将来を期待された秀才達の集う名門校・秀知院学園(しゅうちいんがくえん)。
その生徒会のメンバーである副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行はお互いに惹かれ合っているものの、高すぎるプライドが邪魔をして告白することが出来ない。
素直になれない二人は、いつしか自分から告白することを「負け」と捉え、「どう相手に告らせるか」ばかりを考えるようになり、熾烈な駆け引きが始まり、書記の藤原や会計の石上ら友人たちはそれに振り回されることとなる。
様々なイベントを経ても一向に進展しないまま早くも1年が終わるが、メンバーは再任して新たにミコをメンバーに加えて次の生徒会の1年が始まる。
文化祭でのウルトラロマンティックな告白で白銀とかぐやは周囲に内緒ながらも正式に交際を開始。
一方、リア充の巣窟である応援団に入ったことで変わり始めた石上は副団長のつばめ先輩に恋心を寄せるが、ミコも石上を意識しはじめる。
またかぐやの兄3人による四宮家の跡目争いに巻き込まれる形で早坂はずっとかぐやのことをスパイしていたが、修学旅行では白銀らの協力もあって全てをかぐやに打ち明け、付き人を解任、罪悪感から解放されて対等な友人の関係となった。
白銀たちの修学旅行の間、石上はつばめとデートするなどアプローチをかけていくが、結局石上の恋は実らず、失恋のショックを引きずることとなった。
他方、かぐやは長兄である黄光の圧力によって白銀と共に海外留学をすることを諦めざるを得ず、少しずつ別の道を歩む決意を固め始める。
そして白銀たちが3年に進級すると、新学期早々に四宮家のライバルである四条家のホープである四条帝がクラスに転校し、グループに加わる。
石上とミコは互いに相手を意識しながら徐々に距離を縮め、一方、白銀とかぐやは相変わらずイチャついていたが、社交パーティの翌日に突然姿を消してしまった。
御家騒動とライバルである四条家との抗争が勃発し、権力争いに巻き込まれたかぐやは白銀家へも危険が及ぶと脅され、白銀との別れを決断する。
しかし白銀と生徒会メンバーはかぐやを四宮家から解放するために協力して立ち上がった。
四宮家の長兄である黄光は四条家の跡取り候補である帝とかぐやを政略結婚させて抗争を終結させようと画策している様子。
果たしてかぐやを四宮家の呪縛から解き放つのは白銀か帝か、2人のロミオによる勝負が始まるのであった。
26巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
白銀がかぐやの父の説得へ
かぐやを救うため、かぐやの父雁庵を説得しに病院を訪れる白銀。
主治医の田沼によればもともとかぐやは夜職をしていた名夜竹という美しい女性との間にできた子であり、先天的な心臓病を患っていた。
名夜竹はいったん療養のために店を辞めて実家に戻るが、再び雁庵の前に姿を見せたときにはすでにかぐやをお腹に宿していたという。
それでも雁庵は周囲の反対を押しきって名夜竹の赤ちゃんを自分の子として育てると言い、名夜竹は四宮家で冷遇されることに。
そして名夜竹はかぐやを産んですぐに亡くなってしまい、雁庵はそれ以来魂が抜けてしまったようだという。
それが雁庵がかぐやを冷遇していた背景にあると知った白銀は、かぐやがこれまでずっと父親を待っていたことを伝えるため、雁庵と二人きりで話すこととなるのであった。
作戦の鍵はかぐやの父の遺書
かぐやを自由にしたいと単刀直入に切り出す白銀。
雁庵は白銀の立ち回りの賢さを認めつつも、自分が認知症を患っており、今さら遺言書を作っても法的効力が弱く、遺書の書き換えは難しいことを告げる。
それでもまだ手があると食い下がる白銀。
それはかぐやとの結婚を父である雁庵に認めてもらうことだった。
あまりに突然で想定外の提案に驚きを通り越して若干の恐怖すらも覚える雁庵。
あくまでこれは四条家とかぐやの縁談を壊すための策であり、かぐやが自分の身を自分で守れるだけの力さえ与えてくれればいい…
病室に姿を表した雲鷹が同席するなか白銀に説得された雁庵は、自分が既に書いていた遺書が保管されている本邸の金庫の解除番号を伝え、遺書がなければ遺産の法廷相続分は等分か話し合いによる分割になるとアドバイス。
その番号は名夜竹の命日とかぐやの誕生日であり、不器用ながらも雁庵はかぐやのことをずっと大切に想っていたのであった。
早坂家が黄光と決別
外部の者が容易に手出しできない生徒会室で白銀たちが泊まり込む準備をする一方、雁庵の本邸に潜入するため、先に京都に向かった早坂と藤原は四宮家が放った黒服に囲まれていた。
が、そこに早坂の母が手下を連れて助けに入り、雁庵の病室に盗聴器が仕掛けられており遺言の話が黄光にも筒抜けだったことを明かす。
黄光は事前に雁庵を丸め込んで自分に有利になるよう準備していた遺言書が破棄されぬよう、金庫探しに躍起になっている様子。
雁庵の本邸には金庫は見つからず、あるとすれば雁庵が名夜竹との逢引きに使っていたと噂される、所在不明の秘密の小屋。
黄光は早坂の父を問い詰めようとするが、小屋の位置を知る早坂家は雁庵に忠誠を誓う身として黄光と決別、早坂の母も白銀たちをサポートする側に回ったのだった。
帝のプロポーズ
本邸でほぼ軟禁状態にあったかぐやは、黒服が慌ただしく金庫を探し回る状況を察知、金庫の場所に思い当たる節があった。
かぐやに会いに来た帝はマキからの依頼として白銀たちが動いていることを含め状況をかぐやに説明しつつ、白銀のプランに乗るか、このまま自分に任せるか選んでほしいと告げる。
幼い頃から密かに恋心を抱いていたかぐやへ、誠意を込めてプロポーズする帝。
しかしかぐやは「私の願いを叶えられるのはこの世界でたった一人なの」と言って白銀を選んだ。
フラれることを悟っていた帝は取り乱す素振りも見せず、これから早坂たちが起こす騒動の混乱に乗じて脱出するよう指示し、石上からのお土産として御守りを渡す。
そしてかぐやの前から去った後、帝は叶わなかった恋に涙を浮かべるのであった。
四宮家の次男の妨害にも屈さない
黒服に追われながらも四宮の本邸を目指す早坂と藤原だったが、その前に青龍が立ちはだかった。
早坂を先に行かせ、たった1人で青龍に立ち向かう藤原は、電話でミコと連携しながら数多くある青龍の女性スキャンダルを暴露系YouTuberにタレこむことをネタに恐喝。
これには青龍も動揺を見せるのであった。
かぐやが黄光を説得
無事に本邸にたどり着いた早坂が作戦通りに騒ぎを起こし、脱出したかぐやが秘密の小屋へと向かう。
金庫のパスワードは石上からの御守りの中にあり、かぐやが金庫を開けて遺言書を手にした。
ここでかぐやを尾行していた黄光たちが到着するが、御守りに仕込んでいたGPSタグを頼りに石上や早坂、藤原、そして雲鷹たちも駆けつけた。
雲鷹は雁庵のカリスマに支えられていた古い時代の四宮家が終わりを迎えたことを告げ、話し合いによる解決へと促す。
四宮家に生れた人間として四宮グループで働く人々やその家族のために責任があることを自覚したうえで、かぐやは自分の想いを語り、黄光は初めて聞く耳を持った。
かぐやは自分の責任で四条との和平を実現する決意を口にしつつ、本当は一般的なキャンパスライフを送って写真家になりたいという夢を明かす。
自分や友人たちに危害が加わらないことが保証されるなら、四宮家のために粉骨砕身するうえ、本当は黄光が全権を握ってもいいとも思っている…。
かぐやの言葉を受け、黄光はかぐやに四条との和平を任せてみて、実現できなければ当初のプランどおりかぐやと帝の縁談を切り札にすることを決めた。
話がまとまりかけたところで、それを聞いていた雲鷹が黄光に全権を握られることは回避するため遺言書を力ずくで奪おうとし、遺言書を持ったかぐやが逃げ出したことで話し合いはうやむやになるのだった。
白馬の王子様となった白銀
森の中を走って逃げるかぐやは崖に追い詰められてしまうが、ここでヘリコプターに乗った白銀が颯爽と現れる。
完璧なタイミングでかぐやを救ってみせた白銀。
かぐやも色々と裏で下準備をしていたが、ここまで計画が上手くハマったのは白銀を信じ、白銀が期待通りの行動力を持っていたがゆえの結果だった。
上空で白銀は再びかぐやに告白し、かぐやは幸せを噛みしめながら即答でOKの返事。
こうして無事に2人はヨリを戻したのであった。
【26巻のまとめ】
四宮家の御家騒動を乗り越える中で、かぐやを救い出した白銀が再び告白し、ヨリを戻すことに成功。
平穏な日常が戻ってくるかと思いきや、白銀の海外留学へ出発する日は、刻一刻と近づいて来るのだった。
次巻へ続きます。
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