鬼龍との決闘を経て廃人となってしまった父・静虎を懸命に看護しながら、治療の金を稼ぐために親友であるリキ丸と組んで地下格闘技「ダーク・ファイト」に身を置くキー坊。
リキ丸は巨額の賭けが行われるこの闇格闘技でクリーンな闘いを貫くキー坊をダーク・ファイトから解放することを決め、大物フィクサーの柳場道元に接触し「ハイパー・バトル」への出場を推薦する。
しかしその頃、灘神影流と関係のある流派・覇生流の師範たちはキー坊を灘神影流の当主として認めない意向を決め、「風のミノル」こと鈴木ミノルをキー坊への刺客に命じる。
キー坊を倒す指示を受けながらも静虎を尊敬し、また師匠の仇敵である鬼龍を倒す目標を持つミノル。
キー坊とミノルは揃ってハイパー・バトル予選を勝ち上がり、本戦出場を決め、そして静虎も2年間のリハビリを経て奇跡的な回復を遂げた。
その実力に目をつけた道元は自身の所有する格闘技のスペシャリスト集団「チームD」にスカウトすることを決意するのだった。
10巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
拉致された静虎
長兄・尊鷹を殺した鬼龍と再び戦うため、胸の内に闘志を燃やしながら山奥で修行に励む静虎。
そこにチームDが静虎をスカウトに現れる。
素手同士では静虎に敵わないと見たチームDは麻酔銃で静虎を眠らせ、ヘリで身柄を拉致していった。
〈拉致された静虎 [TOUGH 10巻](c)集英社/猿渡哲也〉
バトル・キングとの邂逅
静虎が行方をくらませたことを知ったキー坊も、宮沢家の墓前でバトル・キングと邂逅を果たす。
〈バトル・キングとの邂逅 [TOUGH 10巻](c)集英社/猿渡哲也〉
灘神影流の当主の力量を確かめるため一方的にしかけてくるバトル・キング。
対抗しようとするキー坊だが、あまりに次元の違う強さを前に何もできず、一撃で失神してしまうのだった。
静虎がチームDに加入
静虎を拉致した道元は、改めて静虎をチームDへ勧誘する。
道元もまた鬼龍にプライドを著しく傷つけられた過去があり、チームDの目的は鬼龍を倒すことにあった。
〈静虎をスカウト [TOUGH 10巻](c)集英社/猿渡哲也〉
利害が一致し、静虎は道元の豊富な資金による全面的なバックアップを得ながら、トレーニングに励むこととなる。
チームの身体管理を担う立川博士は静虎の肉体の完成度に驚きながらも、そこに科学的なトレーニングを上乗せすることで鬼龍をも超える可能性に胸を躍らせる。
〈驚異的な肉体を持つ静虎 [TOUGH 10巻](c)集英社/猿渡哲也〉
チームリーダーの菊多率いるチームDからの手荒い歓迎も難なく切り抜け、本格的にチームの一員となった静虎。
万全の状態に思えたが、鬼龍から受けた塊蒐拳の影響で確実に身体を蝕まれ、余命はあと半年程度しか残されていないのであった。
〈塊蒐拳のダメージが残る [TOUGH 10巻](c)集英社/猿渡哲也〉
ハイパー・バトル本戦出場者が揃う
キー坊のもとにハイパー・バトル世界大会の案内状が届いた。
父・静虎がチームDに加わったと知りながらもその意志を尊重し、自らは更なる強さを求めてハイパー・バトルに集中する決意のキー坊。
〈本戦出場者が決定 [TOUGH 10巻](c)集英社/猿渡哲也〉
共に予選を勝ち抜いたミノルと木村大観、またプロデューサーである道元の推薦枠で出場を決めた静虎と共に記者会見に臨む。
親子対決の可能性に色めき立つ報道陣に、さらに世界各国からの出場者も発表された。
・”ベルト・コレクター”テッド・オースチン(アメリカ/総合格闘技)
・”ラバーマン”アンドレ・フェルナンデス(ブラジル/ブラジリアン柔術)
・”白い悪魔”モロゾフ・ゼンツォフ(ロシア/レスリング)
・”史上最強横綱”ヤムチャッカ・スミザレヨックタール・ナンタラー(通称ヤム)(モンゴル/モンゴル相撲)
その他の猛者と共にバトル・キングも参戦が明かされる。
するとその会見の場に鬼龍も乱入し、「どうしても戦いたい男がいる」と言って木村大観を一撃で倒し、出場枠を強奪するのだった。
〈鬼龍が出場権を強奪 [TOUGH 10巻](c)集英社/猿渡哲也〉
バトル・キングの正体は尊鷹?
チームDで順調にトレーニングを続ける静虎。
立川博士は静虎に更なるパワーをつけさせるため特製の注射を打とうとするが、自身の肉体管理に強い信念のある静虎はこれを拒否。
しかし塊蒐拳のダメージにより突如として吐血してしまい、大会本戦出場を前に治療に入るアクシデントに襲われてしまう。
〈大会直前に吐血 [TOUGH 10巻](c)集英社/猿渡哲也〉
父の余命が少ないことを知ったキー坊は、その治療法を解き明かすため自ら塊蒐拳の会得を目指すことに。
塊蒐拳は口伝によってのみ伝授される技であり、祖父・金時は記憶から消していた。
〈塊蒐拳の会得を目指して [TOUGH 10巻](c)集英社/猿渡哲也〉
技を知るのは金時から伝承された尊鷹と、尊鷹からその技を見て盗んだ鬼龍のみ。
尊鷹は鬼龍に橋から突き落とされて死んだと思われていたが、金時はバトル・キングの圧倒的な強さを誇る姿に尊鷹が生きているという可能性に行き当たる。
そして悪夢にうなされる静虎もまたバトル・キングが尊鷹ではないかという予感がしており、立川博士の処置に従ってでもハイパー・バトルで勝ち進み、バトル・キングの正体を確かめる覚悟を固めるのだった。
〈バトル・キングの正体は尊鷹…? [TOUGH 10巻](c)集英社/猿渡哲也〉
【10巻のまとめ】
「鬼龍を倒す」という共通目的のもと、チームDに加入することとなった静虎。
万全の調子に思えたが塊蒐拳のダメージは依然として残り、静虎は余命半年の状態だった。
塊蒐拳の治療法を知るのは鬼龍と尊鷹のみ。
ハイパー・バトルの前回優勝者バトル・キングの正体が尊鷹である可能性に行き当たったキー坊は、塊蒐拳の会得を目指してハイパー・バトル本戦に臨むのだった。
次巻へ続きます。
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参考灘神影流を背負うキー坊の闘いと成長『TOUGH』全39巻【ネタバレ注意】
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