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亡き恋人への想いを胸に脱出を図るリョウ、しかしこの島から出ることはできなかった『自殺島』3巻【ネタバレ注意】

~前巻までのあらすじ~

生きる義務を放棄し、自殺を繰り返す「常習指定者」たちが送られる島、通称「自殺島」。

主人公のセイは自殺未遂の末、病院のベッドからこの島へと送り込まれた。

そこに待っていたのはセイと同じ自殺未遂者達。

死ねなければ生きるしかないサバイバルが始まり、グループで協力して生活のサイクルができるなか、冬に備えてセイは自分の力で生きるため、1人で山に入り鹿を追うことに。

弓を作り、思考錯誤で挑戦した狩りで鹿を仕留めたセイは、命への感謝の気持ちが内側から湧き上がり、数多の命の上に立ってこの島で生き抜く強い意志を固めた。

さらにこの島に先住している男に出会ったセイは、鹿の肉と引き換えに肉の保存の仕方など生活の知恵と共に1匹の子犬を譲り受ける。

そしてその男から、この島はかつて「無法島」と呼ばれ悲惨な殺し合いが起きた過去がある事を知るのであった。

 

3巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。

この島の過去

この島はかつて、激増して手に負えなくなった凶悪犯たちを秘密裏に島流しにするための島だった。

無人島に凶悪犯たちを集めた結果、そこで起きたのは協力による更生ではなくまさに欲望のままに行動する地獄。

男もまた殺人を犯してこの島に来たが、争いが始まってすぐに山に逃げたと言う。

翌朝、男はセイに2人で生活しないかと提案するが、仲間のもとに帰る約束を優先し、セイはその場を後にすることに。

男から山道のあるルートや捨てられた畑に農作物が残っていることがあることなど、知恵を教わり、セイはおよそ殺人犯とは思えない男と別れ帰路につくのだった。

相棒となる猟犬の名は「イキル」

子犬がいることで足取りは重くなったが、セイは狩りのパートナーとしての役割を子犬に期待していた。

コミュニケーションを取りながら子犬と主従関係や信頼関係を深めていく。

翌日には子犬はその嗅覚で獲物となる野鳥の存在をセイに知らせ、狩りに早速貢献。

元気で力強く、生きる力に溢れている姿から、セイは相棒である子犬に「イキル」という名前をつけるのだった。

自らに眠る野生に気付くセイ

その後もセイとイキルは鹿の群れを追うなど、狩りの失敗も経験しながら仲間のいる廃校の近くにまで戻る。

すると悲鳴が聞こえ、セイは急いでその声の方へと向かった。

そこには2人の男が彼女に無理矢理迫ろうとしているところだった。

沸き上がる怒りを抑えながらセイは弓で男たちを威嚇。

彼女を前にしてさまざまな感情が頭を巡るが、セイは自らの中にも野生があったことを感じるのだった。

脱出を考えるリョウ

鹿の肉と共にリョウたちのもとへと帰ってきたセイは、イキルを連れてきた経緯と共に先住の男から聞いたこの島の過去の話を皆に共有する。

山篭もりを経たセイは雰囲気も少し変わり、狩りで得た感動と生の実感を彼女に伝えると、彼女も彼女なりに生きることについて考え始めた。

他方、リョウたちは志願者を集めてこの島から出るための船作りに励んでいた。

リョウと数名がこの島を出ようとしていることでグループの仲は少しギクシャクし始め、話し合いのなかで危険を冒してでも島を出ようとする者が明らかとなる。

自分の死に場所を自分で決めたいというリョウの決意は固く、これから頼れるリーダーであるリョウがいなくなれば自分のことは自分でしなければならない。

再び山に籠ることにしたセイは出発の前にリョウのもとを訪れ、2人だけで話をするのであった。

亡き彼女を想い続けるリョウ

リョウはセイに自分の過去について明かし始めた。

リョウは本島にはエリという彼女がおり、互いの寂しさを埋めるようにいつも一緒にいた。

貧しいながらも幸せだった2人。

しかしある日、不運にもリョウがエリを後ろに乗せてバイクで走っている際に居眠り運転の車と事故に逢い、エリは還らぬ人となってしまった。

エリを失ったリョウはしばらく鬱になり、「私を一人にしないで」というエリの口癖を思い出すうちにエリの後を追うようにして自殺行為を繰り返すように。

結局死にきることもできず、ここに来ることになったという。

ここでの生活で生きることの充実感すら感じるようになったリョウだが、それでもエリを想いこの島を離れる覚悟を固めていた。

「生きていて欲しい」というセイの言葉に対し、リョウは「オマエに会えてよかった」と返す。

リョウは生きるとは答えてくれなかったが、この言葉がセイにとっては心の支えになるのであった。

脱出への旅立ち

それから数日間、何度も航行テストを繰り返し、いよいよ出発の日を迎える。

トモが方位磁石を送り、北を目指して進めば陸に出られる可能性が高いとアドバイス。

別れを惜しみながら、リョウは他4人を連れて船で旅立っていったのだった。

リーダー不在となったが…

リョウが去り、すぐにセイはイキルと共に山に入った。

そしてイキルとの連携で見事に鹿を仕留め、イキルも猟犬として成長していく。

狩りの間山菜や魚を食べられずビタミンが不足がちになるため、セイは得た肉の半分を谷川に沈めて保管し、残りを燻製にしながら、これからのことを考えていた。

そして燻製にした肉を仲間のもとへと持ちかえり、セイは魚や山菜と交換してほしいと切り出す。

リョウというリーダーがいないなか、働かずに食糧を得る者や欲望を抑えられない者など、グループでは確実に治安が悪くなっており、セイの提案にもトモらが理解を示す一方で、渡さないなら力ずくで奪うことも辞さない考えの者もいる。

そんな折、リョウたちの船が島に漂着したという報せが入った。

リョウは数名と共に命からがら島に流れ着き、巡視船に撃たれて脱出を阻まれたことが明かされるのであった。

【3巻のまとめ】

相棒となった子犬は「イキル」と名付け、猟犬として共に狩りを続けるセイ。

一方、リョウは亡き恋人を想い本土で死ぬために島からの脱出を図った。

リョウという頼もしいリーダーが去り、グループの治安は確実に悪化するなか、セイはこれからのことを考える。

しかしそんな折、リョウが数名と共に命からがら島に流れ着いてしまう。

それはこの島からの脱出が失敗したことを意味しているのであった。

次巻へ続きます。

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