夜になると留美子たちの部屋にはぬいぐるみが現れてそれを追う「赤い人」に殺され、夜の逢魔高校を舞台にバラバラになった自分たちのカラダを探す「偽のカラダ探し」が始まる。
真相を知る美沙は、この場所が呪いの力で作られた死の狭間であること、7日以内にそれぞれの「カラダ」を見つけなければ本当に死んでしまうことを告げる。
何もわからぬままで校内に入った留美子たち。
協力しなければクリアできないが、極限状態で留美子と美雪の関係がこじれてしまった。
2日間が経って思うように進まないなか、朝目覚めた留美子は具合の悪そうな美紗を見かける。
そして保健室で美紗を解放することにした留美子は、美紗が背負った過去やこの世界に関する信じられない話を知ることとなるのであった。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
美紗が留美子に明かした目的とこの世界の真実
保健室で介抱された美紗は、「小野山美子の呪いで歪められたこの世界を元に戻したいだけ」と目的を告げる。
小野山美子は「赤い人」の正体であり、美紗の伯母に当たる人物。
美子はずっと昔の事件で殺された被害者であり、死んだときの姿で自分の妹になるはずだった”ミサ”を探し続けているという。
呪いによって歪められたこの世界では美子の死後に本来生まれるはずのなかった弟が小野山家に生まれ、美紗はその娘。
そして留美子たちがカラダ探しを無事におわらせれば呪いによる歪みはなくなり世界が元に戻るが、元の世界では存在しなかった美紗と龍平は存在が消滅し、本来の世界で既に死んでいるあゆみと美雪もその運命をたどるという。
カラダ探しを終わらせても美雪・あゆみ・龍平は助からないと知って戸惑う留美子は、唯一そこに名前が上がらなかった健司にだけ打ち明ける。
健司は半信半疑だったものの、美紗から直接話を聞いてその話を信じることに。
カラダ探しを集められなかった奴は死ぬが、全部揃えた奴はおそらく死なない、そして誰かひとつでもカラダが見つけられなかった場合は世界の歪みは元に戻ることはない。
つまり、誰かが犠牲になったうえで自分のカラダさえ揃えれば、この世界で元の生活を続けることができる―。
健司は本当の世界では存在しない3人の誰かを犠牲にすることを考え、その企みに賛成できない留美子はさらに困惑するのであった。
小野山家の過去と呪いの根源
ふと雨が降り出すが、なぜか中庭の木の下だけ濡れていない。
しかし考えがまとまらない留美子はこのことに気づきながらも深く考えず、美雪と仲直りしようにも美雪に避けられてしまう。
そんななか留美子はあゆみにも美紗から真実を伝えさせ、美紗から更なる情報を引き出すために美紗の家にお邪魔することにする。
小野山邸は外と中では様子がかなり異なっており、その不思議な空間のなかで美紗は小野山家の過去について語り始めた。
殺された美子を生き返らせようと父親が魔術に手を出すも、妊娠中だった妻が流産したのを機に精神を病んでいき、それを魔術による影響と感じた父親が魔術を途中で放棄。
その結果、半端な術で呼び出された闇に美子の魂が飲み込まれて美子が「赤い人」となり、姉の美紀をも取り殺してしまったという。
その魔術が世界を繋ぐ鍵となっており、「カラダ探し」の空間を維持するために美紗はかなりのエネルギーを消耗している様子。
留美子とあゆみは美紗は敵ではないと知り、そして3回目のカラダ探しが始まるのであった。
龍平との約束と協力
美雪と仲直りしたい留美子だったが、なかなかうまくいかない。
美紗自身も「失われた美子のカラダ」を探すためにカラダ探しのゲームに参戦し、さらに「上手くいけば美雪とあゆみの2人は死なせずに済むかもしれない」と留美子に告げる。
留美子は自分の左腕をトイレで発見するが、「赤い人」が壁をも歩き回ること、そして途中で出会った健司は自分が生きることだけを考えて非協力的になったことが判明。
苦境に立たされた留美子だが、こんなときには龍平のいつも通りの明るさに救われることとなる。
「カラダ探し」が終わるまで協力するならキスするという約束をすることとなってしまったが、龍平の協力を得たのが収穫。
その日のカラダ探しも結局「赤い人」から逃げ切ることができず、4日目を迎えることとなるのであった。
美紗が皆に真実を明かす
4日目、留美子はコンビニで高広と美紗とばったり出会う。
高広が留美子との記憶に違和感、美紗にも既視感を覚えるなか、美紗は高広も留美子と共に自分の家へと誘うことに。
あゆみのほかに話を聞きつけていた龍平も合流し、皆に美紗が真実を明かす。
美子の父親は美子のカラダを集めたものの一部だけ回収できず、半端な蘇生術の結果として開いた入り口から出てきた悪霊たちが美子の霊を取り込んで「赤い人」が誕生したという。
この日美紗が皆を集めたのは、小野山邸で魔術が行われた部屋を探し出すため。
5人は倉庫に隠された地下室へとたどり着き、元の世界の話も含めて全てを皆に説明する。
元の世界では留美子は高広たちと同学年であり、さらに美雪とあゆみは死んでいるものの呪いを解けば助かる可能性があること、そして龍平は元の世界には存在しないこと。
ショックを隠せない龍平だったが、尊敬する高広から「好きな奴や仲間が助かるなら自分のやることを全力でやる、そんな男になりてぇし、そんな男を尊敬する」と言葉をかけられて持ち直す。
全てを知ったうえで協力することを決意した龍平。
さらに元の世界でカラダ探しを経験している翔太も恋心を寄せる美雪の異変に気付いたのか、留美子に接触して動き出すのであった。
【2巻のまとめ】
美沙は留美子たちを巻き込んだ偽のカラダ探しの本当の目的を明かす。
まず美紗の目的は、かつて小野山美子の呪いで世界が歪められた影響で生じた「歪んだ世界」を元に戻し、すべてを「本当の世界」に返すこと。
しかし世界を元に戻した代償として、「本当の世界」にそもそも存在しなかった美沙と龍平は存在自体が消え、美雪と袴田あゆみは死ぬ運命を辿るという。
大切な友達を失う可能性に苦悩し、動揺を隠せない留美子、さらに杉本健司も自分勝手な単独行動に走るなど、「偽のカラダ探し」は思ったように進行しないまま、時間だけが過ぎていく。
それでも呪いを解く手がかりを求めて奔走を続ける留美子たちは、事情を知った伊勢高広たちの助けを得ながら、龍平を始めメンバー同士の協力体制を整えていく。
そして恋人の相島美雪の様子を不審に思った浦西翔太から柊留美子に連絡が入る。
次巻へ続きます。
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参考前作最終巻の謎と伏線を回収するパラレルストーリー『カラダ探し 解』全5巻【ネタバレ注意】
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