平凡な毎日が突然終わりを告げた。
明石靖人は親友の青山との喧嘩が原因で学校をサボるが、このときに突如として全国の高校で生死を賭けた理不尽な選別ゲームが始まる。
巻き込まれた青山は重傷を負い救急車で搬送され、学校をサボったために難を逃れた明石のもとにも二宮金次郎像が迎えに来た。
二宮金次郎に促されるまま明石がたどり着いたのは、「ごみ箱」と称する巨大な立方体の中にあった学校。
持田 涙をはじめこの日学校に行かなかった不良たちが集められ、理事長を自称するセイン・カミという少年が「試練を潜り抜けた者に神の力を与える」と告げる。
学校の出席者がかみまろの試練を受け「神の子」と呼ばれる一方、明石たちには「神の子」に対抗する存在として「カミーズJr」との呼称が与えられる。
明石と涙は丑三清志郎や原海(ハラカイ)、星川芽衣、柘植まさみといった仲間を得て最初の試練「豆まき」をクリア。
次の試練では夏川めぐ(ナツメグ)と出会い、また丑三の機転もあって仲間を増やしながら「すなとり」をクリアした。
その頃、外の世界では最初に「神の子」の選別を終えた立方体から高畑瞬、秋元いちか、天谷武、秋本クリストファー健人(クリス)、真田ユキオの5人が姿を見せる。
「神の子」の選別は全部で108個の立方体で行われる一方、明石ら「カミーズJr」の選別は誰も知らない109個目の立方体で行われていた。
明石らは今度はそのままチーム別対抗の「学校の七x七不思議」に挑む。
「あやとり」チームでは人格が変わったハラカイが暴力で支配し、「いすとり」チームでは”シャイナー”柴村が宗教のように洗脳を敷いている。
明石たち「すなとり」チームはマス取りが実はオセロになっているという裏ルールによる出遅れを取り返すため、最高難度のクエスト「艮(うしとら)」に挑む。
挑むのは明石、涙、来々留(くくる)。
涙はこのクエストをクリアしたら明石に告白しようと決意するが、艮の不思議な攻撃により3人ともドロドロに溶けてしまうのだった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
不思議な力を持つ「艮」と「坤(ひつじさる)」
艮によって攻撃を受けた明石たち。
明石は母が家を出ていったときのトラウマが呼び起こされ、ひどい頭痛と共に目を覚ますと校内の別の場所に全裸でいた。
〈目を覚ました明石 [神さまの言うとおり弐 5巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
涙もまた、同じように事故に遭ったせいでピアニストになる夢を絶たれ、両親からの愛と期待を受けられなくなったトラウマが蘇る。
一足先に涙と来々留が再会すると、来々留はレズビアンであることを告白し、涙を押し倒そうとする。
他方、「いすとり」チームと遭遇した明石。
そこにいたミツバもかなり洗脳されている様子である。
そこに今度は「いすとり」チームが選んだ最難関クエストである「坤(ひつじさる)」が姿を現し、明石ら4人に不思議な文様を見せて苦痛を与える。
〈最難関クエスト「坤」 [神さまの言うとおり弐 5巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
明石が見たのは涙が自分に告白しながら死んでいく場面。
「坤」にはまた別の悪夢を見せる力があるようだ。
涙の死と「艮」「坤」の能力
「いすとり」チームが明石を敵視するようになると、明石は一目散にその場を離脱して服を回収。
そして涙と来々留がもう1つのクエストターゲットに襲われているところを助け、勢いで涙に告白する。
〈目を覚ました明石 [神さまの言うとおり弐 5巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
しかしなぜか涙はよそよそしい態度。
なぜかわからず困惑する明石だが、そこに「いすとり」チームの3人と「坤」、さらに「艮」も追ってきた。
ミツバ以外の「いすとり」チームの2人が死に、「艮」と「坤」に挟まれ絶体絶命の明石たち。
〈「艮」「坤」に挟まれる [神さまの言うとおり弐 5巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
ここで涙が明石を呼び、わざと2人で「坤」の文様を見る。
2人はひどい頭痛とともに別の場所へ転送され、そこで涙は「来々留に脅されて明石と話すことができなかった」と明かす。
無事、涙も明石に告白し2人は結ばれるが、転送される際に深手を負った涙はそのまま死んでしまった。
〈涙の死 [神さまの言うとおり弐 5巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
その場面はまさに明石が「坤」によって見せられた悪夢そのもの。
「艮」がトラウマを追体験させる一方、「坤」には未来の場面を見せる力があるようだ。
「艮」を撃破
涙の仇を討つため、1人でも「艮」に挑む覚悟を固めた明石。
これ以上ない悲しみを背負ったため、「艮」が見せるトラウマは効かない。
明石はお札で「艮」の動きを封じ、自ら転送して逃げる「艮」に向けて手榴弾を蹴りこみ撃破した。
〈「艮」を撃破 [神さまの言うとおり弐 5巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
クエストクリア後、涙の死による悲しみを分かち合う「すなとり」チーム。
明石は今後すべてのクエストに参加することを決める。
そして丑三もまた、唯一いたが死んでしまった友達の生きざまに明石をダブらせ、明石にますます惹かれていく。
修羅と化すハラカイ
結局「坤」は倒せぬまま時間切れとなり、「坤」のマスは死にマスとなった。
「いすとり」チームにただ一人帰還したミツバは、洗脳が解けかかる。
他方、ハラカイによる暴力支配が続く「あやとり」チームではハラカイへの恐怖が蔓延し、一方のハラカイにも信頼できる仲間がいないことで自分が誤っているのではと思い始める。
自分の過ちを認めたくないハラカイは、迷いを捨てて暴力ですべてを解決する「修羅海(シュラカイ)」となって次のクエストに挑むのだった。
〈シュラカイ [神さまの言うとおり弐 5巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
ハラカイの改心
次のクエストでは明石がリーダーに選ばれ、お供には丑三と立候補した凛平で挑む。
無事にクエストを解決したところでシュラカイら「あやとり」チームに遭遇した。
闘いを仕掛けるシュラカイに対し、明石らは怒りを通り越して呆れ、戦わずにその場を後にする。
誰にも相手にされなくなったシュラカイはようやく改心し、もとの心優しい少年に戻るのだった。
〈改心するハラカイ [神さまの言うとおり弐 5巻](c)講談社/金城宗幸・藤村緋二〉
【5巻のまとめ】
トラウマを追体験させる「艮」とこれから起こる未来を見せる「坤」の2つの最難関クエストに巻き込まれた明石たち。
明石は両想いになっていた涙と結ばれるが、涙はクエストの途中で重傷を負い命を落とした。
仇討ちに燃える明石は「艮」を見事撃破し、その後のクエストにも積極的に参加する。
「あやとり」チームのハラカイを改心させることにも成功するのだった。
次巻へ続きます。
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