ち込むなど抜け目のなさもある。
清水(しみず)
24歳。銃や武器の扱いに長け、頭もいい切れ者。
沼口(ぬまぐち)
30歳。独学で医療の心得があり、応急手当を担当する。
性格も良く、横暴な振舞をする千葉に対しては少なからず反発心を抱く。
下柳(しもやなぎ)
28歳。優しい性格であり、格闘技のスキルもある。
吉川(よしかわ)
26歳。冷静な判断力と高度な身体能力で斥候を担う。
殺し合いのスキルでは部隊で随一であり、猿との戦いもどこか楽しんでいる節がある。
<安蔵の森捜索隊 第一班>
宮田(みやた)
24歳。アドバイザー。前作「モンキーピーク」にも登場した早乙女の親友。
猿との決着をつけるべく、第一班に同行し早乙女より先に洞窟へと潜入していた。岩砕山の惨劇のトラウマで暗所恐怖症となり、お守りとしてライトを兼ねたペンダントを所持している。
葉山(はやま)
30歳。アドバイザー。『三浦モンキーランド』の飼育員。ごく普通の一般人であり、良心的な存在。
シマ
24歳。外伝「モンキーサークル」の主人公。『りょうちゃんねる事件』唯一の生き残り。
死んだ仲間の無念を晴らすため、猿への復讐を企図している。
叶(かのう)
34歳。第一班、内閣情報調査室。第二班高橋の部下。
<猿とその関係者>
魔猿/二郎(じろう)
鉈を2本持った魔猿。モンキーサークルで登場した猿と同個体である。複数いる魔猿の中でも最も強いとされる。
魔猿/鎖帷子
全身に鎖帷子を装備した猿。シマに山刀で刺されて死亡。
強化型猿/ダブルマッスル
突然変異により筋骨隆々で毛のない見た目に進化した猿。
子猿
子供ながら、普通の猿にも負けない力を持っている。力が劣るが目のない子猿も登場している。
フードの人物/トオルの母
洞窟入口近くに身を潜めてた人物。前作のトオルと同様に猿を操る首謀者。実家は地元で様々な事業を手掛けながらも経営破綻した名家である三ツ橋家。
藤谷製薬関係者への強い復讐心を抱いており、早乙女たちを皆殺しにするべく暗躍する。
吉トメ(よしトメ)
猿を飼育している、牧場の老人。トオルの母親の共犯者。
<その他>
佐藤 貴子(さとう たかこ)
前作「モンキーピーク」に登場した早乙女の仲間であり、現在は妻で妊娠中。
岩砕山の事件により、右目と右腕を負傷している。早乙女に「絶対に生きて帰る」ことを約束させた。
高橋 学 (本物)(たかはし まなぶ)
内閣情報調査室次長。偽物とは対照的に、がっしりした体格で心優しい人物。
マコト
洞窟内でさまよっていた子供。2年前に母親とハイキング中、トオル達に口封じのため洞窟の中に閉じ込められ、猿と共に暮らしながら生き延びている。
母親の方は猿から逃げる際に足を骨折してそのまま餓死。