将来を期待された秀才達の集う名門校・秀知院学園(しゅうちいんがくえん)。
その生徒会のメンバーである副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行はお互いに惹かれ合っているものの、高すぎるプライドが邪魔をして告白することが出来ない。
素直になれない二人は、いつしか自分から告白することを「負け」と捉え、「どう相手に告らせるか」ばかりを考えるようになり、熾烈な駆け引きが始まり、書記の藤原や会計の石上ら友人たちはそれに振り回されることとなる。
様々なイベントを経ても一向に進展しないまま早くも1年が終わるが、メンバーは再任して新たにミコをメンバーに加えて次の生徒会の1年が始まる。
文化祭でのウルトラロマンティックな告白で白銀とかぐやは周囲に内緒ながらも正式に交際を開始。
一方、リア充の巣窟である応援団に入ったことで変わり始めた石上は副団長のつばめ先輩に恋心を寄せるが、ミコも石上を意識しはじめる。
またかぐやの兄3人による四宮家の跡目争いに巻き込まれる形で早坂はずっとかぐやのことをスパイしていたが、修学旅行では白銀らの協力もあって全てをかぐやに打ち明け、付き人を解任、罪悪感から解放されて対等な友人の関係となった。
白銀たちの修学旅行の間、石上はつばめとデートするなどアプローチをかけていくが、結局石上の恋は実らず、失恋のショックを引きずることとなった。
他方、かぐやは長兄である黄光の圧力によって白銀と共に海外留学をすることを諦めざるを得ず、少しずつ別の道を歩む決意を固め始める。
そして白銀たちが3年に進級すると、新学期早々に四宮家のライバルである四条家のホープである四条帝がクラスに転校し、グループに加わる。
石上とミコは互いに相手を意識しながら徐々に距離を縮め、一方、白銀とかぐやは相変わらずイチャついていたが、社交パーティの翌日に突然姿を消してしまった。
四宮一族の帝国崩壊の狼煙が上がったとテレビでは四宮グループ関係のニュースがひっきりなしに流れるなか、四宮家の三男である雲鷹は白銀を病院へと案内。
そこにはベッドに横たわる四宮家の総帥、四宮雁庵がいたのであった。
25巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
病床に伏せていた四宮帝国の総帥
かぐやの父、四宮雁庵は病で病床にいた。
かつては圧倒的なカリスマで四宮帝国を築きまとめあげていたが、今や時代は変わり、雁庵の命ももって数週間。
四宮の独裁に反発する派閥を四条グループが取り込み、官僚らも巻き込んで四宮帝国が行ってきた不正の告発や敵対的買収、ヘッドハンティングなどで一気に四宮潰しに動きはじめたのである。
雲鷹は長兄の黄光が四宮帝国の跡を継ぎ、次兄の青龍がその側近、継母の子である自分と妾の子であるかぐやはトップに立つことはできないと白銀に明かす。
かぐやの母は祇園で夜職をしていた清水名夜竹という女性で、かぐやを産んですぐ心臓病で鬼籍に入ってしまい、それ以来四宮の中でもかぐやは腫れ物に触る扱いを受けていた。
同じような境遇だった雲鷹がかぐやの面倒を見ることとなり、かぐやに帝王学を叩き込むなどしたようだ。
雲鷹は雁庵の血を継ぐかぐやの存在価値が高まっており、黄光がかぐやをいいように操ろうとすることを告げた上で、かぐやの弱点になる白銀を黄光から守るために護衛をつけることを決めた。
かぐやが黄光の言いなりになられると雲鷹にとっても不利益であるがゆえの判断であり、雲鷹と白銀の利害が一致した形。
白銀には護衛として早坂が付くこととなり、護衛という名目で白銀は早坂と同棲することになるのだった。
早坂が白銀の家に泊りこむことに
かぐやと別の女子と同棲することになった事実をどう家族に説明するか頭を悩ませる白銀。
何も知らない圭は白銀がかぐやと別れて新しい女とイチャコラしていると誤解するが、実は早坂の母から白銀の父には予め話が通っていた。
白銀の心配は杞憂に終わり、こうして早坂も白銀の家にしばらく住むことになった。
生徒会室に1人きりになってしまった石上
かぐやが生徒会に顔を出さなくなって1週間、生徒会には石上1人の状態になっていた。
かぐや目当てだった藤原も生徒会に顔を出さなくなり、白銀は多忙。
石上はミコと2人きりの時間ができると期待していたが、なぜかミコすらも顔を出さなくなった。
1人きりでつばめやミコなど様々なことに思いを馳せるうち、ネガティブな思考の沼にハマっていく石上。
一方、ミコはミコで今生徒会に行けば確実に石上と2人きりになり、ガツガツしていると思われそうという理由から生徒会を避けていたのだった。
ミコが誰かに尾行されている?
何者かに尾行されていることに気付き、身の危険を相談するミコ。
白銀はそれが四宮本家の雇った調査会社でまだ危険はないと読むが、あえて石上に任せてミコの送り迎えをさせることにする。
2人での帰り道、ミコは石上の服を引っ張るなどして家のなかへ上げ、自分を頼ってくるミコに石上もグラついていく。
そして部屋のなかへ誘うミコ。
2人の距離が急速に縮まるのであった。
石上とミコが急接近、そこにかぐやから着信が
再びミコが生徒会に顔を出すようになり、石上とミコは2人で今後の生徒会などについて話し合う。
しかしミコにあざとく手を繋がれ、石上は照れ隠しに精一杯で話が全く頭に入って来ない。
さらに石上に甘えるなど、積極的に誘うミコ。
以前つばめといい感じのムードになったときに手を出さなかった後悔と反省から、石上もこのチャンスは逃さないと決意する。
が、タイミング悪くここで石上のケータイが鳴ってしまう。
着信の相手はかぐや。
かぐやは学校を辞めることを石上に打ち明け、石上はミコといちゃつくどころではなくなってしまうのだった。
別れを告げるかぐやと諦めない白銀
まだかぐやからなにも聞いていない白銀に、かぐやが学校を辞めることを伝えることができない石上とミコは、頼りになりそうな相手として渚に相談する。
渚は四宮本家がかぐやと白銀を別れさせ、家柄の良い別の相手と結婚させる気であると読んだ。
他方、かぐやは意を決して白銀に電話し、自分の口から直接切り出す。
「ここで終わりにしませんか?」
思わぬ言葉に動揺する白銀。
かぐやはできるだけ抵抗したものの、自分を信じて支えてきてくれた側近たちの家庭を考えると自分だけ白銀と駆け落ちするわけにもいかず、黄光からは白銀の家庭もろとも潰すと脅され、やむを得ず黄光の言う通りの相手との縁談を受けざるを得なかったことを告げる。
四宮家から逃げられないことを受け入れ、四宮グループの幹部として財閥を良い方向に導くことがベターな目標と言い聞かせ、涙ながらに白銀に別れを言い渡す。
電話を終え呆然とする白銀の前には四宮家の次兄である青龍が姿を見せ、労いの気持ちとして一千万円の現金が手渡される。
青龍はかぐやを四条とのかけ橋にするために嫁に出すことを告げ、白銀に手切れ金を渡しに来たのである。
納得のできない白銀はここで四宮グループの総資産などから手切れ金の額を吊り上げ、10億円で手を打つことに。
その様子をそばで見ていた早坂はあっさりと金に目が眩んでかぐやを諦めたのかと幻滅するが、白銀はまだ諦めていなかった。
この10億円を軍資金にかぐやを救う戦いを仕掛けると決め、作戦を立て始めるのであった。
かぐやを解放するのは白銀か帝か
信用できる協力者として石上、ミコ、藤原に声をかけた白銀と早坂。
藤原の発案で、いずれかぐやを四宮グループのトップに据えるため、まずはかぐやに協力的な雲鷹を四宮家の跡継ぎ争いで支援することに。
さらに四条家ではあるがマキも協力することを名乗り出て、内部のゴタゴタや幹部への口利きを申し出た。
表向きは争い続けることは四条家にとってもデメリットが多いとしながらも、大好きなかぐやを友人として助けたいというのがマキの本心。
そしてかぐやの縁談の相手がマキの弟の帝であると判明する。
10年前からかぐやに恋心を寄せていた帝は、勉学もスポーツでも並々ならぬ努力で実績を残しつつ、一族にも幹部たちにも気に入られて四条家の跡継ぎと評判。
さらに黄光にも気に入られていた帝は、自分の嫁としてかぐやを差し出せば四条家に手を引かせると断言し、黄光と帝の間では手打ちへのシナリオが出来上がった。
果たしてかぐやを四宮家の呪縛から解き放つのは白銀か帝か。
2人のロミオによる勝負が始まるのであった。
【25巻のまとめ】
御家騒動とライバルである四条家との抗争が勃発し、権力争いに巻き込まれたかぐやは白銀家へも危険が及ぶと脅され、白銀との別れを決断する。
しかし白銀と生徒会メンバーはかぐやを四宮家から解放するために協力して立ち上がった。
四宮家の長兄である黄光は四条家の跡取り候補である帝とかぐやを政略結婚させて抗争を終結させようと画策している様子。
果たしてかぐやを四宮家の呪縛から解き放つのは白銀か帝か、2人のロミオによる勝負が始まるのであった。
次巻へ続きます。
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