鬼龍との決闘を経て廃人となってしまった父・静虎を懸命に看護しながら、治療の金を稼ぐために親友であるリキ丸と組んで地下格闘技「ダーク・ファイト」に身を置くキー坊。
リキ丸は巨額の賭けが行われるこの闇格闘技でクリーンな闘いを貫くキー坊をダーク・ファイトから解放することを決め、大物フィクサーの柳場道元に接触し「ハイパー・バトル」への出場を推薦する。
しかしその頃、灘神影流と関係のある流派・覇生流の師範たちはキー坊を灘神影流の当主として認めない意向を決め、「風のミノル」こと鈴木ミノルをキー坊への刺客に命じる。
キー坊を倒す指示を受けながらも静虎を尊敬し、また師匠の仇敵である鬼龍を倒す目標を持つミノル。
その助力の甲斐もあり静虎が奇跡的な回復を遂げた。
そしてキー坊とミノルは揃ってハイパー・バトル予選に出場。
各参加者に配られたリングを奪い合う過酷なバトルロイヤルが始まり、猛者が各所で戦いを始める。
ジョーカーとして参戦した円月流剣術の薔薇丸が暗躍するなか、キー坊は数々の死闘を制し、予選終了間際にミノルとの勝負に臨む。
満身創痍のなか新たな境地・空眼の目付けを会得し、ミノルの攻撃を凌ぎ切り、予選がタイムアップ。
「鉄宝流空手」の木村大観、ミノル、そしてキー坊がリング保有数の上位3名となり、ハイパー・バトル本戦への出場を勝ち取った。
予選を終え、帰路につくキー坊だが、やり残したのはジョーカーとして参戦していた薔薇丸との決闘。
電車の中で立ち会いが始まり、真剣で切りかかってくる薔薇丸に対し白刃取りで対抗するのだった。
9巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
キー坊vs薔薇丸
薔薇丸の真剣をキャッチした状態からの攻防。
キー坊は一発で勝負を決め切ることができず、本気になった薔薇丸は円月流剣術・陽炎で自らの姿を消し、幻惑しながら仕掛けてくる。
対するキー坊は心眼で薔薇丸の動きを読み、腹を小柄で刺されながらもカウンターの膝蹴りを薔薇丸の顔面にクリーンヒットさせる。
〈キー坊の反撃 [TOUGH 9巻](c)集英社/猿渡哲也〉
しかし幼いころから父のスパルタすぎる教育を受けてきた薔薇丸は「強さこそが全て」という信条であり、病床に伏せて弱った父親も自分の敗北もプライドが許さない。
攻撃性と殺意を極限まで高め、奥義・土竜突きを仕掛ける薔薇丸。
キー坊は灘神影流奥義・弾丸すべりで突きを躱し、薔薇丸に強烈なカウンターパンチを当てた。
〈弾丸すべりで躱す [TOUGH 9巻](c)集英社/猿渡哲也〉
身体ごと吹き飛び、車窓から外に投げ出されそうになる薔薇丸。
敗北の屈辱から死を望む薔薇丸をキー坊は必死に助け出し、薔薇丸の歪んだ心をほどいていく。
〈薔薇丸に完勝 [TOUGH 9巻](c)集英社/猿渡哲也〉
キー坊はそのまま病院に運ばれるが、薔薇丸は病気の父を見舞い、親子の確執も解けていくのだった。
完全復活した静虎に目をつける「チームD」
2年間のリハビリを経て、いよいよ静虎が全快した。
その退院の日、キー坊と金時が静虎を迎えに来たところに道元が結成した格闘技のスペシャリスト「チームD」の1人にして天才柔術家の秋川清風が姿を現す。
〈復活した静虎の前に姿を現した秋川 [TOUGH 9巻](c)集英社/猿渡哲也〉
秋川は静虎に喧嘩を売り、珍しく静虎も売られた喧嘩を買う。
リハビリ後の練習相手にはもってこいの相手とあり、生き生きと自分の身体を動かす静虎。
自分の身体のキレを確かめながら秋川を圧倒し、その様子をモニター越しに見ていた道元は静虎をチームDにスカウトすることを決意する。
〈静虎に目をつけた道元 [TOUGH 9巻](c)集英社/猿渡哲也〉
こうして「バトル・キング」や鬼龍との戦いに静虎も巻き込まれていくこととなる。
着実に強くなっているキー坊ですら敵わないほどに完全復活を遂げた静虎。
灘神影流の当主の座を譲ったいま、静虎の生きる目的はいち武道家として鬼龍と再び闘うことのみにあった。
〈戦う目的は鬼龍との再戦 [TOUGH 9巻](c)集英社/猿渡哲也〉
【9巻のまとめ】
電車の中での薔薇丸との真剣勝負を制したキー坊。
そしていよいよ、2年間のリハビリを経て静虎が完全復活を遂げた。
その実力に目をつけた道元は自身の所有する格闘技のスペシャリスト集団「チームD」にスカウトすることを決意するのだった。
次巻へ続きます。
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参考灘神影流を背負うキー坊の闘いと成長『TOUGH』全39巻【ネタバレ注意】
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